8.4辺野古実が防衛省申し入れ行動
大浦湾から砂杭打ち台船が退避
軟弱地盤改良工事がストップ
【東京】8月4日午後6時半から、辺野古実が防衛省へ申し入れ行動を行った。
最初に、辺野古実の中村さんが主催者あいさつをした。
「参議院選挙において、オール沖縄会議が全面的に支援してきた高良沙哉さんが激戦を制して見事に当選を果たした。喜びあいたい」と最初に参院選沖縄選挙区での勝利を報告した。
そして「昨年末から軟弱地盤改良工事が進められている。高さ100mにも及ぶやぐらを付けた6隻の巨大な作業船、砂杭を打ち込むサンドコンパクション作業船が大浦湾でひしめいていた。ところが6月以降、台風を避けるためとして、奄美大島などに曳航されて行ってから、2カ月経っても、未だに大浦湾に戻らず、軟弱地盤改良工事はストップしたままだ。台風シーズンが終わる11月末までは再開できないだろう。基地建設工事は政府が言う8年はおろか、10年以上はかかるのではないか」と埋立てが進展していないことを話した。
「しかしその他の護岸工事などは進んでおり、三宅島や安和鉱山からの土砂搬出は連日続いている。安和鉱山の下にトンネルを作り、塩川港につながるベルトコンベヤーを設置する申請を沖縄県に出した。工事を強行するための違法な手法ではないか」と埋め立てを止めるように訴えた。
「最近になって、昨年6月の安和での警備員負傷事故で重傷を負った女性に対して、こともあろうに、沖縄県警が警備員の負傷事故の『加害者』・容疑者として事情聴取をしようというとんでもない動きがあることが分かった。まったく言語道断な態度に対して改めて、怒りを覚える」と沖縄県警の動きを批判した。
「琉球弧への自衛隊の設置、強化がすさまじい勢いで進んでいる。それまで軍事基地がなかった与那国島を始め、宮古島、石垣島に相次いで陸上自衛隊の駐屯地が開設され、地対空・地対艦ミサイルが配備され、弾薬庫が設置されている」と紹介した。
「岸田政権の下では中国大陸も射程に入る長距離弾道ミサイルの配備計画が進められていた。これらの基地は日米共同演習の名の下で、米軍も日常的に使うものになっている。来月の11日から25日にかけては今年も日米共同軍事訓練が九州・沖縄にわたって行われようとしており、石垣島では来月11日から、米海兵隊の最新型の地対艦ミサイルが初めて使用されることが明らかになっている。また、宮古島の伊良部島と下地島では明日から6日にかけて、陸上自衛隊の公道を使った訓練が実施されようとしている」と日米の軍事一体化が進む現状を批判した。
「島の住民には九州などへの避難計画が押しつけられ、いわゆる「国民保護訓練」も行われる段階になってきている。机上のもので荒唐無稽なものだ。島々の人々に戦地の意識を日常化させる狙いがある。まさに沖縄が再び戦場化されようとしている。絶対に許せない。琉球弧の戦場化を許さない実行委に参加することを決めた。11月に行動を行うことを計画している」と紹介し、反対運動をさらに強めようと訴えた。
次に沖縄一坪反戦地主会関東ブロックが6月28日に安和で起きた死傷事故について、重傷を負った被害者が沖縄県警によって加害者扱いされ、重過失致死罪で事情聴取を受けさせられようとしていることへの批判を行った。
高良沙哉参議院議員と伊波洋一参議院議員が発言
高良参議院議員が「皆様の大きな応援で参議院議員として当選した。沖縄の民意は辺野古新基地建設反対で、それをしっかりと示した参議院選挙だった。今回沖縄の選挙の中では、自衛隊基地の非常に大きな配備、これに対しても論点として掲げて闘った。今、沖縄は与那国まで自衛隊配備強化が進んでいる。沖縄がふたたび戦場にされるという危険性下にある。沖縄の私たちは沖縄の人々の命をしっかり守っていく」と話した。
そして「先ほど安和の事故の話があったが、辺野古の大行動の中で、安和で被害にあった女性のお姉さんがケガをした妹が被疑者扱いにされている。具体的なことが明らかにされず、不透明なことが多くある。理不尽な警察の捜査が行われている。沖縄における問題をきちんと顕在化させながら、国政の場でしっかりと訴えていく。共に歩んでいきたい」とアピールした。
伊波参議院議員は「参院選の結果は日本がどこに行くか分からないような状況になっている。深刻に受け止めなければいけない。沖縄でも同様だ。何が求められているのか、わが国がどこに行っているのかをチェックしながら、今日のような行動を継続させながら、より多くの市民、若い人にも、私たちの国のありようについても、しっかり話し合いをしながら、間違った方向に行かないようにする。高良さんは憲法学者として基地問題に取り組んできた。与那国でも宮古島などの皆さんがそれを分かって応援をしてくれた。さらに、沖縄の闘いを広げていきたい」と報告した。
花輪伸一さんが大浦湾の埋め立てで移植したサンゴが死滅しつつあり、埋め立てを止めるように訴えた。
「沖縄のサンゴにとっては高温がながく続くと白化といって、生きることができなくなって死んでしまう。防衛省のサンゴ移植によって、かなり生命が危うくなっている」。
「2024年、防衛省は8万4000個体のサンゴの移植をやった。1月からは大浦湾の地盤改良工事のために、サンドコンパクションパイルの船を出して、砂杭を打ち始めた。サンゴの移植が終わったのでなくて、砂杭を打ち込むために、移植を途中でやめたという疑いを持っている」。
「この移植はうまくいくはずがない。無理やり海水温が高い時に、サンゴをぶち割ってそれを別の所に運んだ。水中ボンドで張り付けたとしても、うまくいくわけがない。5年も経てば全滅だ。人工的移植の結果だ」。
若いウチナンチュが心からの訴え
沖縄の女性が心をふり絞るような訴えを行った。
「反対運動に参加して1年くらい。若いウチナンチュということでスピーチする機会も多い。『源 啓美が語る 沖縄の戦後80年』の講演を聞いた。お母さんが集団自決をしようとしたが生き延びたという話。ここにいるウチナンチュも沖縄戦の生き残り、サバイバーだなんだと思う。自分が何をしなければいけないか考えながら立っている」。
「いつまで声を上げればいいですか。防衛省の方、聞こえていますよね。あなたたちの仕事、人を傷つけています。人の生活を苦しめる仕事をあなた方はしてます。忘れないでください。目をそらさないでください」。
「琉球弧の人々は島を出ていけと言われている。避難計画を勝手に立てられている。あなたが帰る家から急に出ていけと言われたらどうしますか。どこに行けばいいんですか。避難計画の前に戦争が起こらない外交、ちゃんと話し合ってください」。
沖縄一坪反戦地主会関東ブロックなど三団体が防衛省に対して抗議・申し入れを行った。来月は9月1日月曜日午後6時半から。(M)

沖縄選挙区で当選した高良沙哉参議院議員が訴え(8.4)
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