集団虐殺の共犯者である高麗大学の行いを糾弾する(上)
チェ・ジョンヒョン(学生社会主義者連帯高麗大学の会)
高麗大学生活図書館で9月23日「大量虐殺1年、キャンパスパレスチナ連帯運動の課題」と題する公開講演会と討論会が開催された。ドイツの大学におけるパレスチナ連帯運動に関する1部の講演に続き、2部では、高麗大学のイスラエルとの交流協力の現状と、それを中断させるための当面の課題について説明がされた。当日の講演会の提起文を提起者の同意を得て掲載する。
1.ガザ地区虐殺1年、そして教育虐殺(Scholasticide)
2023年10月7日のイスラエルのガザ地区虐殺から、1年が経とうとしている。イスラエルの虐殺による死者は4万人を超え、9万2000人以上が負傷した。犠牲者の70%は女性と子供だ。イスラエルが住居と職場、病院、学校、水道、電気施設をはじめとするインフラ施設にまで容赦ない爆撃を行い、ガザ地区の住民の日常生活は完全に破壊され、170万人が飢餓と疫病に苦しんでいる。
イスラエルの残虐行為の中でも最も深刻なものの一つは、学校、大学などの教育機関を対象とした無差別的な爆撃と虐殺、いわゆる教育虐殺(Scholasticide)である。教育虐殺は、2008~09年のイスラエルのガザ地区攻撃当時、学校、教育部など教育と建物が標的にされた状況を説明するために、オックスフォード大学のカルマ・ナブールシ(Karma Nabulsi)博士が考案した用語である。
2008年12月、イスラエルはガザ地区空爆に乗り出し、国連難民救済事業局管轄の学校に白リン弾を投下した行為で国際社会から大きな非難を受けた。過去11ヶ月間、ガザ地区内では数千人の生徒と数百人の教師が死亡し、数百の学校が破壊された。ガザ地区にある学校の40%以上(288校)は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営しており、残りはパレスチナ自治政府が直接運営したり、民間で管理している。イスラエルの攻撃により、ガザ地区の住民230万人のうち85%以上が難民となった状況において、現在、すべての学校が閉鎖されている。
2023年11月6日、パレスチナ教育省は2023、2024年度の学期を正式に中止すると発表した。国連人道問題調整局(OCHA)は、2023年10月27日現在、ガザ地区には62万5000人以上の生徒と22,500人以上の教師がいると報告しており、それらの人々は現在、学習権と教育権を完全に奪われている。パレスチナの教育省によると、少なくとも280の政府学校と65の国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)運営の学校が破壊または被害を受けた。国連の発表によると、2023年10月7日以降、6カ月間に5479人の生徒と261人の教師がイスラエル軍によって殺害された。パレスチナ自治政府の学校の90%が直接的または間接的な被害を受け、学校建物の約29%が取り壊されたり、ひどく破損されて使用できない状態である。ガザ地区内の少なくとも133の学校がガザ地区内の被災者の避難所として使用されており、190万人以上の被災者が発生した中、ほとんどの学校は飽和状態である。
イスラエルは避難所として機能する複数の学校を攻撃し、家と生活の場を失った被災者を無差別に殺害した。2023年11月、イスラエル軍は国連難民高等弁務官事務所が運営するアル・ファクラ学校を攻撃し、少なくとも15人が死亡し、1週間後にはアル・ブラク学校で少なくとも25人が死亡した。2023年12月には、シャディア・アブガザラ学校への攻撃で数人が死亡した。
ユニセフによると、7月6日現在、ガザ地区の318の学校が直接攻撃の標的となっており、その後も数十件の攻撃が発生している。国連によると、イスラエル軍は8月だけで計16回にわたり、ガザ地区にある学校を空爆した。ジュネーブ条約は、学校への攻撃が違反であることを明示的に規定しているが、学校への攻撃は「ハマス隊員の摘発」を名目にして続けられている。
イスラエルの標的には大学も例外ではない。国連開発計画(UNDP)によると、パレスチナの識字率は92・4%で、これはシンガポールと同様の水準だ。パレスチナの大学をはじめとする学術機関は、数学、工学、ビジネスなどの分野で高い成果を上げてきたが、大学を含む高等教育機関はイスラエルの攻撃で完全に麻痺した。パレスチナ通信社Wafaによると、ガザ地区の12の高等教育機関が破壊され、大学教育が完全に中断された。ジュネーブに事務所を置くユーロメッド人権モニターは、イスラエル軍がガザ地区のすべての大学を段階的かつ計画的に破壊したと発表した。イスラエルメディアは、イスラエル軍がガザ市南部のイスラ大学を爆薬で破壊する映像を報道した。同キャンパスはイスラエル軍に占領された後、爆破直前まで軍事基地と拘留施設として使用されていた。ユーロメッド人権モニターは、すでに94人の大学教授がイスラエル軍に殺害されたことを明らかにしている。
このような状況のなか、学習の場を完全に失ったガザの学生たちは避難民キャンプやテントという劣悪な環境において教育を続けている。破壊された学校と教員を含む教育インフラを再建する作業には、少なくとも数カ月、数年がかかると予想される。その対策としてオンライン学習が検討されているが、通信、電力などのインフラが破壊され、家を離れて避難を続けなければならない状況では、オンライン授業は事実上不可能である。すでに西岸地区では、イスラエルの軍事活動と入植者の暴力が激化し、オンライン授業への転換が行われている。ガザ地区の教育システムに対する意図的な破壊は、一世代の知的・社会的・文化的能力向上と再生産を破壊するという観点から、イスラエルが追求している民族抹殺・アパルトヘイト政策の延長線上にある。米国、英国などイスラエルの植民地支配に同調している帝国主義諸国は、ガザ地区の大学と学校の再建過程でパレスチナの独立的な教育の可能性を排除する計画を推進してきた。そして欧米とイスラエルの植民地主義的ヘゲモニーを中東社会全体に貫徹しようとしている。教育虐殺は、数十万人の子どもと数百万人のパレスチナ民衆の未来を破壊するだけでなく、これを放置する国際社会の人道的危機をそのまま示している。
2.集団虐殺の共犯者である高麗大学の現状
イスラエルがパレスチナ民衆の教育を受ける権利を徹底的に抹殺している状況で、高麗大学は虐殺の主犯であるイスラエル当局との協力を強化しようとしている。高麗大学は十数年前からイスラエル大使館と何度も関係を結び、イスラエル政府、イスラエルの大学と高麗大学間の学術的連携を強化し、これを財政確保の手段にしようとしている。高麗大学は2014年からエルサレム・ヘブライ大学(Hebrew University of Jerusalem)とパートナーシップを締結している。高麗大学も加盟しているヴェネツィア国際大学(Venice International University)は20大学のコンソーシアムの形で運営されており、ここにはテルアビブ大学(Tel Aviv University)が参加している。ヴェネツィア国際大学は2024年夏の季節学期短期交流プログラムを実施した。本校の公式交換学生プログラムであるISEPに加盟しているイスラエルの大学はないが、経営大学でエルサレム・ヘブライ大学と交換学生プログラムを継続的に運営してきた。下記の学長動静報告項目は、イスラエルと高麗大学との関係網が十数年以上続いてきたことを示している。特に、2023年以降の報告から連携が確認されるアキバ・トール駐韓イスラエル大使は、10月7日のメディアと非公開の大学講演を活用し、パレスチナ人虐殺を擁護してきた人物である。
9月30日
(つづく)
(「社会主義に向けた前進」より)
朝鮮半島通信
▲金正恩総書記は10月2日、西部地区の朝鮮人民軍特殊作戦部隊の訓練基地を視察した。
▲朝鮮中央通信は10月6日、金正恩総書記の呉振宇砲兵総合軍官学校での訓練の視察、また、平安北道の地方工業工場建設場の現地指導を報じた。
▲金正恩総書記は10月7日、国防総合大学で演説を行った。
▲スウェーデン・アカデミーは10月10日、2024年のノーベル文学賞を韓国の女性作家、韓江さんに授与すると発表した。
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