資料「最低賃金改定、全国で決定 不当な〈発効日の繰り下げ〉に抗議へ」
本紙10月13日号に掲載した「秋田の最低賃金は全国最低」記事の中の「9月8日 遅すぎる発効日に抗議し再考を求めます」要望書の一部を転載します。(編)
「……最低賃金改定、全国で決定 不当な〈発効日の繰り下げ〉に抗議へ
今年の最賃審議が終了し、いま多くの県で「発効日の繰り下げ」が大きな問題になっている。例年は10月からの最賃改定が一般的。数か月、あるいは半年間も発効が遅れるなら、それは事実上、賃下げを意味する。
全国一般全国協議会と東北全労協は9月8日、岩手と秋田で労働局への申し入れを行っている。
「河北新報」はこの問題に関して、以下の様に労働組合の意見を紹介した。
「39都道府県で目安を超える一方、27府県は改定額の適用を11月以降にする。秋田と群馬は来年3月で、今年10月初旬の栃木や東京とは半年の差。全国一般労働組合全国協議会の星野憲太郎副執行委員長は「若者が見切りを付けて県外に出てしまう」と懸念する」(9月6日付)
参考/改定最賃の適用予定(東北)
宮城 10月4日
青森 11月21日
岩手 12月1日
山形 12月23日
福島1月1日 秋田 3月31日 (※)秋田が全国で最も遅い
秋田県への要望書
2025年9月8日
秋田労働局長 山本博之 殿
秋田地方最低賃金審議会会長 臼木智昭 殿
全国労働組合連絡協議会東北協議会
全国一般労働組合全国協議会
秋田地方最低賃金の遅すぎる発効日に抗議し、再考を求めます。
8月25日に秋田地方最低賃金審議会は、「秋田県の最低賃金額を現在の1時間951円から1031円(引上げ額80円、引上げ率約8・41%)に引き上げるよう」答申しました。同時にその発効の日を令和8年3月31日からとしています。また、最低賃金額を答申どおり引き上げた場合、推計で4万6千人以上の労働者の賃金引上げが必要となる。」とも発表されています。
最賃近傍の低賃金で働く労働者にとってこの間の物価高騰、とりわけ食料品の高騰は生活を直撃し、最低賃金の一日も早い引き上げが求められています。そのような現状の中で、従来の10月発効を大幅に遅らせる3月31日発効は約半年にわたって低賃金労働者に生活苦を強いるものであり容認できません。強く抗議します。
また、他の地方最低賃金が軒並み1000円以上になる中で半年にわたって951円の最低賃金が続くことで、人口流出に拍車がかかり、人手不足はさらに深刻になることが予測されます。秋田県の企業経営者にとっても大きな問題ではないでしょうか。
今年は中央最低賃金審議会の審議が遅れ、全国的に地方審議会の答申も影響を受けています。石破政権の「2020年代に1500円」という政策目標との関係でも、80円の引き上げは決して十分ではありませんが、大幅な引き上げが求められることは当然に予測されていたことです。にもかかわらず「準備期間」を理由に発効日を遅らせることは、一方的に労働者に不利益を押し付けるものです。大幅な引き上げを実現するために必要な措置を行うことは、本来、政策目標を掲げた政府の責任ではないですか。労働者につけを回すのはとんでもないことです。「80円の引上げ」も、来年3月31日の発効では実質的に12ヶ月分の6ヶ月しか適用されず、40円の引上げと同じことです。目安額を大幅に下回る数字です。
10月から賃金が上がることを期待する最賃近傍の低賃金で働く多数の労働者は生活の目途を失います。最低賃金はいまや生存権そのものにかかわるものです。2021年以来、物価は上がり続け、実質賃金は下がり続けています。生活のゆとりがない低賃金労働者はまさに生活を削り、食費を削り、かろうじて生存を維持する状況に陥っています。秋田労働局の推計する4万6千人以上の労働者は一日も早い最低賃金引き上げを強く望んでいます。地方審議会の答申が遅れたと言っても、速やかに手続きを行なえば、8週間後には発効できるはずです。遅くとも10月中の発効を実現できるよう再考を求めます。
週刊かけはし
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009 新時代社


