3・8女性ストライキ組織委討論における闘争方針(1)

ペ・イェジュ

尹錫悦から李在明へ

 不平等は、果たして改善されたのだろうか。
 李在明政権による構造的な搾取と抑圧。これに抗うには、闘う女性労働者の力が必要不可欠である。
 広場で叫ばれた平等や民主主義。差別撤廃や労働の権利を求めたあの切実な声は、どこへ消えてしまったのか。
 韓国はOECD加盟国の中で男女間賃金格差が最大であり、高齢者および高齢女性の貧困率もまた、最悪の水準にある。自殺率は首位を独走し、出生率は世界最低を記録している。性的少数者の権利も最下位圏に沈んだままである。李在明政権下において、ジェンダー不平等や労働者・民衆の過酷な現実は、果たして改善されたのだろうか。不平等という名の「傾いた運動場」において、その傾斜は、いささかも是正されてはいない。
 世界的に経済、社会、政治、再生産、そして気候といった多角的な危機の時代にあり、戦争の暗雲が立ち込めている。こうしたなか、李在明政権は戦略産業の育成と労働改悪、さらには社会的対話や労使協調主義の強化を標榜している。また、「男性への逆差別の解消」を謳うジェンダー政策やK―防衛産業などの成長戦略を掲げ、2026年の「成長する資本主義」を説く。しかし、資本の取り分を拡大したところで、CEOではない女性や性的少数者の権利が保障され、労働者・民衆の苦痛が軽減されることなどあり得るだろうか。
 李在明政権と資本のこうした動きは、労働と権利、女性と性的少数者、平等を抹消している。李在明政権の成長主義政策の核心は、体制の危機、その責任を労働者・民衆にさらに露骨に転嫁する資本家救済だ。構造的な性差別をなくそうとする対策もない。ジェンダー平等の基盤を揺るがすこのような動きは、尹錫悦をはじめとする歴代政府の政策の延長線上にある。
 平等は、政府や資本と対峙し、これに立ち向かわない限り進展し得ない。既存の政党への投票や、政府・資本との安易な共生のみでは、構造的な性差別や女性が負わされた二重の枷を打破することは不可能である。ゆえに我々は、権力の美辞麗句に惑わされることなく、激化する危機と責任転嫁の構造に抗う。今、この場に求められているのは、実質的なジェンダー平等の実現である。そしてそれは、闘う女性労働者の不断の闘争によってのみ、獲得されるものである。
 国際女性デー。それは、女性ストライキという闘争そのものである。我々は切実な要求を掲げ、この切迫した闘争へと漕ぎ出す。構造的な性差別の打破、そして女性や性的少数者、障害者、移民ら社会的弱者に対する憎悪と差別の根絶。さらには労働権の保障、ジェンダー平等の実現、戦争の終結、労働者・民衆の団結のために、女性労働者がその先頭に立つ。今こそ、共に闘い抜こう。

1.不平等への闘争を原動力として登場した李在明政権
 
 「構造的な性差別はない」と主張していた尹錫悦政権は、広場に繰り出した労働者・民衆、特に女性と性的少数者の力によって弾劾された。尹錫悦政権の経済および労働政策の核心は、「戦略産業の育成を通じた経済成長」と「労働市場の柔軟化を通じた効率性向上」という二本柱であった。そして女性家族部の廃止に象徴されるように、ジェンダー対立とバックラッシュを煽った。反労働、反女性、反性的少数者、反共および極右イデオロギーを助長した。これを通じて、貧富の格差、非正規雇用、男女間賃金格差、雇用、キャリア中断、貧困と差別など、不平等な社会に満ちた怒りと抵抗を他へ向けさせ、労働者・民衆の団結を阻み、抵抗を無力化する政策を駆使した。
 こうした状況を反映し、広場では女性や性的少数者、労働者・民衆による平等、民主主義、差別撤廃、労働、権利の強調がなされた。傾いた運動場という不条理な構造下で奪われてきた、労働者・女性・性的少数者、ひいては人間としての尊厳と権利。それらが正当に保障される平等社会を求める叫びは、極めて切実なものであった。組織化された労働者の組織である民主労総がゼネストに踏み切れなかったとはいえ、4ヶ月にわたる闘争が尹錫悦を弾劾に追い込んだ。これに後押しされ、早期の大統領選挙を経て李在明政権が発足した。李在明政権は政権発足初期から現在に至るまで「成長」を強調している。覇権的な戦争危機の深化に対し、「飛躍と成長」、「実用と国益」を掲げている。資本が多くの金を稼ぎ成長することで、社会の不平等や貧困、非正規雇用、失業、差別や憎悪、搾取や抑圧がどのように解消されるというのだろうか?以前の政府と何が違うのだろうか?
 李在明政権は選挙公約の段階から「ジェンダー平等」について沈黙していた。就任後、女性家族部長官の人事を巡る騒動の末、女性人権弁護士を任命し、雇用労働部長官には元民主労総幹部を任命して、以前の政府との差別化を図ろうとしたが、そうではなかった。その後、10月14日の国務会議では「特定領域における男性への逆差別」を幾度も言及し、ジェンダー平等家族部の業務として「男性への逆差別の解消」を指示した。包括的差別禁止法は影を潜めた。広場の労働者・民衆が社会大改革の第一の要求として挙げたのが、差別禁止法の制定だった。しかし、李在明政権は包括的差別禁止法について言及すらしなかった。2025年12月11~23日に行われた省庁別の2026年度業務計画報告でも、差別禁止法は取り上げられなかった。あるメディアが差別禁止法の立法計画について質問すると、性平等家族部は「法務部が主管省庁だ」と述べ、法務部は「立法する計画はない」と回答した。
 座り込みを行った世宗ホテルの解雇労働者たち、韓国オプティカルハイテックの解雇労働者たちの闘争は、政府の約束にもかかわらず何も解決されなかった。A学校における闘争、現代自動車の非正規職闘争、そして起亜自動車の清掃労働者に対する不当懲戒。これらの多様な闘争現場が抱える問題の本質も、同様である。健康保険顧客センターの労働者たちは、文在寅政権時代から尹錫悦、李在明政権に至るまで6年間闘ってきた。しかし、前政権が約束した所属機関への正規職転換が未だに守られておらず、大統領府前での断食座り込みが続いている。労働組合法第2条および第3条が改正されたとはいえ、実質的な雇用主である政府は、非正規職の女性労働者や障害者、移住女性労働者の生存権を依然として黙殺している。こうした一連の姿こそ、李在明政権の隠された素顔にほかならない。そう断ずるのは、もはや必然ですらある。
 
2.激化する米・中帝国主義の覇権競争の中の韓国

 本格的に李在明政権の情勢を考察する前に、激化する帝国主義、米中覇権競争の中に韓国が存在しているという点を指摘しなければならない。2022年2月、ロシアとNATOによる出口なき陣営間対立の最前線となったウクライナ情勢を受け、世界資本主義は混迷を極め、再び戦争と革命が交錯する歴史的転換期を迎えている。2023年10月以降、イスラエルはガザのパレスチナ民衆を大虐殺すると同時に、中東各地へと戦争を拡大させた。2025年1月以降、トランプは関税を武器に世界各地を略奪し、米国の大都市を事実上の戒厳状態に追い込んだ。それは、暴力団が力を見せつけるかのような、帝国主義最強国による剥き出しの暴力行使であった。
 米国のトランプ政権は、弱体化する世界覇権を回復しようと、ベネズエラ侵攻やマドゥロ大統領夫妻の拉致、グリーンランドの植民地支配やカナダへの併合主張、イランに対する爆撃の脅迫、シリア政府によるクルド人集団虐殺への支持、キューバへのエネルギー封鎖、ガザ平和評議会の発足などを繰り広げた。中央アジア、アフリカ、南米などの国々では、中国政府による経済および資源の収奪が続いている。米中覇権競争が激化の一途を辿る中、自らの覇権強化を狙う無差別な企図が、世界各地の労働者・民衆を深い悲嘆と苦痛の淵へと追い込んでいる。
 過去4年間、近くは1991年のソ連崩壊以降、遠くは1945年の第二次世界大戦終結以降維持されてきた国際秩序の「規範」が次々と瓦解し、世界はかつてない深い混沌へと陥っていった。大国間の衝突はますます露骨に表出しており、戦争と虐殺はますます世界の人々の日常へと浸透している。衰退期の資本主義経済危機と帝国主義の覇権対決は、極右勢力と手を組み、各国の労働者・民衆を分断しながら抵抗を弱めようとしている。こうした世界の変化を「優雅な偽善の時代は終焉を迎え、剥き出しの野蛮な時代が到来した」と述べたある教授の表現が、近年の世相を的確に言い表している。
 米中覇権対決は、資本主義が抱える慢性的かつ構造的な蓄積危機の産物であり、同時にその危機をさらに加速させる要因でもある。2018年の本格化以降、米国は圧倒的な優位性をもって中国を圧迫し、その成長を阻止せんとした。しかし、時の経過とともに米中間の格差は着実に縮まっている。現在、ドル覇権と軍事覇権という決定的な両側面において、米国が明確な優位にあると要約できる。
3月1日
(「社会主義に向けた前進」より)
【次号へつづく】

朝鮮半島通信

▲金正恩総書記は3月26日、朝鮮を公式訪問中のベラルーシ共和国のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領と会談した。
▲李在明大統領は3月29日、済州島で済州島四・三事件の遺族と昼食会を開き、同事件の被害者の名誉回復と国家暴力犯罪に対する時効排除を行う意向を示した。

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