級的激突に備える新たな道へ

スペイン アンティカピタリスタ(第四インターナショナル・スペイン支部)声明 (5月14日)

アンティカピタリスタ(第四インターナショナル・スペイン支部)

 三月二八日、アンティカピタリスタがポデモスから離脱することを決定する組織内投票が終了した。メンバーの七九%が投票に参加し、そのうち八九%が離脱に賛成、三%が反対、七・五%が保留だった。われわれは今日までこの決定を公表するのを控えていた。というのは、われわれが最優先すべきなのは、スペインを襲っている、そして民衆諸階級の中でもっとも脆弱な部門に集中的に影響をもたらしている新型コロナウイルスのパンデミックに注意を払うことだったからである。
 われわれは、ポデモス―われわれも結党メンバーの一つだった―での共同の経験が非常に興味深いものであり、ポデモスの歴史の一部であるとともに、われわれの組織の歴史の一部にもなるだろうと考えている。われわれがポデモス結党に参加した理由はよく知られている。闘争や社会運動と強く結びついた、広範で急進的な民主的政治勢力、つまりエリートによる経済・文化・政治権力に挑戦し、攻撃的でコントロールされない新自由主義の影響をくつがえすことのできる政治勢力、そしてもちろんのこと、生態系を破壊し、男性優位の資本主義に対する根本的な政治的オルタナティブを考え、構築するという使命を持った政治勢力を形成することが必要だったからである。
 われわれは、こうした目標が依然として重要であると信じているが、この点では、ポデモスはアンティカピタリスタがこの点で貢献することのできるスペースではなくなってしまったとも信じている。われわれはしばしば、われわれの立場を表明し、同志的な精神でそれを左翼の他潮流と対比させてきた。
 不幸なことに、ポデモスは今日、われわれが最初に建設しようと願っていた組織ではなくなっている。つまり、中央集権的な権力および官公庁や書記長と結びついた少数の人々による決定にもとづいた組織モデルと党内体制は、集団的で複数主義的なとりくみのスペースをほとんど残していないのである。
 明らかに、このモデルは、社会的分野における前進のためには有効だとはまったく立証されてこなかったものである。つまり、ポデモスがかつては享受した戦闘的組織や下からの力は、このモデルによって薄められ、乱され、徐々に消滅してしまったのである。これは、彼らがそれを正当化するために主張していたような選挙結果での前進にも結びつかなかった。
 ポデモスは、システムの経済的・政治的規範に異議申し立てする政治運動として生まれた。その戦略が変えられたことは明らかだ。ポデモスにとって、「可能なこと」は何年もかかって次第に変えられていったが、われわれの見解では、必要なことを可能にするのが任務であり続けている。この転換の頂点がPSOE(社会労働党)と連立政権を組むという戦略である。左翼のプロジェクトはまたもや、ほとんどないに等しい内閣への影響力と引き換えに自らの政策を放棄することに合意することで、まだましな悪の論理に短期的に従属してしまっている。
 政府のプロパガンダにもかかわらず、連立政権の政策はオーソドックスな経済の枠組みと決別していないし、富の再分配、公共領域の根本的強化、新自由主義的制度への不服従に踏み切ってはいない。もちろん、われわれはこの枠組みの中でかちとられたすべての成果を支持するだろう。そして、極右に対してともに闘うだろう。しかし、深刻なシステムの危機という情勢において、われわれは、民主主義と社会正義(ソーシャル・ジャスティス)を前進させようとする努力が、必ずや社会的に強力で野心的な政策を作り出し、エリートとの対決を準備することに通じると信じている。
 来るべき数カ月、あるいは数年は、階級間の激しい闘いの場面となるだろう。現在の危機は一時的なものではない。それはシステムそれ自体の、経済・エコロジー・医療の危機だからである。その危機は、重要な政治的・文化的・社会的再編成を伴うだろう。われわれが今日確かなものだと信じているものは、何一つ同じままではないだろう。あらゆる種類の闘争や経験に開かれた反資本主義運動の構築にとりくむことによって、率直な方法で未来を見つめることが可能となる。われわれが、ポデモスに結集する人々とともに、多くの共通した闘いに参加していくことは間違いないことだ。
 社会状況や医療の状況が許せばすぐに、われわれはアンテイカピタリスタの大会を開催し、新たな段階におけるわれわれの提案について徹底的に議論するだろう。
(『インターナショナル・ビューポイント』五月一四日)

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