第4インター 2025国際青年キャンプ

キーウからパナマまで肩並べ闘う

(2025年8月9日)   同キャンプ組織チーム

新たな活力
新たな闘い

 「君はわれわれの夏季大学に来る用意はあるか?」「いや今年はそうできない。しかし同志たちに言葉を伝える。そしてかれらのかなり多くは関心をもっている」。
 キャンプ駐車場で最後のバスが待機している。若者たちは、そのほとんどは1週間前互いを知らなかったのだが、電話番号やソーシャルメディア、またハグを交換している。そこここで、この週を締めくくった土砂降りを長引かせるかのように涙が流れている。
 7月26日、第40回反資本主義国際青年キャンプが終幕を迎えた。それは、ベルギーの雨季の下に昨年を30%上回る300人の若者を結集した。300人の参加者は、最後の瞬間にビザ発給が理由で参加取り消しを迫られた同志を数えずに29ヵ国からやってきた。
 この成功は、第四インターナショナル(FI)のいくつかの支部で見られる新たな推進力を映し出している。それらの推進力は今、1968年後の絶好調にあったときよりもはるかに小さいとはいえ、ファシストの脅威、われわれが懸命に勝ち取った社会的諸権利の破壊、人種やジェンダーに基づく暴力の再現、そして気候の破局、これらに対する反攻を何としても組織しようとする多くの若者をあらためて引きつけつつある。
 FIベルギー支部の反資本主義左翼はその好例だ。それはほんの数年前若者組織の再建を果たし、EU議会選で2%を得票、極右が率いる新連邦政府に反対してきた社会運動を支える推進力のひとつになった。したがって、今回のキャンプの主催でフランス支部を引き継いだのは全く自然の成り行きだった。

現在の闘いに
根付いた討論


 進行中の諸々の危機が求める切迫した課題が、プログラムとわれわれの論争に反映された。この1週間は初めて、反レイシズムを特別の課題にした一日で始まった。しかしこの論点は、レイシズムの差別を受ける人々の自律的な表現に当てられた多くのイベントを伴って、引き続く日々でも無視されなかった。たとえば、この週の中で3回会合をもった委員会、かれらだけのワークショップ、また特別の目的に向けられた夜の催しなどだ。
 反ファシズムもまた、ひとつの広がりをもったテーマだった。数回の教育的な全員参加過程(もちろん、反ファシズムと国際主義に関するもの、しかしまた、フェミニズムとLGBTI+の闘いに関するもの、さらに反レイシズムに関するもの)はかなりの時間を、世界的な極右の分析、さらにそれと闘う戦略の追求に当てた。
 この週を通じて数回会合をもった反ファシスト委員会は、サラゴサ6からハンガリーで投獄されたドイツ人活動家のマヤ、またフランスの反ファシストグループであるジュヌ・ガルドゥまで、抑圧に直面しているすべての反ファシスト活動家に連帯のメッセージを送る機会を提供した。
 トランスジェンダーの人々を標的にする反動的な攻撃への抵抗もまた、われわれの様々な国における学生労働と若者の不安定さの強化を前にする労働者の闘い同様――キャンプの新しい相貌の中で、「労働と労働組合活動」の一日がこの理由から導入された――、討論の大きな部分を占めた。
 しかし、このキャンプの背景は、悲しいことに戦争と帝国主義のバーバリズムだった。西側帝国主義はもちろん、進行中の世界的な連帯運動――討論の中にどこにもあり続けたひとつの運動――にもかかわらず、パレスチナでジェノサイドを続けている。しかしロシア帝国主義を含め他のあらゆる帝国主義も同じだ。そして前者は、ウクライナでその植民地主義的な戦争を継続し、欧州の諸大国にしつこく軍事化を続ける口実を与えている。
 さまざまな再軍備計画に対する不可欠な拒絶、反NATOの歴史的闘争の継続、そしてウクライナ人民のような武装闘争に取り組んでいる人民との連帯をどのように接合すべきだろうか? 今次FI世界大会の中心であったこの熟考は、否応なくこのキャンプの討論の一部だった――全員が共有する原則として、あらゆる諸国の搾取され抑圧された人々との連帯、またある帝国主義を別の帝国主義より選好するようなことの拒絶に基づいて――。

キャンプ刷新へ
攻勢的な刺激


 これらの論争に新しい側面を与えたものはもちろん、通常の西欧諸国に加え、世界の他の部分――特に、ラテンアメリカと東欧――からやってきたゲストたちの例外的に大きな存在だった。この新たな発展もまたFIの進化を映し出している。その最大の支部は今グローバルサウスの中に見出されるのだ。
 この事実は、このキャンプの定義自体に関し考えを刺激することになった。キャンプは、いくつかの民族を結集し、他の大陸からのゲストを常に歓迎してきたという意味で「国際」とされているものの、歴史的にインターナショナルの欧州支部の若者組織により欧州で組織されてきたのだ。
 同じ条件の下であらゆる諸国から若者が参加できるような世界キャンプを組織することは明らかに不可能に見えるとはいえ、この新しい状況をどのように考慮に入れるべきかについて、問題は今も空白で残されている。将来のその繰り返しの政治的準備に、われわれは非西欧組織をもっと多く含めることができるだろうか? われわれは、世界の他の地域でそれを置き換えるためにこれらの欧州キャンプの経験を利用できるだろうか?

不測の事態も
挑戦の課題に


 しかしながら論争とは別に、このキャンプは驚きに満ちた類例のない人間的な経験でもある――特に、完全に何もない原野でそれを組織する、という技術的挑戦課題をあなたが引き受ける場合――。5日遅れで届く食糧配送、ヒューズを飛ばして襲った土砂降り、さらに途中途中で交換を迫られた発電機などの間で、われわれは一定数の不測の事態を切り抜けなければならなかった。
 しかし、われわれのオランダ人電気技術者、スイス人運転手、また即席に編成したスペインとカタルーニャの音響技術者などで、われわれには何の資源不足もなかった。
 あれやこれやでわれわれが共に働かざるを得なかったすべての仲間たちが、われわれに新たな挑戦課題を贈ってくれた。そしてわれわれは、民主的な自主管理を通してこれらの挑戦課題すべてに応えた。みなさんは、何であれそこからみなさんが欲する政治的な結論を引き出すことができる。
 若い革命的な活動家として、今回のような1週間は常にわれわれを感情であふれさせる。そしてその終わりは時として辛い。そのほとんどにとっては1年間再び合うことがない同志たちを乗せて、彼らのバスが離れるのを見ることは、胸が張り裂けるようなことだ。そしてそのすべての後、われわれの搾取される仕事に、自分たちの性的指向を隠しているわれわれの家族の下に、あるいは自分の意見を少しばかり大声で自由に話すや否や警官を呼ぶわれわれの大学に戻ることは、決して容易いことではない。
 1週間の間われわれは、国境や抑圧のない世界を共に夢見る自分たちを見出した。そして今われわれは、早々に現実に戻らなければならない。しかし人々の優しさは単なる遠い理想ではない。それはわれわれの武器なのだ。
 国際連帯はつい先ほど、ブダペストでのプライドが前進するのを可能にすることにより、ヴィクトル・オルバンに大打撃を加えた。連帯は最終的に、ゲオルゲス・イブラヒム・アブダラー(レバノンの活動家、フランスでテロ容疑で終身刑を宣告されたが、41年収監後今年7月釈放:訳者)の釈放を確保している。連帯は、イスラエル政権を孤立化させ始めている。この政権はかつてと同じく暴力的だが、益々追い詰められている。
 連帯は遅かれ早かれ、あらゆる反動家、男性至上主義者、警官、銀行家、地主、石油長者、テック教祖、植民地主義的入植者、熱烈なファシスト、そして真正の独裁者を打ち負かすだろう。その時まで、どんな境界もわれわれが肩を並べて闘うのを妨げないだろう。  

The KAKEHASHI

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