南西シフトの中核基地としての馬毛島基地
日米共同の軍事拠点にするな
住民訴訟を支援しよう
【大阪】6月26日(金)、大阪国労会館で馬毛島基地建設反対住民訴訟支援集会が開かれた。主催は「南西諸島への自衛隊配備に反対する大阪の会」。
馬毛島は鹿児島県の種子島の西方12キロにあり、西之表市に属している。かつては緑豊かな森が広がり、日本鹿の亜種のマゲシカをはじめとした生き物の楽園であり、島の周りは豊かな漁場で、地元の人たちからは「宝の島」と呼ばれていた。
しかし、開発業者が島の買収を進めて乱開発し、1980年には島は無人化した。そこに目を付けた防衛省は2019年評価額の8倍の160億円で島の99%を買収し、23年には基地の建設工事が始まった。
当初計画では馬毛島の基地は米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCIP)の硫黄島からの移転とされてきたが、主滑走路2450mと横風用1830mの滑走路を備え、空母に改装中の加賀等の大型護衛艦、米軍の艦艇が接岸できる岸壁、各種訓練施設を備えた日米共同の軍事基地、南西シフトの中核基地として建設されている。
自然環境も労働者の人権も無視して進められている基地建設
講師は馬毛島基地建設反対住民訴訟弁護団事務局長の塚本和也弁護士。塚本弁護士は訴訟のみならず、反対派住民の馬毛島での入会権の行使を防衛省へ認めさせるのにも尽力し、自身も抗議闘争で馬毛島にしばしば上陸している。
塚本弁護士はまず、「辺野古基地建設の場合は環境アセスメントに5年以上かかり、その間に反対運動が盛り上がっていった。そのため国は馬毛島基地建設では滑走路を50m短くして、環境アセスの基準を下げる等のアセス逃れを様々行い、アセスを2年弱で終えてしまった」
「工事は昼夜を問わず行われ、外界と閉鎖された小さな島ということもあり労働環境は劣悪で、工事開始以来、報告されている事故だけで約50件ある。外国人労働者の死亡事故も発生したが、大きな問題にされていない」と告発した。
そして、パワーポイントを使って前述した基地の全容を説明し、「米軍の訓練は年間20日で他の期間は自衛隊が使用する。つまり自衛隊の基地である。しかし、工事費の1兆4千億円のほとんどは米軍関連予算から出ており、防衛予算とは別枠になっている」と基地建設予算の不明朗さにも言及した。
馬毛島の自然と自治を守る裁判は、基地建設を止める裁判
基地建設反対を公約にして当選した矢板俊介西之表市長は2022年9月、突如、基地建設のネックになっていた旧馬毛島小中学校跡地の防衛省への売却と、馬毛島の市道1~3号線の市道認定廃止を市議会に提案し、一票差で可決された。
塚本弁護士は「道路法によって公道認定されている土地の上には、建築物を建ててはいけないことになっている。この点から反対派住民は防衛省を追求してきた。学校跡地があれば基地反対の集会もできただろう。その土地を市長は勝手に売却してしまった。そのため売却等の差し止めを求める住民監査請求を行ってきたが棄却されてしまった」と住民訴訟に至る経過と、住民訴訟の内容について説明した。
この訴訟では、西之表市長が防衛省へ馬毛島の学校跡地等の市有地を売却したこと、また馬毛島の市道を廃止したことは、裁量権の逸脱、乱用で違法と訴えている。
塚本弁護士は「この裁判は直接基地の差し止めを求めているわけではないが、市道廃止、学校跡地売却の無効確認がされれば、基地建設は止まります」と訴え、最後に住民訴訟への支援を要請して講演を終えた。 (山三)

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