東海第二原発をとめよう!
東京東部で講演集会
放射能の恐ろしさ、翻弄される住民
とめよう! 東海第二原発 東京東部連絡会
【東京】7月4日、東京足立区・北千住駅前の「シアター1010」講義室で、反原発集会があった。定員を超える約80人が集まり、原発の危険性を再認識した。
集会名称は「こんなにあぶない! 東海第二原発 講演と映画の集い」。主催は「とめよう! 東海第二原発 東京東部連絡会」。日本原電の東海第二原発の再稼働を断念させるための運動を、東京東部地域で展開してきた。
自己隠しと維持資金
茨城県東海村の「東海第二原発」(日本原電)は1978年に運転を開始した。すでに47年も経過した老朽原発は2011年の東日本大震災以降、14年以上も停止したままだ。現在、再稼働のための津波対策として防潮堤建設が進んでいるが、この工事では土台となる鉄筋の変形や欠陥、手抜き打設が明らかになった。原電はこのことを7カ月もひた隠していた。
同原発に対しては、発電・売電をしていないにもかかわらず、「維持資金」として電力5社から年間1千億円、2011~2014年で総額1兆数千億円が支払われている。これらすべて市民が支払った電力料金が原資である。原発から30キロ圏内の人口は92万人。同村には核関連施設が多数あり、内陸側には住宅密集地が広がっている。首都圏に最も近く、ひとたび事故が起これば甚大な被害となることは明らかである。
午後1時30分に始まった集会の冒頭、司会者と主宰者からあいさつがあった。その後映画が上映された。
15年を50分に凝縮
『原発の町を追われて~双葉町の15年』(撮影・編集/堀切さとみほか)は、2011年の東日本大震災時、福島第一原発事故で全町避難を余儀なくされた双葉町の人々を追ったドキュメンタリーだ。大震災直後、福島現地に残された人々、埼玉県に避難した人々の姿と、当時の双葉町長・井戸川克隆氏の動きに焦点を当てている。震災後15年間の取材を約50分にまとめた。堀切さんは双葉町の現状を追い続け、映像で記録している。時代の節目毎に素材を編集し、連作として発表してきた。
以下は初作の『原発の町を追われてーー避難民・双葉町の記録』の作品解説だ。
「福島第一原発のお膝元にあり、2011・3・11直後、全世帯が避難勧告を受けた双葉町。事故から二週間後、町は役場機能を埼玉県加須市に移し、廃校になった高校(旧騎西高校)を拠点に避難生活を始めた。日本初の原発避難民。放射能から逃げるしかなかった人々。
被害者同士が反目し
「俺たちはどうせ忘れられていくのさ」という避難民のつぶやき……。4月。騎西高校には双葉町民のおよそ二割にあたる1400人が避難生活を始めていた。
東京では脱原発のデモが起こっていたが、原発と共に暮らした町民の心境は複雑だ。原発を信じてきたこと。何もかも失ったこと……。いつ帰れるかアテもない中で、避難民たちはそれぞれの思いを語りはじめた」。(関連HPから引用)
この日の上映作品は、福島に残った人々と、各地に避難した人々との分断を映し出している。本元の犯罪者は、原発を推進してきた日本国家であり、自民党政治であり、その下で連綿と儲け続けてきた電力会社だ。しかしそれが忘れ去られ、被害者同士が対立する構図は、国や東電にしてみれば、「してやったり」ということだろう。
「浜通りは虚構の町」
映画上映後、堀切さんは次のように語った。
「いざ事故が起きた時は国も東電も住民を守らない。住民の命は関係がない。事故が起きたらアウトなのだ。『避難しなくても大丈夫』というのは神話に過ぎない」。
「3年前に避難指示が解除になったが埼玉の避難民は帰りたくても帰れない」。「双葉町の復興住宅に全国からの移住者がいる。福島のために何か力になりたいと言う。その人たちは放射能と被曝のことを一切口にしない。知らないままに高線量の中で暮らしている。浜通りは虚構の町だ」。
映画の後、講演が行われた。講師は宮武宇也さん。宮武さんは原子核物理を専門とする研究者。現在は「高エネルギー加速器研究機構」名誉教授。「原発は不完全なシステム」と題して約1時間の講演をした。
2つの核心に基づいて
その核心は、
①「原発事故は社会と環境に回復不可能なダメージを与える」こと。そして②「生み出される大量の核のゴミは人間の手に余る」ことだ。
日本での「不完全なシステム」は、この集会主催者が取り上げている東海村から始まった。1955年に日本政府は「原子力基本法」を制定する。その2年後には東海村に「日本原子力研究所・原子炉」を建設し始める。
当日配布された詳細な資料では、前記①と②の根拠が豊富なデータとともに解説されており、会場参加者は理解を深めた。
講演後の質疑応答では、「こんなに危険な原発を、政治家はなぜやめようとしないのか」との質問が出され、講師は「原子力むらと呼ばれる強固な利権集団が存在しているから」と指摘した。
この夏も現地で行動を
集会後の4時からは、恒例のスタンディングが行われた。参加者は駅西口ペデストリアンデッキに横断幕を広げ、通行する人々に、東海第二原発の廃炉を訴えた。東部連絡会は昨年に引き続き、今年も大型バスによる東海村現地調査を計画している。昨年夏は酷暑のなか、東京からバス2台に分乗し、現地調査を敢行した。今年も早朝のJR平井駅前に集合して現地をめざし、屋内集会とデモに合流する。 (秋谷静雄)

東海第二原発の再稼働を断念させる東部集会(7.4)
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