読書ガイド『エコ社会主義革命宣言』を読む(3)
第2章 闘いとるべき世界
『宣言』の第2章は、われわれがエコ社会主義革命を通じて実現しようとしている新しい社会のイメージを想像してみるという試みです。それは、「出来合いのモデルを与えるという問題ではなく、あえてもう一つの世界を考えてみる」ことです。その「もう一つの世界」とは、「資本主義や生産至上主義と決別することによって、その世界を構築するために闘いたくなるようなもの」でなければなりません。私たちは、「パン(生きるための糧)のために戦うが、バラ(美しさや誇り、心の豊かさ)のためにも戦う」からです。
第2章の「本章の要約」では、その闘いとるべき世界について、次のようにまとめています。
この章では、資本主義の「もっとたくさん、もっと速く」というルールを捨てた後に広がる、具体的で豊かな未来のビジョンが描かれています。たとえば、次のようなことが考えられます。
「みんなのもの」を取り戻す。水、空気、土地、エネルギー、そして教育や医療、これらは一部の誰かが儲けるための道具ではなく、人類全員の「共有財(コモンズ)」です。これからは、市場の利益ではなく、そこに住む人々の民主的な話し合いによって、資源をどう大切に使うかを決めていきます。
労働の意味が変わる。1日4時間働けばいい社会へ。今の社会は、有害なものや必要のないものまで作りすぎています。本当に必要なものだけを作る計画を立てれば、仕事は短時間で済むようになります。育児や介護を女性だけに押し付けず、社会全体の責任としてみんなで担います。
「所有すること(having)」から「豊かに生きること(being)」へ。真の豊かさとは、モノを無限に消費することではなく、自由な時間が増えることです。
多様性と自由な自己決定。家族の形、ジェンダー、セクシュアリティなど、これまでの「こうあるべき」という支配の論理から解放され、誰もが自分の身体や人生を自分で決められる文化を築きます。支配や暴力のない、お互いの主体性を尊重し合う人間関係が、新しい社会の土台になります。
このプロジェクトは、単なる節約生活ではありません。過剰な消費の罠から抜け出し、自然との共生と個人の自由を両立させる、最高にクリエイティブで贅沢な挑戦なのです。
こうした闘いとるべき世界のイメージは、ある意味「ユートピア」的な考え方にもとづいています。しかし、社会変革を目指すということは、現在の社会とは根本的に違う社会を目指すということです。その「ユートピア」が現実の矛盾と実際の社会運動に基礎を置いて考えられているのであれば、やはり社会変革の運動には「ユートピア」的発想は必要なのではないでしょうか。
(大森/つづく)
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