読者からの手紙 ――「かけはし」国際面を読んで――

翻訳記事にひと手間の工夫を

森 緯糸

 週刊かけはし編集部・スタッフのみなさま
 いつも限られた人数で、中身の濃い週刊の発行を継続していただき、本当にありがとうございます。
 本紙は単なる利潤目的で運営されているわけではないと推察いたしておりますが、さらに読者の裾野が広がり、経済的な裏づけを伴うことで、スタッフのみなさまのさらなるモチベーション向上につながることを、一読者として願っております。
 私は特に、本紙に掲載される海外発の短い記事が有益だと感じ、毎回楽しみに拝読しております。
 今回は、本紙がより多くの人に親しまれるものになってほしいという願いを込め、あえて少々辛口の意見をしたためたく筆を取りました。
 気になったことが2点ございます。
1.6月1日号7面コモロ発「不平等賃金是正求めストライキ」(ポール・マーシャル)
7段目に「この騒ぎはこの病院がコモロでは今も参照的施設であり続けているため」という一節がありますが、ここでの「参照的」という翻訳は非常に硬く、こなれていない印象を受けます。これでは「わかる人にだけ意味が分かればいい」というスタンスに読めてしまいます。
 また、最後訳注にコモロの場所についての案内がありました。紙面の都合もあるとは思いますが、位置を示す簡略な地図などが添えられていれば、より直感的に分かりやすくなったのではと感じます。
2.6月15日号7頁ベルギー発「政府の残忍さ、街頭の抗議」(マチオ・アラルフ)
 第一段落に「ベルギーは再びストライキで麻痺させられた」とあり、これは英文の受動態を直訳し過ぎているため、日本語を母語とする者にとっては、文章としての収まりの悪さを感じます。
 日本語の受動態は一般に「雨に降られた」などの迷惑行為に使わることが多く、この場合は「ストライキによって再び麻痺状態に陥った」など――ストライキが「迷惑行為」などではもちろんなく――もう少し自然な日本語に開くことができるはずです。

 もしこれらの翻訳にAIやコンピューターの翻訳機能が使われているのだとすれば、なおのこと、最終的に「人の目」を通して、日本語としての美しさや自然さを整える工程が不可欠であると考えます。
 ただ読みやすければいいというわけではないかも知れませんが、一人でも多くの読者が世界の動きを正しくスムーズに理解できるように、紙面作りに尽力していただけたらと思っています。
 今後も有益な報道を期待しております。

週刊かけはし

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