第36回総会コミュニケ
生活破壊への徹底抵抗組織化・推進主体としての左翼再形成を
国際主義労働者全国協議会(NCIW)
国際主義労働者全国協議会は、11月17日、東北、関東、九州の同志の参加の下に第36回総会を開催した。
この1年、日本と世界の危機は多面的に一層深まり、その克服の道も混迷の度を高めてきた。直前には、日本の総選挙で、自・公与党の過半数割れ・衆議院少数政権という議会情勢が出現、米国ではトランプが大統領に選出された。このような情勢の趨勢を見据えて、今回の総会に当たっては、事務局からの情勢・任務報告(事前配布)とは別に、各同志には各自の問題意識を積極的に文書提起することが依頼された。こうして今回の総会は、事務局の情勢・任務報告、および8人の同志からの文書提起による討論となった。
事務局報告は、この1年の世界と日本における政治と社会の動きの基本性格を以下のようにまとめた。まず世界的に広がる労働者民衆の生活苦と深刻化する不平等、止まらない戦争、気候危機を確認した上で、それが新自由主義の徹底化以外に道をなくしていると明白化した、リーマンショックから16年を経た資本主義の現段階の結果であるとした。
そしてそれが曲がりなりにも社会的包括を統治の基礎に据えた戦後の左右による中道的統治体制を、調停余力の枯渇として根底的な袋小路に追い込み、ブルジョア支配を強権化と社会的包摂の放棄へ向かわせざるを得ないとし、労働者民衆の生活要求と新自由主義(資本主義)の非和解性がまずます露わになるとした。
それゆえ新しい左翼は、この新自由主義強要に対する労組運動再建を含む民衆的抵抗の徹底推進を第1の回答、それを支えるものとして資本の負担を基軸にした社会の立て直しを第2の回答とする幅広い共同として追求されなければならない、と提起した。
そして特に後者に関し、民衆要求の実現には現段階が資本主義の論理を超えざるを得ない段階にあるとの自覚の下に、資本主義の論理を踏み越える要求の練り上げをさらに進め、その積極的な訴えを通じて、抜本的な社会変革に向かう運動潮流形成への挑戦をわれわれの課題とした。
同志たちの諸々の提起――特にこの間の選挙動向を踏まえた日本情勢、原発・エネルギー政策、医療政策、気候政策、労組運動など――には、労働者民衆に進行する生活苦・生活破壊への既存政治と支配的主流の回答不在に対し、個々の生活破壊への徹底した社会的抵抗の組織化を基盤に公共サービスの公営化を含む明確な回答を対置できる左翼の形勢をどう進めるか、に共通する問題意識があった。
そして特にその際、棄権という形で既成政治への不信を示している社会的マグマの存在を直視する必要、したがって既存の左翼の枠を取り払った新しいエネルギーへの攻勢的な向き合い方が不可欠とする点、も共有点だった。
新しい左翼形成については、結論的に共産党、社民党、れいわ新選組を当面の議会的表現としてその前進を図りつつ、現場におけるこれらの協力関係、あるいは社会的抵抗との協力関係の発展にさまざまな問題があることを念頭に、具体的な対応にはさらに深めた検討が必要であることを確認した。
ただより踏み込んだ討論のためには残念ながら時間があまりに足りず、やや消化不良になったことは否めない。総会は、われわれが訴えるべき政策要求も含め、具体的な任務を導き出す討論を、今回提起された文書の検討も含めこれからさらに継続することを確認して終了した。