沖縄知事選　沖縄の自立・発展は玉城デニー知事再選から

軍事基地のない平和で安心できる社会へ

8・25知事選告示
県庁前出発式に８００人

　８月25日、県知事選が告示された（9月11日投開票）。玉城デニー候補は、生まれ故郷のうるま市屋慶名（やけな）から第一声を上げ、辺野古ゲート前、沖縄市、宜野湾市、浦添市と遊説を続けて午後６時、県庁前ひろばに到着した。県庁前には、黄緑のハチマキ、プラカード、のぼりを手にした支持者が約８００人結集し、玉城デニー知事の再選を勝ち取る決意を示した。
　はじめに、城間幹子那覇市長（ひやみかちうまんちゅの会会長）が「子や孫のために新基地に反対する。デニー知事のもとに幅広い勢力を結集しよう」と訴えた。そのあと、うりずんの会の４人の国会議員を代表して、赤嶺政賢衆院議員が「ハーグ陸戦条約に違反してつくられた普天間基地は直ちに返還せよ。普天間閉鎖・辺野古阻止の意思を玉城デニー勝利で示そう。旧統一教会とズブズブの関係にある相手候補は知事選を辞退すべきだ」とアピールした。
　ズラリと並ぶ県議を代表して、石垣選出の次呂久（じろく）成崇県議は「沖縄の未来を決める知事選、正念場だ。これまでの50年を振り返り、これからの50年を展望する。県民一人ひとりが考え判断するのが今回の知事選だ。県民の命と暮らしを守るのは玉城デニー候補しかいない」と呼びかけた。
　東盛政行連合沖縄会長は「子供の貧困の元にある親の貧困、低賃金と長時間労働、格差を創りあげているのは自民党政治だ。働く仲間の代表・玉城知事の２期目の当選を目指そう」と述べた。続いて、統一地方選の立候補者（豊見城市長選＝山川仁市長、那覇市長選＝翁長雄治県議、県議選＝上原快佐那覇市議、宜野湾市長選＝仲西春雅さん）が紹介された。
　玉城デニー候補は「勝連城址では、４年間のお礼と共に必勝の祈願をした。辺野古ゲート前では多くの人びとからエールをもらった。普天間閉鎖、辺野古阻止を争点に選挙戦を闘っていく。首里城火災、豚熱、コロナなどいろんなことがあったが、公約の実現に全力で立ち向かってきた。とくに子育て支援に力を入れてきた。２期目にも全力を尽くす。ノボリにある虹色はすべての人の人権宣言だ。グスーヨー、マケティナイビランドー（みなさん、負けてはいけません）」と声の限り訴えた。
　最後に、渡久地修県議が行動方針を提起し、「今回の知事選は政府官邸と沖縄県民との闘いだ。総力を挙げて勝ち抜こう」と檄を飛ばし、ガンバロー三唱で幕を閉じた。

軍事植民地・沖縄を打ち破ろう
　
　戦争が終り復帰するまでの27年間、沖縄は米軍政支配下に置かれた。県民の命と暮らしは米軍により絶えず脅かされ、一片の人権もなく、経済は基地経済が支配した。アメリカによって命を助けられた昭和天皇は、天皇メッセージを発して、米軍による沖縄の軍事占領を承認した。しかし、沖縄県民は何年にもわたる根気強い闘いによって米軍政支配を掘り崩した。米軍政と県民との力関係は逆転し、米軍基地は未曽有の政治的危機に陥った。沖縄返還は、米軍政に代わり日本政府が国内法による支配を通じて沖縄基地を安定させようとするものだった。
　１９７２年の沖縄返還から50年。沖縄は復帰前と同じく、米陸海空海兵の四軍が居座り、軍人軍属家族約５万人が常駐し、事件事故、米軍犯罪、騒音、環境破壊が絶えない。さらに、陸海空自衛隊が琉球列島の各地に配属され、米軍と一体となった軍事要塞とされている。自民党を中心とする日本政府が日米安保体制の下で沖縄基地固定化政策を止めようとしないためである。
　地獄のような沖縄戦と広大な軍事基地によって苦しめられてきた沖縄県民にとって、基地のない平和で安心できる生活は何よりも大事な「命どぅ宝」である。２０１４年の知事選挙で、翁長雄志前知事が「沖縄にはこれ以上新しい軍事基地はいらない」と、「誇りある豊かさ」を掲げて、自民党政府に反旗を翻して圧倒的な支持を受けて当選し、翁長前知事の遺志を継いで玉城デニー知事が奮闘してきた８年間の歩みを引き継いでいかなければならない。
　自公は、国が沖縄関係予算を減額していることを、あたかも沖縄県知事の責任であるかのように「県政不況」だと吹聴し、国との信頼関係を築くと主張している。国に従属していては、沖縄はいつまでたっても基地の島、軍事植民地経済からも脱却できない。沖縄の自立・発展は玉城知事の再選から展望される。

　　　　　　（沖縄Ｋ・Ｓ）