8・24放射能汚染水強行放出2周年 抗議スタンディング
【東京】8月24日午後5時半から、新宿駅南口で「汚染水強行放出2周年抗議スタンディング行動」がさようなら原発1000万人アクション実行委員会の呼びかけで行われ、85人が参加した。
放射能汚染水放出で海を汚すな
2023年8月24日東電が汚染水を海に投棄し始めた。今現在も命の海に13回目の汚染水を流している最中だ。東京電力・福島第一原発事故による放射能汚染水(ALPS処理汚染水)の海洋放出から2年が経とうとしている。
この間海洋放出は12回(2025年4月現在)にも及び、9万3947m3ものトリチウムなどの放射能を含んだ汚染水を放出してきた。今後、原発の廃炉が続く限り大量の放射能の放出は止まらない。
福島の海、日本の海は放射能の捨て場ではない。そこで暮らす漁民も今でも反対している。これ以上命の源である海を汚してはならない。
韓国人からも連帯のアピール
韓国から来た運動団体が「韓国国民は汚染水で汚染された食べ物を食べたくない。日本の国民に汚染された魚を食べさせたいのですか。韓国の市民と共に連帯して東電の汚染水の海洋投棄を止めましょう。日本政府と東京電力は福島原発・核の汚染水の放出をすぐに中断しろ」と訴えた。
次に福島からのアピールが予定されていたが、残念ながら東北新幹線が事故でストップし、福島からのアピールができなかった。
放射能汚染水放出に反対する北区の会がアピールした。
「2011年3月11日、福島原発で重大な事故が起きた。事故の後始末はそれから14年間毎日続いている。原子炉は水で冷やし続けないといけないので、放射能に汚染された水が大量に発生する。大きなタンク1000基ほどに貯まっている。2年前からそれを東電は海に流し始めた。『放射性物質は取り除いているから大丈夫だ、薄めて流すから大丈夫だ』とか、東電も政府も言っている」。
「水俣病や食物連鎖を知っているだろうか。水俣病は工場からメチル水銀が流されて、それが食物連鎖によって、魚とか貝とかによって、体の中にだんだん濃縮されて、それを食べた人たちにたいへんな健康被害が出た。最初は、港で魚を食べていた猫たちがおかしいことに気づいた。今流されている放射能汚染水も、どんな影響が人体にあるか分からない。魚を安心して食べられない社会なんていやだ」。
「風評ではなく、実害になってくる可能性がある。海は世界中につながっている。放射性物資が健康に被害を与えることは分かっている。本当はどこか一カ所に閉じ込めておかないといけない。これ以上汚染水を増やさないための工事をすることが先ではないかという意見もあるが、日本政府は何もしていない。汚染水を止めて、大事故の後始末をどういうふうにしていくのか、もう一度考え直さなければいけない時期に来ている」。
汚染土の全国拡散を許すな
所沢汚染土問題放射能問題を拡散させない会の参加者が訴えた。
「茨城県の農家の人が汚染水が放出されたことにより、その汚染水が水蒸気になって、それが空気の中に紛れ込み、放射性物質が畑に舞い落ちてきている。データも取って、被害を裁判で訴えている。汚染水の海洋放出が海だけの問題ではなくて、陸地にも被害を与えている」。
「2022年12月に埼玉県所沢市内にある環境省の敷地が、福島で出た除染土の実証事業をする候補地にあがった。環境省と当時の市長、環境対策課長が面談していたのに、市民・市議会に知らせないでいた。いま、環境省は全国で1kg当たり8000ベクレル以下の土を再利用しようとしている。各自治体でこのことを知ってもらい、持ち込ませない運動を展開したい」。
「所沢市民の会は12月議会をめざして、除染土持ち込みを規制する条例の制定を求める請願署名の活動を始めている。かつて所沢ではダイオキシン問題があり、条例が制定されて、ダイオキシン問題が解決した。これにならって私たちはまた奮起して一生懸命運動を展開するつもりだ」。
「除染土の作業について、環境省が言っているのは鉄板の上に乗って作業するから大丈夫、作業員には白い防護服を着せないと言った。それはタイベックスを着て作業をしているとそれを見た住民が不安に思うからだ。そういう被曝労働を強いるような放射能拡散には絶対反対だ。だからといって、いつまでも中間貯蔵施設を地権者の皆さんに、お返ししないのでは、これは約束が果たせないことになる。この責任を果たすのは、環境省ではなく、原因を作った東電だ」。
全労協東京の小泉尚之さんが労働者運動の立場から発言した(別掲)。「汚染水の海洋投棄をやめろ、原発の再稼働を許すな」とシュプレヒコールし行動を終えた。 (M)

韓国からも参加し、放射能汚染水法放出に抗議(8.24)
全労協・小泉尚之さんの発言から
被曝労働を強いる原発稼働をやめろ
福島の原発で出た汚染水を強行的に海洋投棄するという暴挙が行われ2年が経った。日本政府・電力会社は14年前の悲惨な原発事故をもう忘れたのか。
日本の指導者層の無責任さに対しては改めて怒りを覚える。原発の再稼働に踏み切るということで、大震災以後停止していた老朽化している原発について、再稼働するという動きが加速している。もう40年経っている。こうした施設をもう一回動かすということは常識的に考えてありえない。
1960年、70年代にインフラ整備がいろいろ行われた。しかしいま、水道や下水道管が壊れて道路に大きな穴が開き、人命も失われている。原発の施設だけが老朽化事故が起きないと断言できるのだろうか。原発回帰に反対していこう。
原発と合わせて、私たちが危惧するのは7月に行われた参院選で、ある政党は「核武装は安上がりだ」と主張した。この原発のことについても、安上がりだと一貫して推進派は言っている。核を取り扱うことを「安上り」などと平気で言う。許せない。日本が危ない国に向っているという危機感を覚える。
ロシアがウクライナの原発施設を攻撃する。あるいはトランプ政権がイランの核施設を空爆する。こういったことを見ても明らかなように、核の施設は武力行使の的にもなるきわめて危険な施設だ。そういう意味からも原発施設の即時の稼働停止、そしてグリーンエネルギーの利用による発電を進めていかなければならない。
私たち労働組合として、この原発の稼働に関しては電力会社を頂点にその下にプラントメーカーや大手のゼネコンがむらがっている。しかし、原発の施設の中で、働いている労働者は大手ではなくて、二次請け、三次請け、ひ孫請け、こういったことで労賃をダンピングされた労働者が本当に被曝労働という形で、体と引き換えに、自分の健康を蝕まれる中で、労働に従事している。原発は安上がりなんていう、国の政策は労働者の大きな犠牲をまったく無視したものだ。私は抗議の声をあげたい。この原発は誰にとっても良いことはない。
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