国際主義労働者全国協議会 第25回総会コミュニケ
かけはし2013年11月18日号
安倍政権への反攻通して
システム危機への戦略的対抗の準備を
国際主義労働者全国協議会は一〇月下旬第二五回総会を開き、安倍政権の徹底した反民衆的な国家改造路線に対する分析、およびそこでの反攻に問われる課題について検討を行った。討論は三人の同志による導入報告、A.世界・日本情勢と基本任務、B.労働運動の課題、C.憲法改悪阻止闘争の課題、を中心に行われた。
Aは、昨年報告、討論された世界的なシステム危機の分析をその後の推移に照らしてあらためて検証し、社会を犠牲にした自己救出として、支配階級による徹底した民衆攻撃が世界共通により鮮明になっていること、並びにその攻撃処方箋も共通に、緊縮―社会的支出切り落とし、労働力市場「改革」、民主主義の実質骨抜きの三点セットを基軸としていることを確認、必然的に非和解化する階級激突が上記三点を基軸に世界的に共通の性格で展開し、社会救出のためには、支配階級を無力化することを結論とする闘いの発展が不可避的に求められる、と提起した。
同時にそのような攻撃を現時点で可能にしている最大の根拠として、一九世紀以来労働者民衆が培ってきた団結並びにその意志を政治的決定に押し付ける回路が限界に達し、上に提起した闘いに耐えられなくなっていること、そこからの脱却をめざす挑戦が、新しい闘いの姿として次々とわき起こりつつも、総体としてはまだ模索と苦闘のの中にあることと分析された。
したがってその克服が最大の課題であり、そこに向け、無数の自立的抵抗を率先することを前提に、何よりもその水平的な共同、統一を徹底的に追求し、その力で敵の攻撃を食い止めるチャンスをつかむことが求められ、そしてそのような民衆エネルギーの不可欠な要素として労働者の政治的団結再生に特に集中し、それを下敷きとした反資本主義潮流創出への挑戦が求められている、と提起された。
さらにその全体的枠組みの中に位置づけて、圧倒的な与党に支えられた安倍政権の登場に刻印され、かつ外見上の強大さの陰に実体的に内包された危機の性格、そしてこの政権との闘いの性格が、先に見た世界的闘争と強い共通性をもつものとして報告された。
一方Bは、労働分野の徹底した規制解体の攻撃、支配側の雇用戦略の総転換に焦点を絞り、そこに向けた闘いの現状と今後の展開方向を提起し、同時にこの攻撃が世界的に共通であることに特に注意を喚起した。
またCは、安倍のねらう憲法改悪を、日本ブルジョアジーが危機の中で自己を守るための必然性という観点から歴史的に位置づけ、そことの対決を帝国主義国家再生への国家改造を阻止する闘いとして国際主義的に展開する必要を指摘しつつ、その中での大衆的革命党建設を真剣に検討すべき段階にあると提起した。
討論はAの特に後半部分とB、Cをかみ合わせる形で進められ、安倍との対決が世界的に共通の枠組みで展開することを全体として確認した上で、憲法問題、原発・エネルギー問題、農業・一次産業問題、雇用を中心に議論が交わされた。そこでは、民衆と安倍政権との対立が深まることは確実だとしつつ、それが自然発生的に具体的な抵抗に転化するわけではないことに特に留意し、特に共同を軸に闘争可能性を見えるものとする必要が確認された。
また同時に、未来への発展可能性をもつ要求対置の必要性が確認され、それを具体化するための立脚点に関し、予備的な意見交換も行われた。例えば原発問題に関しては、電力会社の無償国有化、電力に関しては、供給増力学を内包した市場化ではなく、公共サービスとしての再組織化など。
これらについて総会は、これからの闘争展開の中での広い論議と一体的に、また国際的論議も参考に、さらに続行すべきものであることを確認した。