第7回国際エコ社会主義者会合報告
多くの戦線、ひとつの闘争
共同軸に多様な闘いの質的変化の可能性示す
ヴィリアム・ファン・デン・ホイフェル
2026年5月、約40ヵ国から250人以上の活動家が第7回国際エコ社会主義者会合のため、ブリュッセル自由大学に集まった。以下で、ヴィリアム・ファン・デン・ホイフェルが、野心的なプログラムを貫いていた鍵となる主題的な道筋について報告する。それは、環境的移行における労組の役割、エコ社会主義と脱成長論との距離がなくなりつつあること、フェミニスト的・エコフェミニスト的観点が中心に置かれていること、資源略奪主義に対する抵抗の前線としてのラテンアメリカ、ウクライナやパレスチナとの反陣営主義的連帯、そして発言者たちが「化石ファシズム」と呼んだものの強大化だ。ホイフェルは、諸々のテーマの明らかな多様性は単一の戦略的な洞察を示していた、と力説している。すなわち、これらの別々の闘いはひとつの危機を共有し、共同を軸にはじめて質的に変わることが可能になると。【IV訳者】
多様な論題通し
共通の糸を確認
3日間の討論の広がりは、労組の闘い、脱成長、ケアワーク、先住民の土地の防衛、債務、AI、ウクライナとパレスチナ、にまたがっていた。このプログラムを一見したところ、それはつながりを欠いた主題からなる緩やかな集まりとの印象を与えたかもしれない。
実際にはその正反対だった。それはまさに、主催者たちが、これらの別々に見えるものすべては同じ危機から出ていると、またこの危機は集団的に国境を越えてはじめて逆転され得ると、はっきり示していたことを可視化させた広がりだった。
国際エコ社会主義者会合は2014年以来開催されてきた――そのとりくみはエコ社会主義者の国際的な連携をテーマとしたドイツ語の著作がきっかけとなった――。そして、複数の大陸から活動家、労組活動家、学者、社会運動家が結集する定期的な会合へと発展した(注1)。
エコ社会主義は、環境の危機は資本主義から切り離すことはできない、と考える。利潤最大化と絶え間ない成長により駆動される経済は、不可避的に地球の限界に突き当たる。利潤を生み出すためよりも人間の必要を満たすために生産する社会だけがそれらの限界内で健全な暮らしを持続可能にする。その前提が、ブリュッセルでの対話の底に流れていた共通の分母だった。
薄ら寒い背景
の直視の上で
この集まりは薄ら寒い背景を背に行われた。そして参加者はそれをまったく隠さなかった。気候の惨状は加速中であり、その中で「EUグリーンディール」――警告に対する決定版的な応答として一度は先行者になった――は、ベルリン、パリ、ブリュッセルで系統的に骨抜きにされ続けている。同時に、いくつもの戦争、再軍備、さらに極右ブロックがすべて成長中だ。
開会時の地政学に関する論争は、その結びつきを鋭く描いた。「グリーンディール」は大きく資本に任されることになり、勤労民衆および特に最貧困層にはこの間ほとんど何も提供していない。極右が突進しているのはまさにこの裂け目に向けてなのだ。極右は環境政策を普通の民衆に対する攻撃とでっち上げ、左翼が長い間空けてきた領域を勝ち取っている。
中心には
労働運動
それはまた、労働運動がブリュッセルでそうした中心的な場を占めた第一の理由にもなっている。労働運動との結合は、最初からこの間の会合の一部になってきた。そして開会セッションはその理由をはっきりさせた。コンゴ民主共和国の労組メンバーであるCDT(民主的労働者連合)(注2)のヘルヴェ・カムビイアムは、彼の国の東部における戦争がどのように戦争経済を生み出してきたかを描き出した。そこでは、マネーが教育や公衆衛生よりもむしろ武器に流れ、その中で、外国企業と武装集団が天然資源を略奪、住民をその土地から追い出している、という。コロンビアからは、労組活動家たちの報告が届いた。かれらは、かれら自身の基盤の一部からの反対と対立して、フラッキング反対へと向きを変え、環境運動や僻地の運動と連携してきた部分だった。
バスク国からは、ELA(バスク労働者連帯)連合のアインハラ・プラザオラが、ものごとをどのように異なって行うことができるか、を示した。彼女が示したのは、排出、エネルギーと水の使用・さらに持続可能な事業計画に関する要求を、彼女の連合が協約交渉にどのように直接持ち込んだか、そしてそれがどのように、汚染企業の閉鎖や縮小により影響を受ける労働者が他の雇用に移ることを可能にするような、あるいはまともな所得や再訓練を受けることができるような約束を確保しているか、だった(注3)。これらの討論を貫いていた糸は、労働と環境の間にある対立――極右はそこに巧みにつけ込んでいる――は、自然の法則ではなく政治的な選択だ、ということだった。労働者の信頼の獲得には、環境的移行を職と所得を求める戦いと結びつけることが必要なのだ。
脱成長とエコソ
ーシャリズム
2番目の糸は、脱成長に関する論争を貫いていた。10年前には、その概念は社会主義と並べられることなどほとんどなかった。脱成長と社会主義は、どちらかを選択しなければならない二者択一として扱われた。しかし今、脱成長は益々社会主義綱領の一要素と理解されている。
第4インターナショナルの「エコ社会主義宣言」を支える推進力のひとりであるダニエル・タヌロは、その必要性を誇張なく提示した。科学が認識した9つの地球的限界の内、すでに7つがそこに達している。したがってエネルギーと天然資源の使用削減は、もはや選択の問題ではなくいわば定められたものだ。唯一の問題は、この削減が計画的で人間的なやり方で実現するか、それとも破局的な崩壊として起きるか、なのだ。
この理解の中では、脱成長は貧困や緊縮を意味せず、無益なものの生産の廃止と真に大事なもの、たとえば時間、ケア、コミュニティを本来の位置に戻すことだ。学会の脱成長潮流の代表者とマルク主義者であるエコ社会主義者がブリュッセルで、はっきりと互いを求めあったことは自ずと明らかだった。同じ終着地へは多くの道があり、それらの道を共にまとめようとの意志は、この会議の成果のひとつだった。
フェミニズムは
脱成長に不可欠
その脱成長はフェミニズムなしに進むことはあり得ない、これが始終繰り返された第3の糸だった。ケア労働の再配分なしに生産を削減するだけでは、そのツケを女性に押し付けるだけになる。。彼女たちはすでにその不払い労働の最大の部分を行っているのだ。エコフェミニストの伝統を背景とした発言者たちは、ケア――人々に対するだけではなく、土地や水やコミュニティに対するものまで――はエコ社会主義という構想の中心を占め、その余白にあるものではないと力説した。
ブラジルでは、いくつもの発言が認めたように、土地をもたない女性や先住民の女性が、アグリビジネスや鉱業やダム建設への彼女らの抵抗の中で、先の原則を長期にわたって実践に移してきていた。脱成長運動から現れる豊富さに関わる根底的な理念は、資本主義の人為的な欠乏や際限ない所有としての豊富さ、に関する資本主義のイメージとは隔絶している。
ラテンアメリカ
が闘いの前線に
これらの闘争すべての首尾一貫性がラテンアメリカにおけるほど具体的に一体的に現れているところは他になかった。そしてそれは注目の大きな部分を集めた。以前のあらゆる会合に参加し、ブリュッセルで個人的な賛辞を受けたブラジル系フランス人マルクス主義社会学者のミシェル・レヴィは、そこでの先住民衆と小農民の諸運動を環境闘争の前衛と確認した。かれらは自然と命の防衛の前線にいる、そして同時に資本主義の第1の犠牲者になっている、と。
エクアドルのエクアルナリ(エクアドル・キチュワ連合)代表のレオニダス・イツァは、彼のコミュニティがその土地と共に数千年間どう生きてきたかを、そして今アマゾン地域での石油採掘にどう抵抗を続けているか、を語った(注4)。
ブラジルからはそこから勇気が出るような勝利がひとつ現れた。すなわち、米国の多国籍企業カーギルの物流施設に対する33日の占拠、およびCOP30の中での一連の諸行動に続いて、大規模な先住民衆の運動がルラ政権に3つのアマゾン川――マデイラ、トカンティンス、タパホス――の私有化を撤回させたのだ(注5)。ブラジルのPSOL(社会主義と自由党)で全国執行部の一員のマリアナ・リスカリは、社会運動が政府から、それが進歩的な政府だとしても独立を保たなければならない証拠として、この闘争を例に挙げた。
同時に、参加者が緑の植民地主義と呼んだものに対しひとつの警報が鳴らされた。すなわち、化石燃料にとって代わるものの、今クリーンエネルギーの名目で天然資源の同じ略奪、同じ剥奪、同じ抑圧を永続化するようなエネルギー移行という問題だ。
反陣営主義
の国際主義
戦争についても同様に取り上げられ、集会の政治的成熟度が発揮されたのはまさにこの点においてであった。ロシアの対ウクライナ侵略および欧州再軍備を巡って、深い分断線が左翼を貫いているがエコ社会主義者会合はこの問題を回避しなかった。労組活動家のアルテム・ティドヴァおよび脱成長専門家のヴィタリア・キリンカロヴァを含むウクライナ社会運動のエコ社会主義者たちは、プーチンの戦争がこの国に加えた途方もない環境的荒廃を示し、ロシアの船からの荷下ろしを拒絶したスウェーデンの港湾労働者のモデルに基づいた、底辺からの国際連帯を訴えた。
シリア人研究者のジョセフ・ダヘルは、分析をガザや南部レバノンへ拡張した。発言者たちを結んでいたのは陣営主義――西欧帝国主義反対から、西側の敵すべてを無批判的に支持する傾向――への拒絶だった。連帯は繰り返された定式が表現したように、攻撃を受けた民衆と勤労民衆に義務を負うのであり、それら自身の民衆を抑圧する抑圧的体制にではない。再軍備自身は、戦争の脅威としてだけではなく、財源の環境的移行や社会サービスからの巨額取り上げとしても評価された。
極右の危険は
環境でも鮮明
これらの戦線すべてを終局的に結びつけているものは、極右の躍進だ。レヴィはネオファシズムという用語の方を好んでいる。それは古典的なファシズムと多くを共有するものの、コーポラティズムというよりもむしろ急進的な新自由主義者だと。また、自らは宗教的になることなく宗教を利用していると。
会合ではこの現象に、また新たな名称も、つまり化石ファシズムの名称が与えられた。
この極右は気候変動をあからさまに否認することは益々少なくなっている。代わりにそれは、化石燃料の連携者として、気候政策に敵対し、時には環境の脅威として移民を提示することさえある。AIのワークショップでは、この反動にもうひとつ、テクノロジーの顔を加えた。情報、コミュニケーション、また監視に対する一握りのテック企業の権力が、同じ闘争における別個の戦線――それに基づく、テック労働者からデータセンター近くに暮らす人々までの抵抗は、まさに始まろうとしているに過ぎない――を構成している。
今回の核心は
諸運動の収斂
ここにこそ、今回の会合が伝えようとしたものの核心がある。.女性運動、先住民の闘争、勤労民衆の闘争、債務と資源略奪主義反対の闘い、戦争および極右への抵抗、これらは別個の運動ではなく、資本主義の単一な危機の表現だ。タヌロはこれに運動の――女性、先住民衆、LGBTQI+の人々、小農民、労働者の――収斂と名付け、レヴィはエコロジーをひとつの章としてではなく1本の赤い糸と描き出した。生産力主義との決別は階級闘争の放棄を意味するのではない。それはその拡大を意味するのだ。その40ヵ国とその困難性を伴った、しかし学者と活動家間の、北と南間の本物の対話を伴った今回の集まりそれ自身は、まさにその拡大としてのいわば演習だった。
それは終局的に大事であることに関する問題を提起している。つまり、この収斂に具体的な変革を強いることができる形態をどう与えるか、だ。ブリュッセルでもっとも具体的に定式化された回答は、組織的なことだった。会合それ自身と並んで、「グローバル・社会主義者・ネットワーク」――小さな事務局を備え、参加への敷居が低く、数大陸の諸組織が経験と戦略を出し合うオンライン討論に基づく世界規模の協力――も存在感を示した。このネットワークと今回の会合は補足的であり、今後密接な協力を追求するだろう。
オランダからは、リンクス・ボーフェン(グリーンレフトと労働党が最近統合して結成された「進歩的オランダ」内部のエコ社会主義者による運動)の活動家や、新しいイニシアティブである「民主的エコ社会主義者」(注6)の活動家が参加していた。
この会合の次の段階として、第3回ラテンアメリカ・カリブ海会合が来年コロンビアで行われ、おそらくその1年後エクアドルで第8回国際エコ社会主義者会合が続くだろう――闘争がもっとも猛烈かつ大胆に行われている大陸への効果的な移行――。
それで十分になるかどうかは誰も分からない。アルゼンチンの発言者は、論争が具体的な闘いへの根付きを保ち、進歩的と想定されるものも含め政府から独立していなければならないことを会合に思い起こさせた。レヴィは、ブレヒトを引用した。つまり、戦う者は敗北する可能性がある、しかし戦わない者はその時点で敗北している、と。それは保証ではなく、またそう意図されたものでもなかった。第7回国際社会主義者会合が示したことは、個々の運動はそれ自身だけでは任務に対し各々弱すぎること、そしてそれら間の協力はもはや贅沢ではなく、何かを達成するための前提条件、ということだった。それらは積み重ねることが必要なだけだ。(2026年7月3日)
▼筆者は、オランダの反核、気候、また平和運動で活動し、「SAP(社会主義オルタナティブ政治)のメンバー」
(注1)前回は2024年5月にブエノスアイレスで開催された。
(注2)CDTは同国における主要労組連合のひとつ。
(注3)ELAはバスク国最大の労組連合で10万人以上の労働者を代表している。そして自身を雇用主と国家両者から独立し、制度化された社会的対話には批判的と明確にしている。
(注4)レオニダス・イツァは、キチュワの指導者で高地のキチュワ民衆を代表する先住民運動のアンデス地域支部であるエクアルナリ代表。またCONAIE(エクアドル先住諸民族連合)の前代表。彼は、エクアドルの2025年大統領選で採掘産業の拡大に反対する唯一の候補者だった。彼は、ノボア政権による多くの法的手続きや監視に立ち向かっている。
(注5)占拠の中心は、パラ州サンタレムにあるカーギルの港湾施設だった。主にムンドゥルク、アラピウム、アピアカの人々の14民族からなる数千人が、2026年2月4日にサンテレム空港への道路通行を阻止し、2月21日にカーギルの施設を占拠した。ルラ政府は、2026年2月24日に私有化令を取り消した。
(注6)第4インターナショナルオランダ支部のSAPのメンバーは民主的エコ社会主義者内で活動している。(「インターナショナルビューポイント」2026年7月7日)

40カ国から250人が活発な討論
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