横堀農業研修センターと三里塚の大地を守り資本主義システムと決別した、エコロジカルで性差別のない新しい社会をつくろう

『エコ社会主義革命宣言 資本主義的成長と決別を』発刊に寄せて

 成田空港の拡張工事は、気候変動対策に全く無力な、没落する日本資本主義とグローバルな化石資本主義の生き残りをかけた「悪あがき」です。
 今回の拡張工事は、現在の空港用地1300ヘクタールに匹敵する約1100ヘクタールが対象になっています。これは東京都中央区とほぼ同じ面積です。この広大な敷地の200戸、騒音対策の防止特別地区をふくめると約1300戸が立ち退き対象になっており、営農が続けられてきた横堀、辺田、中郷、一鍬田などの田畑が無残に埋め立てられ、野山が掘り崩され、伐採される樹木は12万トンにものぼる、巨大な環境破壊のプロジェクトです。
 北米向け乗り継ぎ需要が2019年の3100万人から2030年には5250万人へ増える見込みを立て、年間発着枠を現在の30万回から50万回へ増やし、物流やインバウンドを対象とした巨大ハブ空港化を目指すためのC滑走路建設やB滑走路延長、新設ターミナル建設など。これが今の環境だけでなく、将来にわたって気候変動を後押しすることは火を見るより明らかです。
 航空業界はCO2対策として「持続可能な航空燃料(SAF)」を推していますが、原料の廃油などは現在でも全く足りず、50万回飛行をSAFで賄うには、外食産業の無駄遣いを拡大したり、バイオエタノールのためのアグリビジネス(工業的農業)の巨大開発が必要となります。まさに没落する化石資本主義の典型的なグリーンウォッシュ(やってる感だけの環境対策)に他なりません。

 この没落する日本資本主義の「悪あがき」に敢然と対峙しているのが、横堀農業研修センター(旧・三里塚闘争連帯労農合宿所)です。三里塚芝山連合空港反対同盟の代表世話人の柳川秀夫さんは、千葉地裁に提出した陳述書で次のように述べています。
 「地球の温暖化が問題になっているときに、土をひっぺ返して、なおさら温暖化に近づくようなことをなぜやるのかと言わざるを得ません。横堀研修センターの周辺がまがりなりも樹木が繁り自然の状態を維持できていたのも、私たちが横堀農業研修センターと共有地が守ってきたからに他なりません。1966年より57年間守られてきた土地が蛮行の対象になろうとしています。畑で農作業をしていると変化がよく分かります。昨年は雨が降らない日々が何カ月も続き、雨となるととんでもない大雨が降りました。今や世界中、人類の生存にかかわる事態になっており、これをどうするのかが地球の課題になっています。」 (2024年1月29日)
 空港会社から訴えられた4人の共有者のひとりである佐藤幸子さんは千葉地裁の陳述で労農合宿所に住み始めた経過をこう述べています。
 「私が旧労農合宿所に住み始めた…直接の理由は1982年に引き起こされた合宿所常駐者による強姦未遂事件です。私は、この問題の克服のための討論に参加するなどして、女性や家族が安心して合宿所を利用できる施設にすることが自らの任務と決め、微力ながら現地に活動の場を移したのです。」 (2024年12月25日) 
 支援党派の一つであった第四インターの男性メンバーの多くは、労農合宿所での性暴力事件に端を発して立ち上がった女性メンバーのMeToo運動にしっかりと向きあうことができませんでした。今後も皆さんの力を借りながら、一連の事件の反省と謝罪を真摯に続け、事件の経過と教訓を、新しい社会を目指す人々と共有していく作業を続けたいと思います。

 第四インターナショナルは2025年2月に世界大会を開き、「エコ社会主義革命宣言」を採択しました。その中では次のように言及しています。
 「今日、真のエコ社会主義的運動の最前線にいるのは誰なのか?社会的・エコロジー的破壊のために重い代償を払っている先住民族・若者・農民、人種差別を受けている人々である。これら4つのグループにおいて女性は、エコフェミニズムの具体的な要求と結びついて決定的な役割を果たしている。女性はそうした要求のために自律的に闘い、組織しているからである。」
 「階級闘争は冷たい抽象的なものではない。『現状を廃絶する真の運動』(マルクス)が階級闘争を定義し、階級闘争の主体を指名する。女性、LGBTQIの人々、被抑圧者、人種差別を受けている人々、移民、農民、先住民による自らの権利のための闘いは、雇用主の搾取に反対する労働者の闘いの横に置かれるものではない。それらは生きた階級闘争の一部なのである。」
 没落する化石資本の死の苦悶との闘いの最前線に、三里塚闘争の農民と女性たちが立ちはだかっています。私たちは、これまでの自身の在り方を真摯に反省しながら、このたたかいを支援し、日本と世界の人々に向けて発信していきたいと思っています。
2026年7月3日       (早野一)

「エコ社会主義革命宣言」について……パンフレットより

 このエコ社会主義革命宣言は、資本主義がエコロジーの面でも、社会としても行き詰まっており、このままいけば人類を破局へと導くことになるという考えを前提として書かれたものです。資本主義が行き詰まっているとすれば、それに代わる社会はあるのか、あるとすればそれはどのような社会なのか、が問題となります。この宣言はその問いに答えを示そうとしています。
 この宣言では、まず資本主義が行き詰まっているのはどうしてか、資本主義を変えていかないと人類の破局は免れないことを明らかにします。そして、資本主義にとって代わるべき社会として、エコ社会主義社会を提示しています。そして、そのエコ社会主義社会とはどのような社会なのかを具体的に示します。そのキーポイントは、脱成長という考え方です。それだけではなく、資本主義からエコ社会主義社会への移行には、革命が必要であることを明示し、その革命を実現させるための戦略についても筆を進めています。
 このパンフレットは、第四インターナショナル第18回世界大会(2025年2月)で採択された宣言をできるだけわかりやすく日本語に訳したものです。専門的な用語には注をつけています。多くの方々がこのパンフレットを手に取って、読まれることを期待しています。

◦『エコ社会主義革命宣言 資本主義的成長と決別を』/頒価300円,72頁、2026年6月
    新時代社 発行

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