2.12大阪府労委決定取消訴訟第1回口答弁論

会計年度任用職員制度は違憲
非正規地方公務員に労組法の適用を行え

 【大阪】大阪府労委決定取消訴訟の第1回口答弁論が2月12日、大阪地裁810法廷で開かれ、傍聴席は満席となった。この訴訟は、会計年度任用職員制度の違憲性を問う裁判で、25年12月大阪地裁に提訴された、違憲訴訟としては全国で始めての裁判である。原告は大阪教育合同労組、被告は大阪府労働委員会であり、大阪府が大阪府労委側で補助参加している。会計年度任用職員は、全国の公立学校・幼稚園・保育所、全国の各自治体、国の機関や施設で働く職員の中の相当の割合を占めている。そのような状況から考えても注目される裁判だ。

すべての労働者に労組法を!

 口答弁論では、高田晴美さん(大阪教育合同労組執行委員長)が意見陳述をした。高田さんは、2010年までは、講師の継続雇用について団体交渉が行われていたこと、その後も短時間であれ行われていたが、新雇用制度が導入された2020年度からは門前払いされるようになった経過を述べ、組合員の雇用継続問題について使用者と交渉できないということは、労働組合としては致命的だ、と述べた。
 そしてさらに、「非常勤講師の場合は、雇用継続だけではなく次年度のコマ数と勤務曜日によって、兼業先との調整が常の問題になる、団体交渉が行われれば、納得できる説明を求める機会が得られる。私たちが理解できないのは、同じように働いてきた組合員の雇用問題について、以前は団交拒否に対して労働委員会に救済を求められたのになにゆえ今はそれが出来ないのか。その理由が公務員には労働組合法が適用されないという形式的なものであるなら、それを定めている法律の正当性を疑わざるを得ない。公務員も労働者だ。憲法に定められている労働基本権が理由なく否定されることは許されない。『公務員は安泰、労組法がなくても大丈夫』といった昭和時代とは違い、今は地方公務員の非正規率が40%を超える自治体も出てきている。私たちは、この裁判で、今を問題にしている」と、正面から意見陳述した。

最高裁で勝利・大阪府が謝罪


 大阪府立学校あるいは市町村に勤務する常勤・非常勤の非正規教職員の雇用継続について、大阪教育合同労組(1989年結成)は、2000年代に入ってからは個別交渉ではなく組合として、任命権者である大阪府教委に、雇用継続を求める組合員の統一名簿を添えて要求書を提出し、実質的な交渉を行ってきた。ところが2010年(橋下府政に変わった頃)から、府教委の態度が急に変わり、管理運営事項であることを理由に交渉を拒否するようになった。やむなく、組合は大阪府労働委員会に救済申立てを行った。ところが、府労委は組合の申立てを認めず。団交拒否はその後も継続し、組合は毎年救済申立てをするが、府教委の態度は変わらなかった。しかし、中央労働委員会は大阪府に団交に応じることを命じた。あろうことか、大阪府は中労委命令の取消しを求めて行政訴訟を東京地裁に提訴した。この行政訴訟では、東京地裁・高裁そして最高裁は、中労委命令を正当と認める判断を下した。
 2012年東京地裁は、地公法55条3項(管理運営事項)は、混合組合の組合員の労組法適用者の勤務条件については、規制が及ばない義務的団交事項であるとし、2013年東京高裁は、混合組合の性格上一般職地方公務員も労組法上の労働者であり、継続雇用は義務的団交事項であり、新たな任用ではないから、管理運営事項に該当しないとした。そして、2015年最高裁は、大阪府の行政訴訟の上告を棄却し、上告審を不受理とした。この司法判断に基づき、2016年大阪府は、9件の不当労働行為について大阪教育合同労組に謝罪文を手交したのだった。ついに大阪府も態度をあらため、2019年12月「従前の労使交渉の経過並びに最高裁決定、東京高裁判決を踏まえ解決に努力する」との和解が成立した。

地公法58条は違憲だ!

 ところが、2020年4月から、地公法改正を機に再び団交に応じなくなったため、再び「会計年度任用職員という一般職地方公務員の問題であり労働組合法が適用されない」との理由で門前払いをしたのだ。
 口答弁論が終わったあと、裁判報告会が開かれ、弁護団の紹介とこの訴訟を提訴するに至った経過が報告された。この訴訟を強く主張していたのは早津裕貴・金沢大教授で、今まで大阪教育合同労組の多くの裁判に関わってきた在間秀和弁護士(大阪)が早津教授と相談をして弁護団の人選をした結果、城塚健之弁護士(大阪、自治労弁護団共同代表)、岡田俊宏弁護士(東京、自治労弁護団)、青木克也弁護士(大阪、立命館大准教授)という顔ぶれになったとのことだった。急きょ準備された訴状と口答弁論で述べられた骨子を、今後、色々な証拠を揃え裁判官が注目するように、理論づけをした書面も提出していきたいとの話だった。
 この訴訟の核心部分を、訴状は次のように述べている。
 ①地公法58 条1 項が一般職地方公務員について労組法適用を排除していることがそもそも憲法28 条に違反するものであること。仮に、地公法の同条項が、一般職地方公務員全てに対し、労組法の全ての条項の適用を排除している規定そのもの違憲性を置くとしても、
 ②一律に一般職地方公務員全てへの適用を排除することによって、極めて劣悪な労働環境におかれているいわゆる非正規地方公務員に対して労組法の適用を排除していることが憲法28条に違反していること。
 この訴訟と同じ内容の裁判が東京のALTの労働者が起こした「会計年度任用職員にも労働基本権を!」訴訟であるが、1審は敗訴で、現在東京高裁に移っている。弁護団から、東京と大阪で連携して頑張って行こうとの決意が語られた。
 第2回口答弁論は、5月13日11時から809号法廷で開催される。      
      (T・T)

裁判報告会(2.12)

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