10・15~22宮古島の清水早子さんが関東・東北講演ツアー
ミサイル基地はいらない
大軍拡と日米軍事一体化に抗する運動を
【福島】10月15日から22日に「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」共同代表の清水早子さんの関東・東北講演が行われた。15、16日に東京で2カ所、その後東北ツアーに入り、17日の郡山市を皮切りに仙台市、山形市で草の根の市民グループが主催して、それぞれ70人、100人、44人と計200人を超える人々が参加した。その間には東北大、東北学院大の学生たちと清水さんの懇談会も持たれた。清水さんは、新聞切り抜き資料を示しパワーポイントで住民の闘いを映し出しながら次のように話された。
清水早子さんの訴えから
ミサイル基地建設との闘い
2017年10月末、千代田カントリークラブに突然重機が入り自衛隊駐屯地の造成工事がはじまった。着工以来、「ミサイルいらない宮古島住民連絡会」などの住民有志は工事車両が出入りするゲートの前で抗議・監視を続け、情報公開や専門家による調査などを積み重ねながら、防衛省の「虚偽説明」をいくつも暴いてきた。
海自の肩代わりする海上保安庁
宮古島は美しい海に囲まれた島。中国の東に出る海は公海なので、どの国の船も自由に通れるが、NHKはわざわざ中国の船が通ったなど煽っている。海上保安庁の船は2隻だったのが12隻に増やされた。島では海上保安庁職員による交通事故や大麻事件、いじめが増え、自殺者も出ている。安倍政権の時から海保が海自の肩代わりをさせられているようだ。
「電子戦」の実態
今、新戦略として、①サイバー②電子戦③宇宙がある。GPS衛星が7機飛んでいるが、それはミサイル弾の中間誘導も担っている。それを考えると、もう地上戦の時代ではないので、島嶼防衛の意味はない。電子戦とは、強烈な電磁波でミサイルを物理的に破壊することだ。
自衛隊の集団参拝
宮古島の神社へ自衛隊員が集団で参拝するということがニュースにもなった。また、牛島中将の辞世の句が自衛隊のホームページに掲載された。島のまつりに自衛隊が参加し、「一撃必殺」の文字が旗に書いてあった。米軍海兵隊で陸自は12週間訓練を受ける。すると普通の青年を一撃必殺の殺人鬼に変える。防衛省は、自前で血液製剤を作り始めた。負傷した兵士の搬送体制が確立した。住民の遺体収容訓練もしている。災害時の訓練と言っている。250人分の遺体収容袋が納入された。
今年の5月には陸自が葬祭業者と協定を結んだ。住民への懐柔策として、民謡大会、スポーツ大会、餅つき大会、職業訓練体験などを行っている。迷彩服でボランティアをしている。これも命令により。ヘリ事故で亡くなった10人の幹部隊員の慰霊碑が建った。「黒鷹の勇士」と書いてある。まるで「英霊」の扱いである。しかも島民が大切にしている「うたき=御嶽(琉球神道における祭祀などを行う場所)の目の前に建てた。これは本来許されないことである。このようにして、自衛隊員の「死生観訓練」「死生観教育」がなされている。
自衛隊司令がどう喝
今年8月6日に清水さんたちは、早朝、公道を軍服で歩行訓練する隊員に「きれいな朝日ですね。戦闘服姿の向こうに、こんなきれいな朝日を見るのは残念です。」と控えめなマイクで声をかけたところ、隊長に「許可を取ったのか!許可を取れ!」と恫喝された。
この映像を見ても一般人は恐怖心を持つ。実際は何の許可も必要のない場所だ。しかも自衛隊は許可を取ってもいないのに、許可を取っている、と嘘をついていた。9月13日には平良港で自衛隊車両の搬出に、大きな抗議活動ではないのに、あっさりと船に戻したというできごとがあった。
住民運動にネガティブキャンペーン
この一連のできごとは繋がっていて、19日に中谷防衛大臣は「住民の行き過ぎた抗議行動」と発言。実際の恫喝映像が可視化されているにも関わらず、このような発言のために、勢いづいた右翼に酷い迷惑行為を受けている。多くの報道機関はこれを「文民統制を揺るがす恐れ」「沖縄だけに過度な負担を押し付けてきたことを自問すべきだ」と報道しているが、逆に抗議する住民を非難する声も顕在化してきた。「小さな島の小さな反戦反基地のグループに見せしめ的に脅しをかけることを許さない」と提訴したが、これに対しても「やりすぎ」「告訴までする必要はない」との声も上がっている。また、有権者に占める自衛隊員と家族の割合が増える中で市議選が行われる。
琉球弧の人々との連帯活動強化へ
17日の郡山での集会では、以上のような清水さんのパワフルに活動されている姿、詳細な資料に基づいた熱量あふれる講演に会場からの多くの質問が出され、清水さんは丁寧に応答された。実行委員長の中路さんは、高市政権成立の情勢の中で、安保強化、原発推進が連立の基本と国民民主党が立憲に示し、維新が議員定数削減で自民と連立と公言する動きに対し、私たちの運動も問われており、沖縄連帯運動の強化が必要とあいさつした。
集会の最後に、「軍拡反対、核兵器禁止条約参加」の議会請願に取り組む郡山五中OGOB有志の会、石垣島住民投票運動の記録映画上映を開いてきた郡山平和フォーラム、沖縄連帯ツアーを企画したいとする憲法共同センターの代表からの発言を受けて幕を閉じた。郡山集会は、約40の個人と団体の賛同金によって運営されたが、会場でのカンパも多額が寄せられ、住民の闘いを記録したDVDやパンフも完売となった。大軍拡と日米軍事一体化に抗する運動をさらに大きく強くしていく契機となることを願う。
(与田)


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