戦犯共犯のシャニ教授招聘に反対する(下)
チェ・ジョンヒョン
集団虐殺が2年以上続く今、われわれはこうした擁護が徹底した虚偽であることを目の当たりにしている。ガザ南部ラファは他の地域と同様に無残に破壊され、その後起こったのはガザ地区全域の凄惨な飢餓だった。イスラエル軍は病院、学校、住宅など生存に不可欠な民間施設を破壊し、ガザ地区住民は最低限の生存すら保障されていない。さらにイスラエル軍は民間施設爆撃後、民間人を救助に来る救急隊員などを攻撃するダブルタップ戦術を試みさえした。
ユバル・シャニの招待講演のテーマが「AIの倫理的活用」である事実はさらに皮肉である。米国とイスラエルのAI技術がパレスチナ民衆を「効率的」に虐殺し、植民地支配を固めるために使われているからだ。2025年7月、国連パレスチナ占領地特別報告官報告書「(ガザ地区)占領経済から集団虐殺経済へ」は、イスラエル占領軍がデータ処理及び標的リスト作成に各種人工知能システムを開発・活用しており、ビッグテック企業と大学はイスラエルと協力しながら利益を蓄積していると指摘する。
講演直後、高麗大学の学生たちが会場を後にするユバル・シャニにパレスチナ大虐殺への立場を問うと、ユバル・シャニは「私はAIについて話すためにここに来た」との趣旨で答えた。AIを集団虐殺に活用中の自国の責任を徹底的に無視する回答である。このような認識は彼が執筆した『国際AI人権憲章の必要性と実現可能性に関する白書』にも表れている。白書は様々な法令と事例を挙げてAIの倫理的利用を説くが、AIを集団虐殺に積極的に活用するイスラエルに対する問題提起は一言もない。
このようなユバル・シャニの立場と行動は、いわゆる「自由主義的シオニスト」たちの一般的な特徴に合致する。その特徴は以下の通りである。
1. ユダヤ人の民族自決権とパレスチナ人の権利を共に支持すると主張する
2. しばしばイスラエル政府や入植者を批判するが、決してシオニズムの理念そのものを批判しない
3. パレスチナ人の帰還権保障を拒否し、入植者による植民地主義的暴力を軽視しながら「二国家解法」を提唱する
自由主義的シオニズムはユダヤ国家とともに民主主義と人権も支持すると主張するが、結局はユダヤ民族国家体制を擁護・保障するに過ぎない。
ガザ救援船団に参加した韓国市民の拉致まで扇動する
2025年10月初旬、イスラエル軍は救援物資を積んでガザ地区へ向かっていた船団に参加した韓国人活動家を海上で拉致し、強制拘禁した。韓国人活動家だけでなく「グローバル・スムード艦隊」など船団数十隻がイスラエルによって拿捕され、グレタ・トゥーンベリをはじめとする活動家数百名が強制拘禁と残酷な暴力を経験した。
この拉致についてユバル・シャニも一言添えた。ユバル・シャニはガザ救援船団の拿捕について、「ガザ地区封鎖は武器流入を防ぐ軍事的目的で正当化され得るため、船舶がこの封鎖を破ろうとする意図を持っていたなら、事前警告後に拿捕できる」との立場を表明した。ガザ封鎖は正当であり、イスラエル軍による救援活動家の拉致も正当だというのである。
イスラエル軍による救援活動家の拉致さえ正当化した人物を、人権をテーマとする講演の基調講演者に据える高麗大学の行動を、いったい何をもって正当化できるというのか? イスラエル軍/政府顧問の経歴を隠蔽し、虐殺と占領に続き救援活動家拉致まで正当化するユバル・シャニ教授の過ちに対する沈黙は、また一つの虐殺共謀行為である。
イスラエルの集団虐殺と植民地占領を正常化しようとするあらゆる企図に抵抗せよ
筆者は、イスラエルの大学と学術機関が集団虐殺とアパルトヘイト体制に奉仕しており、これらがボイコットの対象であることを説明した。しかし、次のような疑問が生じるかもしれない。イスラエル機関に所属する個人までボイコットするのは行き過ぎではないか?学術ボイコットによって学問の自由と独立性が過度に侵害される可能性はないのか?イラン・パペのようにシオニズム体制の廃止を要求するイスラエル出身の学者もいるのではないか?記者会見後、高麗大学国際人権センター長でありヒューマンアジア代表理事であるソ・チャンロク高麗大学教授がパレスチナと連帯する学生共同行動に送った以下のメールも、このような論旨である。
「こうした理由から、国籍や所属を理由に学術行事そのものを中止し、発言の機会を事前に制限することは、学問の自律性と大学の基本原則と両立しにくいと考えます」
「今回の学術行事は、特定国家や政府の政策、軍事行為、あるいは政治的立場を代弁し、正当化するための場ではありません」。
「ユバル・シャニ教授は長年、国際人権規範の形成と発展を研究してきた学者であり、国連自由権委員会委員長を歴任した経歴があります。またデジタル技術と人権の関係について継続的に研究を続けてきた、この分野で国際的に認められた学者です。彼の国籍や所属機関を理由に、今回の学術行事への参加自体を問題視することは、人権規範の進展を導いてきた学術的議論の趣旨とはかけ離れています」。
これは真摯さを欠いた、投げやりな自己正当化である。このような言い訳は「イスラエル学術・文化ボイコット・パレスチナキャンペーン」(
Paiestinian Campaign for the Academic and Cultural Boycott of Israel; 以下、学術ボイコットキャンペーン)の中で数え切れないほど反論されてきた。
学術ボイコット運動は、特定の個人のアイデンティティや見解だけで個人をボイコットするものではない。学術ボイコットキャンペーンのガイドラインは、イスラエル人学者がイスラエルの研究機関に所属しているという事実そのものはボイコットを適用する根拠となり得ず、学問の自由に対する侵害に該当し得ることを明確にしている。しかし学術ボイコットキャンペーンのガイドラインは、イスラエルの占領と虐殺に直接的・間接的に加担または関与した個人はボイコット対象となり得ると強調している。
先に説明した通り、ユバル・シャニがボイコット対象である理由は、単にイスラエル人学者だからではない。人権と国際法を扱う講演にこのような人物を基調講演者として招待することは、学術ボイコットガイドラインが明示するように、占領と虐殺を「正常化」(normalization)しようとする、すなわち占領と虐殺を正常として包装しようとする企てである。このような正常化計画は、直接的な集団虐殺への加担や露骨な虐殺扇動に比べ、見過ごされやすい。しかし正常化計画は、自らの論拠を「国際法」「人権」「学術的」中立などに置くため、シオニズムをより巧妙に正当化する手段として動員される。
韓国で修士課程に在籍するパレスチナ人タレク・ハムダンは、記者会見で次のように学界の責任を要求した。
「(イスラエルの集団虐殺と教育虐殺が継続する中で)エルサレム・ヘブライ大学法学部ユバル・シャニ教授を『国際人工知能人権章典』セミナーの講演者に招待した侮辱的な決定に触れざるを得ません。イスラエルと『人権』を共に論じ得る唯一の方法とは、イスラエルが人権を無視し直接人権蹂躙を行う現実を語る場合のみであり、いかなる形であれ学術的意味での人権を論じる発言の場を提供することではありません。
作り上げられた『学界的合意』を、なすがままに放置することは許されません。外に目を向ければ、街は抵抗の行列で溢れています。今必要なのは『問題の複雑さ』を言い訳に沈黙することではなく、『またしても子供たちが殺害された』という戦慄すべき事実に、真正面から向き合うことなのです。私たちが人権を説きながらも国際的な殺人者たちを学問の殿堂に招き人権を語らせるなら、私たちの若者たちにどんなメッセージを示しているのでしょうか?
高麗大学校がセミナーを開催するならば、私は世界で最も多くの切断障害児童が発生している場所がパレスチナであるという現実を扱うセミナーを要求します。私はパレスチナで学校、保育園、大学を狙った直接爆撃を議論するセミナーを要求します。私はパレスチナで起きている人権侵害を扱うセミナーを要求します。
ユバル・シャニ招聘は、1月19日の記者会見でパク・ミンサン公共運輸労組大学院生労組支部高麗大分会組合員が指摘した通り、学術的中立と学界の権威を名目に虐殺と破壊を黙認し延長する行為である。差し迫った暴力と不正の前に沈黙する学問は雑談に過ぎない。ガザ地区の学者たちと大学責任者たちの公開書簡を記憶しよう。
私たちは世界中の友人や同僚に、占領されたパレスチナで続く教育虐殺に立ち向かい抵抗するよう訴えます。破壊されたパレスチナの大学再建のために協力するよう訴えます。パレスチナの学術機関を無力化し、損壊し、弱体化させるあらゆる計画を拒否するよう、訴えます」。
徹底した学術ボイコットの実践で韓国のパレスチナ連帯運動を拡張していこう
今回の高麗大学校ユバル・シャニ教授招待糾弾記者会見と抗議行動は、韓国の大学とシオニズム学者の協力に抵抗した初の事例だ。学術ボイコットへのイスラエル当局による過剰な反応は、その運動が体制にとって無視できない脅威であることを自ら露呈させており、パレスチナ解放に向けた意義ある一石であると言える。
韓国の大学とイスラエル学界の協力が強化される今、学術ボイコット運動は大学内でパレスチナ解放運動を拡大する新たな契機だ。パレスチナ解放に向けた闘いを拡大していこう!
1月15日
(「社会主義に向けた前進」より)
朝鮮半島通信
▲金正恩総書記は3月1日、平壌郊外に位置する祥原セメント連合企業所を訪問し、演説を行った。
▲韓国国会本館の地下通路に展示されていた尹錫悦前大統領の写真が3月3日、撤去された。
▲朝鮮人民軍「射撃手の日」に際して、各級部隊の狙撃手による射撃競技が3月3日、首都防御軍団直属平壌第60訓練基地で行われた。金正恩総書記が同競技を視察した。
▲尹錫悦前大統領が2024年12月の非常戒厳宣言における内乱首謀罪などに問われた事件の控訴審初公判が3月4日、ソウル高裁で開かれ、尹前大統領は容疑を全面的に否認した。
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