祝園にミサイル弾薬庫はいらない! 10・19 全国集会

京都・精華町に2700人

 【大阪】25年8月、住民の同意がないまま京都府精華町の陸上自衛隊祝園(ほうぞの)弾薬支所で、1000㎞飛ぶ長射程ミサイル用と思われる弾薬庫8棟の増設工事が始まった。
 精華町は学研都市に指定され、弾薬庫の隣接地には国会図書館や多くの研究施設、企業、データセンター、大学が立地し、周辺自治体を含む学研都市の域内人口は25万4千人になる。大阪市の中心部からは24キロ、奈良市役所からはわずか9・4キロの距離である。

25万人が暮らす学園都市に、長射程のミサイル弾薬庫

 10月19日、精華町で開催された「私たちは二度と戦争をしたくない!平和でこそ文化は香り立つ!祝園全国集会」には、京都府や関西圏のみならず、沖縄、九州、西日本、首都圏等から2700人が参加した。主催は反戦・平和・護憲等の市民団体からなる集会実行委員会。
 尚、これに先立つ10月18日には京都市で「戦争とめよう!沖縄・西日本ネットワーク」と「10・19祝園全国集会実行委員会」の主催で、全国交流集会が140人の参加で行われた。
 また、10月20日10時半から、18日の交流集会と19日の祝園全国集会を受けて、大阪市にある自衛隊の近畿中部防衛局に祝園弾薬庫建設中止等の申し入れ行動を行った。

弾薬庫もミサイル基地も日米軍事演習もいらない

 集会の第1部は11時からの「祝園Peace Piece フェス」。エイサー、琉球島唄、ロックやギターのピアノの弾き語りで会場を盛り上げる。 
 13時からは「祝園・全国リレートーク」。石垣島から首都圏まで弾薬庫やミサイル基地建設反対、反基地闘争等に取り組む十数団体、そして、精華町の住民の人たちが次々発言した。
 「石垣島の平和と自然を守る市民連絡会」の藤井幸子さんは、「抑止力だと石垣島、宮古島、与那国島にミサイル基地等が設置された。しかし、抑止力どころか基地は拡大強化され、米軍もオーストラリア軍も来る。石垣には今年だけで米軍や自衛隊の艦船が12回も入港し、米軍機は3回、自衛隊機も2回、民間空港に着陸した」と、石垣島の状況を報告した。
 そして、「9月には日米共同の軍事訓練レゾリュート・ドラゴンが、10月には米軍も参加して自衛隊の統合演習が始まる。この軍事訓練は住民を守るためでも日本を守るためでもない。アメリカの覇権のための戦争準備です」と続けた。
 最後に藤井さんは声を一段と高くして、「こうした問題は石垣や沖縄だけの問題ではない。ここ祝園でも弾薬庫建設が進められている。そのことを止めるために一緒に声を上げ、周りの人に伝え、行動し、戦争を起こさせないために頑張りましょう」と会場全体に訴えた。

 「大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会」、陸自健軍駐屯地への長射程ミサイル配備に反対する「平和を求め軍拡を許さない女たちの会・熊本」、「ピースリンク広島・呉・岩国」、「神戸港の軍事利用を許さない9・28市民集会実行委員会」、小牧北工場で長射程ミサイルを製造している三菱重工に抗議する「不戦へのネットワーク・愛知」と発言は続く。
 静岡からの参加者は、「今年度末までに富士駐屯地に高速滑空弾が配備され、2年後には長射程ミサイルも配備されることになっている」と報告した。
 「すべての基地にNO!ファイト神奈川」からの発言者は「米軍管理下にある横須賀の浦郷弾薬庫にはトマホークが3~400発保管されている。このトマホークが日米共同使用になるのではと危惧されている」と述べ、トマホーク配備反対の署名への協力を訴えた。
 ここまでで、西日本各地からの報告を終え、次に「京都総評」のあいさつと川口真由美さんのギターの弾き語りがあり、京都と関西の団体の発言に移った。

トマホークが配備され、出撃基地化する舞鶴基地
 精華町で弾薬庫新設反対の署名活動を行っている「京都・祝園ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク」の発言者は、「反対の署名者を住民の2割、5割、7割に増やしていきたい」と決意を述べた。
 「祝園ミサイル弾薬庫問題を考える・奈良の会」、京都府の丹後半島に建設された米軍のXバンドレーダー基地に反対している「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」は30人で参加。
 20人以上で参加した「憲法を生かす・平和のための舞鶴ネットワーク」は、「海自舞鶴基地は敵基地攻撃のための出撃基地化が進められ、それとともに米軍基地化も進んでいる。舞鶴の白浜弾薬庫内にはUSオンリーのエリアがあり、米軍軍属が整備にあたっている。ここではトマホークの整備場が増設され、また舞鶴基地にはトマホーク用と思われる弾薬庫が2棟新設される」と報告した。

ピースパレードで祝園弾薬庫反対を訴える

 40年にわたって滋賀県の饗庭野基地での日米軍事演習に反対してきた「あいば野に平和を!近畿ネットワーク」、精華町在住の女性、大阪の「交野(かたの)・憲法と暮らしを考える会」と発言が続き、リレートークを終えた。
 最後に、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんの発言を受け、集会宣言を採択し、ピースパレードに移った。(山三)

全国から反戦・反基地を闘う仲間たちが参加した(10.19)

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