地代追求資本主義は労働者大衆の生活を破壊する(上)
ペク・ジョンソン
6・27不動産対策発表から2ヶ月
6月27日、政府金融委員会は「緊急家計債務点検会議」を開き、家計債務管理強化案を提出した。当該措置には、以下の内容が盛り込まれた。まず、住宅保証貸付の限度額を6億ウォンに制限する。さらに、貸付による住宅購入者には、購入から6ヶ月以内の転入義務を課す。また、非対面銀行での住宅保証貸付と信用貸付は停止され、2住宅以上を保有する者による追加購入目的の住宅保証貸付も禁止される。
韓国銀行の住宅価格展望指数が2月の99ポイントから6月には120ポイントに急騰する住宅価格上昇に対応し、李在明政権は迅速に動いた。実際、住宅価格や所得と無関係な貸出規制は史上初であった。7月10日、韓国銀行も持続する景気後退にもかかわらず基準金利を2・5%で据え置き、首都圏住宅価格の抑制を優先した。
不動産対策の発表後、アパート取引は急減し、韓国銀行の7月住宅価格展望指数は109と6月より11ポイント下落した。しかしわずか1か月後の8月、指数は再び111に反発した。つまり、短期的に取引が萎縮しただけで、市場は依然として上昇を予測している。実際、7月の指数も100を超え住宅価格上昇の展望を示し、長期平均107を上回る水準を維持した。
より根本的に、不動産価格の短期的な推移がどうであれ、すでに大多数の国民にとって「マイホーム取得」は実現不可能な夢に過ぎない。特に首都圏の住宅価格は労働者の所得では到底手が届かないほど高騰している状態だ。
住宅問題は首都圏集中に伴いさらに深化している。今や人口減少に伴う住宅価格下落を展望する者はほとんどいない。人口減少に伴い首都圏集中はさらに深化しており、これは首都圏住宅価格の暴騰につながっている。かつてエンゲルスは19世紀の資本主義都市化過程で深刻化した住宅問題について論じ、「産業化により農村住民が大量に都市へ流入する一方で、都市では既存の古い居住地の撤去、道路拡張、商業地区開発などにより安価な労働者住宅が減少し、慢性的な住宅不足が生じた」と分析した。韓国もまた首都圏集中と地方消滅という形態でこの不均衡を経験している。
地主階級と資本家階級の融合
古典派経済学者ジョン・スチュアート・ミルは『政治経済学原理』において「地主は眠っている間にもより裕福になる」と述べ、地代の増加分を課税すべきだと主張した。「地主たちは働かず、危険も負わず、節約もしないまま、いわば眠っている間にもより豊かになる。ではこの富の増加について、一般的な社会的正義の原理に照らして、地主たちがどのような権利を主張できるだろうか? もし社会が当初から地代の自然増加分に課税する権利を有し、財政上の必要に応じてその範囲で税を徴収してきたならば、地主たちがそれを誤りであると不満を述べることができるだろうか?」
マルクスは『哲学の貧困』、そして『資本論』第3巻で次のように述べている。
「経済学者たちが地代を国家に帰属させて税金として使おうと要求するのは理解できる。それは産業資本家が地主に対して抱く憎悪の率直な表現である。」
「土地所有は、一定の発展段階においては、資本主義的生産様式の観点から見ても、不必要で有害なものとして現れるという点で、他の種類の所有とは区別される。」
地主階級の寄生性に対するミルの敵意が示すように、地主階級はもともと産業資本家たちと敵対していた階級である。今日では資本家階級と地主階級が緊密に結合しているが、資本主義初期においては「生産的」資本家階級は「非生産的」地主階級を憎悪し、闘争した。不動産所有から生じる地代、すなわち賃貸収入は生産活動とは関係なしに発生する不労所得であり、地代徴収は土地を所有するという理由だけで生産活動から生じる利潤の一部を徴収する行為だからである。
しかし今日、一つに融合した地主―資本家集団は住宅価格の上昇を推進し、社会全体の富を吸い上げている。もちろん両者が一つに結合しているとしても、土地所有から生じる地代が産業生産に何の寄与もしない事実は変わらない。それにもかかわらず資本家たちが土地保有を拡大する理由は、産業生産から生じる利潤が減少しつつあるためである。生産に何ら寄与しない地代追求は、生産活動を通じた富の蓄積が鈍化した社会で拡大する。この点で地代追求の拡大、地主階級と資本家階級の融合は、資本主義体制全体の構造的な利潤率低下を表現する重要な徴候だ。今日、労働者民衆が直面する住宅問題は、大衆を収奪しなければ延命できない退行的資本主義の産物である。
ある研究院によれば、2005年以降の15年間に韓国で実現された資産譲渡益(不労所得)総額は1375兆ウォンに達し、このうち83・3%にあたる1145兆ウォンが不動産資産から生じたものと集計された。「地代収取」という名の収奪による富の蓄積、資産所有による富の移転が全面化する様相は、今日の資本主義の衰退する様相を如実に露呈している。多住宅所有者と住宅保有層は住宅価格上昇で莫大な評価益と譲渡益を握るが、無住宅労働者民衆は賃金の相当部分を地主へ上納せざるを得ない。
文字通り「寝ている間にも富む」地主―資本家階級の存在は、労働者階級の再生産そのものを威嚇している。労働者たちは減少する実質賃金のうちより大きな割合を賃料とローン利息として納めており、深刻な少子化はその結果だ。少子化、資本主義が強いる労働者大衆の滅亡を止めるためには、資本主義体制そのものと戦わなければならない。
「ウォール街の主人」―巨大金融資本の住宅賃貸市場進出加速化
大資本の住宅賃貸市場進出の流れは国際的であり、比較的最近のことである。これと共に生まれた新造語が「ウォール街の主人」(Wall Street Landlords)、あるいは「企業型家主」(Corporate Landlords)である。2008年のサブプライム住宅ローン危機以降、巨大金融資本は住宅賃貸市場へ急激に進出した。サブプライム・モーゲージ崩壊で数百万戸の住宅が差し押さえられ、投資銀行やプライベート・エクイティ・ファンドなどの巨大金融資本は、住宅数十万戸を底値で買い占めた(その先頭はプライベート・エクイティ大手ブラックストーンであった)。不動産投資信託(REITs)や上場不動産会社(REOCs)といった金融手段を活用したこの流れは、賃貸住宅を証券市場に上場し、株主に対して賃料の大部分を配当または再投資する収益モデルを生み出した。
このような流れは賃借人にどのような結果をもたらしたのか? 金融・不動産資本による賃貸住宅市場の掌握は、賃料上昇と居住不安定、賃借人の立ち退き急増につながっている。カンザスシティの企業型賃貸住宅実態を調査したある研究によると、カンザスシティ地域のアパートの80%は企業所有で個人所有者よりもはるかに多く、企業型所有者は個人所有者よりも3・7倍多くの立ち退き訴訟を提起し、1・6倍多くの法規違反を犯している。つまり、企業型所有者はより多くのアパートを保有しており、それらの住宅は賃借人にとってより危険で、退去リスクも大きい。
2025年6月、不動産分析会社コタリティによると、投資家は米国一戸建て住宅購入の30%を占め、過去最高を記録した。資産運用会社メットライフによれば、2022年現在、機関投資家は米国賃貸用一戸建て住宅の5%(70万戸)を保有しており、2030年までにその割合は40%(760万戸)まで拡大すると展望されている。米国で実証された住宅賃貸市場の収益モデルは国際的に拡張し、ついに「全税制度」という特有の制度的障壁が揺らぐ隙を突いて韓国にまで進出してきた。
韓国住宅賃貸市場への進出を拡大する国内外の大資本
最近、大資本が積極的に韓国住宅賃貸市場に参入している。特に2024年末から海外資本の韓国賃貸市場進出が本格化しており、世界三大投資銀行モルガン・スタンレー、米国投資会社インベスコ、英国不動産投資会社M&Gリアル・エステート、カナダ年金基金など海外大資本が韓国賃貸市場に参入した。その手法は、大規模な企業型賃貸住宅団地の開発、既存賃貸住宅の買収、商業用不動産買収後の賃貸住宅への転換など多岐にわたる。国内の大企業と金融資本も賃貸市場への進出を拡大している。大手建設会社は自社賃貸住宅ブランドを掲げて賃貸アパートを供給しており、市中銀行・保険会社系列の不動産信託会社も賃貸住宅投資を拡大するすう勢にある。政府も不動産投資信託を通じた大資本の賃貸住宅供給を奨励している。
大資本が注目するのは急速に進む「チョンセのウォルセ化」だ。チョンセ詐欺などの余波で、2022年以降、ウォルセ取引量は急激に増加し、2025年現在、賃貸市場全体におけるチョンセ・ウォルセの割合は月税63%、全税37%の状況である。ウォルセ転換の拡大と大資本の市場進出拡大に伴い、住居費の上昇速度はかなり速まる可能性が高い。
8月27日
(「社会主義に向けた前進」より)
【次号につづく】
朝鮮半島通信
▲金正恩総書記は8月30日、楽園郡浅海養殖事業所の竣工式に出席した。8月31日には、新しく操業した重要軍需企業所のミサイル総合生産工程を視察した。9月1日には、ミサイル総局傘下の化学材料総合研究院の研究所を訪問した。
▲北京で9月3日に開かれた抗日戦争勝利80年の記念行事に、韓国からは禹元植国会議長が出席し、行事の前に金正恩総書記とあいさつし、握手をした。
The KAKEHASHI
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009 新時代社