インバウンドによるホテル宿泊費の高騰

コラム「架橋」

 11月に都内で打ち合わせがあるので、早めにビジネスホテルを予約しようとネットで調べたところ、その宿泊代の高騰ぶりには驚いた。打ち合わせ場所が新宿や水道橋という都心なら宿泊代の高さもしぶしぶうなずけるが、宿泊場所は都内といっても都下の形容が当てはまる地域。地下鉄沿いではあるが、過日宿泊したときはシングルで1万2000円ほどであった。ところが今回は、同じホテルで条件も同じなのに2万円を超えている。しからばと、他の場所もあたってみたが、どこもかしこも2万円以下というホテルはない。たまに1万円台のホテルも見受けられるが、それは2段ベッドの相部屋やカプセルホテルばかりだ。
 以前は1万円以下のビジネスホテルや一泊二食付きの旅館も全国的に目白押しだったが、この間のインバウンド需要や人手不足などが要因で、都市部では5年前に比べて1・5倍に高騰しているという。また、今夏の猛暑による影響で、観光客の動きも夏場より過ごしやすい秋に集中していることも宿泊代高騰に拍車をかけているらしい。加えて円安の影響もあり、今後も外国人旅行者は増加していくのに違いない。
 さて、私事になるがこの間、体調が思わしくなく1カ月近く浮動性めまいが続いている。歩くと雲の上を歩いているようなフワフワ感が毎日ついてまわるので、気分が晴れないことこの上ない。その原因はと、脳神経外科や内科、心療内科、果ては整骨院まで通院したが、薬の種類ばかり増えて、服用しても一向に改善しないのだ。
 脳に腫瘍でもあるのではないかと脳神経外科を受診したところMRI検査の結果、めまいとの因果関係は見受けられないということだが、無自覚な脳梗塞のあとが多々あることが判明した。医師は脳画像の白くなった箇所を指し、「来週は心電図と頸動脈のエコー検査をしましょう。気休めにめまいの薬を出しておきます」「血圧が高いので、内科で降圧剤を処方してもらってください」と話し診察は終了した。
 そんな中での出張である。宿泊代の高い、安いで身体を酷使してもはじまらない。ボクは、宿泊代は以前と比べて跳ね上がったが、勝手知ったるホテルに予約を入れたのは言うまでもない。  (雨)