大学キャンパスで拡大する「シンタン駅事件」追悼行動

青年学生たち、追悼空間は拡大する一方、当局に根本的解決を促す

シンタン駅女性駅員殺害事件とは

 9月14日、女性駅員がひとりで夜間パトロール中に殺害された事件。加害者は被害者の同僚男性で、被害女性に対するストーカー行為を繰り返していた。被害女性は裁判所と警察当局に令状審査と保護措置を求めていたが、実施されることはなかった。詳しくは、本紙10月10日号の「韓国は、いま」を参照。(「かけはし」編集部)

 シンタン駅事件以降も女性家族部廃止などを推進する政府に対する批判が大学キャンパス内でも広がっている。青年学生たちは女性で青年で労働者だった故人の死を追悼するために追悼空間を作る一方、大字報を通じて関係当局による根本的な解決を促している。

 青年学生労働運動ネットワーク、「シンタン駅事件青年学生集中行動」は10月6日、報道資料を出して「故人の死後もキム・ヒョンスク女性家族部長官のジェンダー葛藤を助長する発言とイ・サンフン、ソウル市議員の加害者擁護発言、ソウル交通公社キム・サンボム社長の女性差別的対策と人員の充員は難しいという体面的な対策で、事件はその本質と根本的解決からますます遠ざかっている」とし「キャンパス内で青年女性労働者の死を追慕し、関係当局の根本的な問題解決の要求に賛同する学内の雰囲気形成に最後まで全力を上げるだろう」と明らかにした。

 シンタン駅事件が発生した9月14日から成均館大学、梨花女子大学、高麗大学、韓国芸術総合学校、聖公会大学、淑明女子大学、漢陽大学、東国大学、建国大学、ソウル大学などで声明が出ている。青年学生たちはシンタン駅事件を「構造的なジェンダー暴力であり重大産業災害」だと規定し、食い止めることができる死をもうこれ以上放置しないように求めた。

 9月26日には30に達する学生団体が共同声明書を発表した。学生たちはシンタン駅事件をめぐって女性嫌悪犯罪ではないとしたキム・ヒョンスク女性家族部長官のジェンダー意識を批判し、根本的な解決策を要求し、安全な職場を作らなければならない責任を果たそうとしないソウル交通公社に対しては、人員の充員とともに女性労働者を業務から排除する方法は根本的な解決策ではないことを明らかにした。さらに、政府がストーカー行為処罰法を直ちに改正し、「反疑似不罰罪」規定を廃止し、被害者が保護される環境づくりに努めるべきだと強調した。

 一方、シンタン駅事件のような女性対象犯罪が繰り返される状況で、政府が女性家族部廃止を骨子とする政府組織法改編案を公開したことで政府への批判も強まっている。女性団体などは政府が危機のたびに「女性家族部廃止」のカードを取り出し、低い支持率を打開しようとする手段としているとし、女性に対する差別と暴力がまん延する社会で、女性家族部の責務と権限はいっそう強化されなければならないと強調した。政府は6日午後、余暇部を廃止し、保健福祉部傘下の本部に関連機能を置く内容を中心とする政府組織改編案を発表する予定だ。

パク・ダソル記者
(「チャムセサン」10月6日)

朝鮮半島通信

▲金正恩総書記は10月16日、万景台革命学院を訪問した。
▲金正恩総書記は10月17日、朝鮮労働党中央幹部学校で記念講義を行った

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