読書ガイド『エコ社会主義革命宣言』を読む(4)
第3章 どのように闘うのか
『宣言』の第3章は、第2章で述べられた「新しい社会」=エコ社会主義社会の実現に向けた具体的な闘い方について筆を進めています。そのポイントは「ただ待つのではなく、今ある不満から出発して大きな変革へつなげていくこと」です。
第3章の「本章の要約」では、どう闘うのかについて、次のようにまとめています。
変革を成功させるためには、以下の4つを組み合わせる必要があります。
・根本的な転換の必要性:システム内部のちょっとした「手直し」では危機は救えません。システムの根本的な転換が必要です。
・グローバルな視点と身近な要求:世界を変えるという大きな目標と今すぐとりくめる身近な要求をセットで提示すること。
・「小さな勝利」で勇気を持つ:議論だけでは人は動きません。部分的な勝利を勝ち取り、成功体験を積むことが不可欠です。
・より良い組織と協力:孤立して闘うのではなく、広範な労働者や市民が自分たちで組織を作るのを支援することが必要です。
「世界革命なんて非現実的だ」と思うかもしれません。そこで重要なのが、過渡的要求という考え方です。これは、「今の私たちの切実な願い」と「資本主義を終わらせる革命」の間に架ける「橋」のようなものです。
たとえば 「公共交通機関の無料化」や「労働時間の短縮」などは、今の生活を良くする要求ですが、突き詰めれば「利益優先の社会」の土台を揺るがすことになります。「環境保護」と「労働者の権利」をセットにした要求を掲げ、闘いの中で「本当の敵はシステムそのものだ」という気づきを促します。
世界が変わるのを待つのではなく、今すぐ始めよう。「世界を変えるのは無理だ」という諦めを、「自分たちの手で一部を変えられた」という自信に変えていくこと。その積み重ねが、支配階級から権力を奪い、システムを根底から作り変える力になるのです。
この考え方は、トロツキーが1938年9月の第四インターナショナル創立大会の決議で初めて体系化したものです。斎藤幸平さんの近著『人新世の「黙示録」』でも、「慎ましやかな欲求ですら十分に満たされない恒久的欠乏経済が現実に生じつつある以上、今後は『最小限の要求』さえも資本主義と衝突するようになる。それこそがやがて、社会変革の欲求に転化するのだ」(298頁)として、注の中でこの「過渡的綱領」に言及されています。 (大森/つづく)
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