ミンダナオ島地震被災支援カンパ

МIHANDSによる5分野の支援要請
WASH(水・衞生)/シェルター支援/の分野への緊急・中長期の資金協力/ディグニティ・キット(尊厳・保護)/心理社会的サポート/持続可能な復興パートナーシップ/国際連帯への呼びかけ

 2026年6月8日、フィリピンのミンダナオ島南部沖で発生したマグニチュード7・8の巨大地震を受け、現地で支援活動を展開する草の根NGO「MIHANDS(Multi-Stakeholders Initiatives for Humanitarian Action against Disasters)」による状況報告と国際連帯・資金支援の要請を呼びかけている。支援カンパを訴える。(編集部)

1、地震の概要と前代未聞の地殻変動

 2026年6月8日午前7時37分(現地時間)、ミンダナオ島南部沖のコタバト海溝を震源とするМ7・8の沈み込み帯地震が発生しました。1976年のモロ湾地震以来となる最大級の激震であり、甚大な被害をもたらしています。
 *海岸の上昇と津波の襲来: サランガニ州などの沿岸部では、地殻変動により海岸線が約2・0メートルも垂直隆起し、海が約200メートル後退してサンゴ礁が露出する異例の事態となりました。直後に発令された津波警報では最大2・5メートル(8・2フィート)の津波が沿岸部を襲い、犠牲者が確認されています。
 *大規模なインフラ破壊:ゼネラル・サントス市ではフィリピン震度階級で「強度VIII(極めて破壊的)」を記録。ビルや住宅の崩壊、橋の流落、土砂崩れによる内陸孤立集落の発生など、被害総額は推計10億ペソ(約2030万米ドル)に達しています。国家当局(NDRRMC)の報告による被害規模は、死者69名、負傷者1343名、行方不明者33名に上ります。
 *終わらない余震: 本震後も強力なМ6・5の余震を含む6058回以上の余震が続いており、住民は精神的なパニック状態に置かれています。

2、顕在化する複合的危機と見落とされた過酷な現実

 *「教育・養育者」の精神的トラウマ: 登校時間帯の発災だったため、教師や学校職員は「自分の子供の安否」への恐怖を抑え込み、目の前の生徒の命を守るという過酷な二重の心理的負担(役割葛藤)を強いられました。彼らのメンタルケア(心理的ファーストエイド)は急務です。
 *主要産業(農業・漁業)の崩壊: 沿岸部では津波と隆起により漁船が破壊・座礁し、養殖場も崩壊して莫大な損失が出ました。内陸部では液状化現象により水田の灌漑設備が破壊され、山間部の土砂崩れで道路が寸断されたため、高価値の農産物(コーヒー、バナナ、コプラなど)が市場に出せず腐敗し始めています。
 *避難所外の「在宅避難者」という見落とし: 被災家族の約40%は、過密な避難所やコンクリート崩壊の恐怖(余震)を避け、親族の庭や損壊した自宅横のテントで暮らす「在宅被災者」となっています。彼らは公式の支援登録簿から漏れやすく、物資が行き届かない重大なリスクに直面しています。

3、「三民族(Tri-People)」の現実と「害を与えない(Do-No-Harm)」原則

 ミンダナオ島は、キリスト教系定住者、モロ(ムスリム)、先住民族(ルマド:ブラーン族やトボリ族など)という3つの異なる背景を持つ人々が共生する繊細な社会構造(Tri-People)を持っています。救援活動においては、以下の文化配慮が不可欠です。
 *ルマド(先住民族): 土砂崩れの被害が最も深刻な山間部に暮らしており、伝統的な部族のリーダーシップや固有言語を通じた尊厳ある支援が求められます。
 *モロ(ムスリム): 津波や液状化の被害を受けた沿岸・河川域に多く、避難所でのプライバシーや男女別の衛生設備、ハラール認証食料の厳格な配給が必要です。
 *キリスト教系住民: 都市部に集中し、構造物崩壊の直撃を受けました。過密な都市型キャンプでの緊張緩和と精神的ケアが課題です。

4、MIHANDSの活動と緊急支援の要請

 大手国際機関のような潤沢な資金を持たない草の根ネットワーク「MIHANDS」は、ボランティアを動員し、被災者自身が復興の主導権を握れるよう「多文化・多民族の地元委員会」の組織化を進め、政治的偏向やコミュニティの分断を防ぐ活動を行っています。
 被災者は現在も土砂崩れの危険がある斜面や簡易テントで生活しており、水源汚染による乳幼児や妊産婦への健康被害が秒読みの危機となっています。MIHANDSは、以下の5つの分野への緊急・中長期の資金協力を世界に呼びかけています。
 *WASH(水・衛生): 携帯型浄水システムや水処理剤の迅速な配布(感染症対策)。
 *シェルター支援: 家屋を失った68600世帯への高耐久タールポリン(防水シート)や緊急テントの支給。
 *ディグニティ・キット(尊厳・保護): 各民族の女性・女児に配慮した衛生用品の提供と、安全な衛生空間の確保。
 *心理社会的サポート: 絶え間ない余震に怯える子供、保護者、教育関係者へのトラウマケア。
 *持続可能な復興パートナーシップ: 被災者自身を決定権の中心に据え、エコロジー(環境調和型)、民主的、かつ人権に基づいた生業再生の長期的支援。
 *国際連帯への呼びかけ:MIHANDSと長年提携している「ESSF(Europe Écologie Solidarité Sans Frontières / ヨーロッパ・エコロジー・国境なき連帯)」もこの募金呼びかけに賛同しており、国際間送金の手間とコストを削減するため、ESSF経由での財務的支援(寄付)を求めています。

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