サムスン電子の闘争と資本・政府の欺瞞(下)

 2024年12月、ハンファオーシャンは協力会社にも同率の成果給を支給すると約束した。しかし実際には、勤続年数や国籍に応じて成果給を差別的に支給し、社外業者の労働者や請負チームの労働者などは成果給の支給対象から除外した。
 ハンファオーシャンが下請け労働者に成果給を支給した理由は、470億ウォンの損害賠償・仮差押え請求で下請け労働者を残酷に弾圧した悪徳企業のイメージを改め、政府の元請け・下請け共生モデルの構築に協力する姿勢を示すことで、今後より多くの政府支援を受けようとする意図からであった。もちろん、下請け労働者たちの粘り強い闘争が支えとなっていなければ、これさえも不可能だっただろう。
 すぐにサムスン電子の正規職労働者が階級的行動に出るとは期待できない。単に労働組合の歴史が浅いからではなく、現場が組合主義や実利主義に埋没しているからだ。しかし、下請け・非正規職の状況は異なる。彼らは過酷な搾取の中で、劣悪な労働条件に立ち向かい、一人また一人と抵抗の道を見出している。
 「労働者たちは、サムスン電子の華城・器興・温陽事業場で半導体輸送業務のため、1日12時間の交代勤務と3万歩を超える過度な労働を行っている。この過程で各種の筋骨格系疾患が相次いでいるが、1年単位で請負契約が更新される状況下で、雇用上の不利益を憂慮し、労災申請ができずにいる。2024年末、会社は126人の労働者を一方的に解雇した。団体協約によれば、人員削減の際は事前通知および協議を経なければならないが、これを無視した」(サービス一般労組ミョンイル支部記者会見、2025年8月6日)
 数年にわたり不当解雇および労組弾圧に立ち向かっているサービス一般労組の支部、昨年、通常賃金闘争を展開した金属労組の支部は、下請け労働者たちの劣悪な現実を浮き彫りにしただけでなく、闘争の潜在力も示した。下請け・非正規労働者主体による能動的な介入は、半導体産業において元請け・下請けの連帯の道を実質的に切り開く最も重要な通路となり得る。超好況局面においても、凄まじい差別と疎外に押しつぶされている下請け・非正規労働者の怒りは、今も山のように積もっている。したがって、この点に運動の力を集中させる必要がある。
 
成果給比率の危険性

 サムスン電子、SKハイニックス、現代自動車、起亜自動車などで、「営業利益の何%」を成果給として支給するかをめぐる論争が激化している。しかし、労働組合運動が基本給の大幅引き上げに重点を置き、成果給の比重を補助的な位置づけにとどめず、さらには成果給制度の撤廃のために支持しないのであれば、成果給の要求はかえって労働者を分断する道具となりかねない。成果給に全力を注ぐ闘争は、資本の利潤論理に労働者を従属させるブーメランとなって返ってくる可能性が非常に高い。
 なぜなら、第一に、成果給制度そのものが労働者を統制する管理者の役割を果たすからだ。第二に、成果給制度は労働者を競争させ、分裂させるのに適した制度である。第三に、成果給制度は労使協調主義を拡散させる手段である。利益が多く出る時は特別成果給を支給し、利益が少なくなれば成果給を支給しないという論理は、結局のところ、会社が苦境に立たされれば賃金カットを甘受しなければならない、会社が苦境に立たされれば誰かが解雇されなければならないという言葉と同じである。これに伴い、労働者は骨身を削るように働き、会社が繁栄することを願うようになる。このようにして、成果給制は労働者の闘争意識を麻痺させ、労働者を労使協調主義の囚人として縛り付ける装置へと変貌する。
 現在、成果給をめぐる闘争においても、サムスン電子の半導体部門(DS)と、モバイル、テレビなどの家電部門(DX)の労働者間の対立が深まっている。半導体部門の労働者ばかりを優遇しているという批判が提起され、多くの組合員が組合を脱退している。半導体部門内でも、メモリ事業部とファウンドリ(受託生産)、システム設計(LSI)事業部の間にも違いがある。
 メモリ部門は莫大な黒字を記録しているが、テレビや生活家電事業は赤字が見込まれており、これに伴い資本側は「成果のないところに報酬なし」という論理を振りかざし、労働者を分断している。資本側は、DS部門の超過業績による営業利益をDX部門に分配しようとはしない。「他の事業部が半導体に何の寄与をしたというのか、なぜ私が受け取るべき成果給を奪うのか」と反発する労働者もいる。
 サムスンはDS部門においても、メモリ、半導体研究所、TSP事業部の共通組織、ファウンドリとLSI、CSS(LED・パワー半導体などの開発)など、部門別で成果給を差別化するとしている。口を開けば半導体がすべての技術とすべての労働の総和だと言いながら、である。
 このような分断に対し、労働組合が正面から反論し、力で立ち向かうことができず、その結果、正規社員の中でも成果給を受け取れない労働者が生まれているため、下請け・非正規労働者の労働条件改善については、口にするのも難しい雰囲気だ。赤字の責任は労働者にあるわけではないのに。下請け・非正規労働者に対する過剰搾取が、非常に長い間変わっていないのに。
 「成果を出せば報われ、成果を出せなければ犠牲を甘受しなければならない」という論理を受け入れてしまえば、希望退職や整理解雇など、労働者を殺すような構造調整の前でも無力にならざるを得ない。労働者の生存が企業の利益にかかっているという資本家たちの論理に立ち向かうことができないからだ。
 労働者の生存を企業の利益とは無関係に保障せよという要求へと進めず、賃金カットなしの労働時間短縮、整理解雇の廃止、非正規雇用の撤廃、すべての労働者・民衆の生存権保障の闘争へと進めず、構造調整を受け入れ、労働者の一部を犠牲者にするという悲劇を迎えることになる。
 しかし、赤字と経営不振の責任は労働者にあるのではない。全社会的、世界的な計画化と民主的協同を阻み、利潤のために無政府的な生産を続ける資本主義体制そのものにある。したがって、資本主義の秩序を根本的に問い直し、資本主義の利潤論理に挑戦する闘争へと大胆に進まなければならない。ところが、成果給制の論理に労働者も歩調を合わせれば、このような闘争は思い描くことさえできない。労働者は永遠に資本家の奴隷として生きざるを得なくなる。
 したがって、賃上げ闘争においては、闘争に足枷を嵌める成果給制の論理を再考し、基本給の大幅引き上げという基調を打ち立て、それに基づく長期的な闘争計画を策定しなければならない。
 この方向性は、サムスン電子の労働者たちの運命とも密接に関連している。半導体産業の超好況は永遠に続くことはできない。ビッグテック企業がAIインフラに天文学的な費用を注ぎ込んでいるが、これによる直接的な売上や収益創出はまだ不透明だ。
 
根本的な解決策に向けて
 
 正義党など一部では、労使政の大妥協を通じた超過利潤の還収を提起している。しかし、財閥大企業の超過利潤に対する還収は、あくまで階級闘争の結果に過ぎず、「社会的妥協」によって成し遂げられるものではない。
 朴槿恵政権の国政私物化の本質は、李在鎔の承継作業のために、サムスンが国家権力を買収し、国民年金を動員した事件であった。この甚大な犯罪を犯しても、李在鎔は健在だ。このようにサムスンは、総帥一家の世襲経営のためにあらゆる不法行為や脱税を犯しながらも、白血病にかかった労働者たちに対する適切な補償を拒否した。今も営業秘密という理由で、労働者の健康を損なう有害物質の情報を公開しない。
 国会はあらゆる規制緩和と財閥への特恵を施し、公的財政を資本の利潤に変える半導体特別法を可決した。労働者や民衆は、特定企業に水や電気のような公的資源を自由に処分できる権限を譲渡したわけではないのに、政府はサムスンとSKハイニックスがこれらの資源を自由に使うことを許可した。利潤に血眼になっている資本主義体制は、深刻化する気候危機など眼中にもない。
 このように利潤論理に従って動く資本と、その政府は、生産力発展の成果、数十万人の労働者の共同労働によって生み出される成果を、社会全体のために活用するどころか、これを抑圧する。したがって、その成果を社会全体の利益のために活用するためには、利潤論理と断絶しなければならない。
 特定の産業で莫大な利潤が創出されるのは、決して当該産業の資本家の経営能力が突出しているからではない。李在鎔の経営能力が優れているからサムスン電子が好況を享受しているわけではないのと同じだ。
 社会的生産力の発展は、共同体主義に基づいた新たな社会秩序を切実に求めている。結局、資本主義を変革する労働者階級の力こそが、この問題を解決できる。この巨大な力を組織することは、最も遅い道のように見えるかもしれないが、最も確実な道であり、唯一の道である。
 凄まじい弾圧と孤立の中でも、労働者階級全体の解放という基準で闘争する労働者たちは常に誕生してきた。労働者階級は、自らの持つ団結力という強みだけでなく、直面している課題や組織的な弱点をも冷静に見つめる強さを持っている。だからこそ、より強固になり、深みを増すのだ。サムスン電子の労働者たちの成果給をめぐる闘争は、多くの悪質な扇動に苦しめられている。しかし、問題は悪質な扇動だけにあるのではなく、闘争そのものの弱点にもある。弱点を振り返り、克服しよう。そうして、労働者階級全体と共に、さらに一歩前進しよう。
5月5日
(「社会主義に向けた前進」より)

朝鮮半島通信

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