「『皇室の存続』や女性天皇の議論を認めず、私たちは天皇制廃止を求めます」7・3参議院院内集会

 【東京】7月3日、参議院議員会館で「『皇室の存続』や女性天皇の議論を認めず、私たちは天皇制廃止を求めます」が、呼びかけ:ふぇみん婦人民主クラブ、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)で行われ、102人が参加した。

 京極紀子さん(ふぇみん婦人民主クラブ)が「6月23日沖縄慰霊の日に、私たちは皇室の存続や女性天皇の議論を認めず、天皇制廃止を求める声明を出し、賛同を呼びかけた。今日のお昼までに72団体、個人624人が賛同した。国会が7月17日までになっていて、ものすごく重要な法案を通そうという話になっている。残っている法案は例えば、皇室典範の問題と関係している国旗損壊罪、衆院の本会議で可決されるとんでもない状況になっている。憤りを感じている」と開会のあいさつを行った。

皇室じまいをどうするか


 沖縄の風の高良さちか参議院議員のメッセージが紹介された後、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)の渡辺美奈さんが声明(2面に掲載)の趣旨を説明した。
 「 wamは日本軍性奴隷制の被害と加害を具体的に伝えていくミュージアムとして運営されている。 wamの大事な柱の一つとして、天皇ヒロヒトの戦争責任を問い続けている」。
 「今般の皇室典範の改定に対して、声を上げないといけないという思いがとても強くなった。法案が今提出されてしまえば、自民・維新の合意でどんどん通ってしまう。金子ふみが百年前にやっていたことに非常に勇気づけられている。2026年の大きな節目に、天皇制はいらない、という声を上げていた人たちがいたと、そういう記録を歴史に残さなければいけない」。
 「改正案に反対している人たちで女性天皇を求める声もあるが、そこにも違和感を持っている。天皇制は差別と家父長制の象徴だ。『立法府の総意』は『国民の総意』でない」。
 渡辺さんは、書かれていないことに二点述べたいと、問題提起した。
 「一つ目は最近の天皇制を変えるという動きの中で、天皇や皇室関係者の人権の問題が語られることが圧倒的に多くなっている。この声明もこの動きに引きずられた感がある。靖国神社合祀取り消し訴訟 の韓国の遺族に『天皇をどうするかは、日本人が決めることだ』と言われた。この国のあり様に主要な責任を持つ日本人の責任を重たく受け止めている」。
 「声明の中に、天皇の名の下にたくさんの命が奪われたこと、侵略戦争の中で、甚大な被害を与えてきたこと、その具体的なことをもっと言葉を書き込むべきだった」。
 「もう一つは天皇制の終わらせかたについて、具体的な道筋を考えていなかった。皇室じまいをどうするのか、その後の日本のイメージを夢物語でなく、具体的に考えて、言葉にしていきたい。皇室典範改正のグロテスクさは想像を超えるものだ。反対の声を強めよう」。

天皇制と部落解放


 藤岡美恵子さん(『部落フェミニズム』の著者の一人、法政大学非常勤講師)。
 「部落女性9人がこれまで部落の女性が不可視化されてきたことに対して、抵抗の声を上げるための本だ。部落民は天皇制のある社会ではいわば天皇の対極にある存在だ。中世から続く、身分制度の下で部落民が差別されてきた。近代になっても、新たに再編されて、天皇制の下で、ずっと血筋が違うとか、家柄が違うとして遺棄されてきた。それが最も象徴的に表れるのが結婚だ。東京都が2024年に人権意識調査をしている。その質問の中に、仮にあなたが部落の人と結婚しようとしたときに、親や親せきから強い反対を受けたらどうしますか、という問いがある。かまわずに結婚すると答えた人は全体平均で30・6%、20歳代では36・8%、しないと答えた人は13・4%、20歳代では15・3%、一番多いのが分からない。平均で46・9%、20歳代では47・9%。若い世代ほど今は部落問題を知らない。学校などでも今はあまり教えなくなっている」。
 「日本の女性や女性運動を語る際にも、部落の女性はほとんど出てこない。差別や序列の秩序に天皇制があるが、そうした差別秩序は優生思想とも親和性の高い制度だ」。
 「部落民は百年前に自分たちの組織を立ち上げた。それから10年くらいして、大政翼賛会運動の中で、部落もそれに屈して、日中戦争に協力していった。その当時、1934年にある部落の女性がこう書いている。『同じ陛下の赤子に生まれながら、そこに何らの相違があろうか』、つまり天皇制の下で、大和民族としての平等を求めるという論理に、差別への抵抗の論理が変わっていたのです」。
 「百年後の今を生きる私たちはそうしたものに包摂されたくはない」。

差別の上に成り立つ天皇制


 大橋由香子さん(SOSHIREN女〈わたし〉のからだから)。
 「129年前、大日本帝国の憲法の時代、1907年に出来た刑法堕胎罪が今もそのまま存在している。妊娠したら、女は産まなければいけない。中絶した女性や手助けした人が罰せられるが、妊娠相手の男性は罰せられない。侵略戦争の時代は産めよ増やせと言われ、人口を増やした。戦争に負けた1945年、今度は人口を減らさなければいけない、不良の子孫は生まれないようにと、1948年に優生保護法が作られた」。
 「その中で中絶はできるようにはなったが、こういう人は産むべきだ、こういう人は産んではいけないと国家が法律で定めた。2年前に最高裁がこの障がい者差別の部分を制定当時から憲法違反であったと判決を出した」。
 「阻止連のメンバーの声を紹介する。愛子さんが天皇になって、青い目の子どもが、茶色の目の子どもが生まれたらどうする、男の子が生まれなかったらどうする、女性差別。健常者でなかったらどうする、という障がい者差別。天皇制は差別の上に成り立っているのは明らか。自由に対する侵害であり、攻撃だ。さらに血筋によるという前時代的な差別に乗っかっているのだから、天皇制は日本に住むすべての人びとの人権を切り崩す制度だ」。

クイアなフェミニストとして


 クイアの女性からの短いアピール。「自分のクイアとしての生きづらさを考えた時に、その一端を天皇制がになっていることに気づいた。アジア諸国で行われたさまざまな残虐な行為を学んだ。私はクイアなフェミニストとして天皇制に反対する」。

脱天皇制に向けた取り組みへ


 唐井梓さん(お茶の水女子大大学院博士後期課程)。
 「脱天皇制の方向に向かっていこう。いかに天皇制が日常性に入り込んでいるか実感している。元号が使われていること、皇族の方々を『様』と敬称で呼ぶこと、国歌斉唱など」。
 「脱天皇制は単なる制度的な問題ではなく、道徳からの解放を含む。いかにこのシステムを内面化し、生活に織り込んできたのかを考える続けることなしには、天皇制から脱することはありえない。護憲が叫ばれる世の中だからこそ、第一条から八条はどうなのか、同性婚と夫婦別姓の第二四条の見直しはどうなのか、そういったことを伝えていきたい」。

天皇制と沖縄戦


 青木初子さん(沖縄反戦地主会関東ブロック)。「日本と違って沖縄は天皇制国家ではなかった。1879年に日本帝国主義が沖縄に侵略して尚家の王様を東京に拉致した。日本軍が沖縄に入り込んで、皇民化教育を徹底した。松代大本営が完成するまで、沖縄が戦場にされ、焼け野原になった。東京に家族を呼んだとき、母が皇居を見て『なぜ、こんな所に二~三の家族が住んでいるの? もったいないではないか。都営住宅を作ったらどうか』と言った。沖縄から見ると沖縄の文化を根こそぎ取り上げたというのが天皇制国家だ。沖縄の視点からも、日の丸や元号を使うことも足元から天皇制について、取り組もう」。

天皇制廃止に向けた共同の闘い


 ふぇみん婦人民主クラブが「内閣総理大臣、宮内庁、衆参の両院の議長と副議長などに天皇制廃止を求める声明を送りつける。今日の会を第一歩にして、会を作っていきたい」とまとめた。天皇制の廃止を実現しよう。
(M)

天皇制の終わらせかたについて問題提起する渡辺美奈さん(7.3)

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