サムスン重工は労働者の差別的就業規則を撤廃せよ

チョン・ウンヒ

 他の造船所と同様、巨済のサムスン重工業でも多くの移民労働者が現地労働者と共に船を建造している。サムスン重工業民主労組は、事業場間の移動の自由を制限する、もう一つの「現代版奴隷制度」であるE―7―3ビザで入国し、共に船を建造する移民労働者への差別に立ち向かうため、雇用労働部に就業規則の公開を申請した。公開された「外国人労働者就業規則」は、搾取強化の野蛮さを如実に露呈している。
 
食事ごとの食費控除、寄宿舎費の4・6倍の賦課、差別を差別だと指摘すれば懲戒処分
 
 サムスン重工業民主労組は、「移住労働者差別の撤廃」を要求する横断幕を現場に掲げた。しかし、サムスン重工業の経営側は横断幕をすべて撤去した。それでもサムスン重工業民主労組は、移住労働者差別の撤廃に向けた闘争を止めなかった。労働組合は、サムスン重工業が移住労働者に別途適用してきた就業規則を確保して公開し、移住労働者により多くの食費と寄宿舎費を負担させる差別、また団体活動・集会・デモなどを懲戒事由として規定していたことを暴露した。さらに、サムスン重工業に対する特別労働監督と、全国の事業場における移住労働者への差別に関する全数調査を要求した。
 サムスン重工業で差別を受けている移民労働者の大半は、直接雇用の非正規労働者であるE―7―3熟練労働者たちだ。造船業の資本家たちは、高強度・低賃金労働に伴う労働力不足の問題を解決する代わりに、より低い賃金で熟練労働者を雇用しようと、政府に移民労働者の拡大導入を要求し、政府は資本の請願をそのまま受け入れ、「造船業種一般技能人材」(E―7―3)ビザを発給した。E―7―3は法務省が主管する外国人労働力導入制度であるが、E―9と同様に、移民労働者から事業場移動の自由を剥奪し、移民労働者の過酷な搾取を制度化しているという点で、その本質は全く変わらない。
 サムスン重工業は2024年4月から、E―7―3の移住労働者の直接雇用を拡大するにあたり、賃金や福利厚生を差別的に適用し、労働者の権利行使まで制限する就業規則を作成し、別途施行した。前述の通り、当該就業規則の問題は深刻だ。サムスン重工業は、船を建造する移住労働者の「人柄」を見極める必要があるとしている。定住労働者には無料で提供される朝食と昼食を、移住労働者には1食あたり3500ウォンずつ控除した。寄宿舎費も、韓国人は月額5万ウォンであるのに対し、移住労働者には月額23万ウォンを課した。また、賃金と時間外手当の算定期間をずらすことで、実際の残業や休日出勤の実績と支給額を照合しにくくしている。手当が漏れたり、未払いになったりする可能性は避けられない。さらに、基本給は「人物、能力、学歴、経験、職責、勤務成績」などを考慮した別途の基準に従って算定するよう定めた。そもそもここでいう「人物」が何を意味するのかさえ明確ではないが、これは結局、会社に対する服従の度合いを基準にしようという指針に他ならない。基本給の差別に留まらず、明確な基準のない評価によって不当解雇まで可能とされており、まさに「不当な契約」そのものである。さらに就業規則では、移住労働者に対し会社の事前許可がない政治活動や組合活動、サークル集会までも一律に禁止しており、これに違反した場合には会社側が恣意的に懲戒処分を下せる構造になっている。

サムスン重工業民主労組の声
 
 昨年末には、金属労組の巨済・統営・高城造船下請け支部が、サムスン重工業の外国人労働者に対する「安易な解雇、賃金の搾取、人権侵害」を公に問題化した。それにもかかわらず、会社側は何の改善もなしに、外国人労働者500人を追加で雇用するとのことだ。サムスン重工業は昨年だけで5400億ウォンを超える純利益を記録した。その中には、移住労働者から搾取した食費や寄宿舎費も含まれている。サムスン重工業はESG経営やDE&I(多様性、公平性、包摂性)経営を掲げている。しかし実際には、骨の髄まで搾取的で差別的だ。
 こうした実態を踏まえれば、サムスン重工業の民主労組が移民労働者への差別的な就業規則を告発し、雇用労働部に対して全数調査と厳正な労働監督を求めたのは、極めて正当な決定と言える。資本家が労働条件を不当に変更できないよう、労働部が就業規則を事前審査し、就業規則の改悪を拒否できるよう法制度を補完すべきだと要求したことも同様である。
 サムスン重工業の資本は、移住労働者に対する極度の差別と並行して、サムスン重工業民主労組の活動を弾圧してきた。親企業派の「サムスン重工業事務職労組」と団体協約を締結し、サムスン重工業民主労組の「追加団体協約」を拒否して労働者を分断し、労働組合幹部に対して様々な名目で不当な人事措置を講じている。
 移民労働者への差別と民主労組への弾圧は、コインの表裏である。資本家は国籍や雇用形態によって労働者を分断し、差別を助長する。そうして切り下げられた移民労働者の労働条件は、巡り巡ってすべての労働者の労働条件を押し下げる圧力として働く。定住労働者と移民労働者が国籍という壁を越えて、一つの労働者として団結したとき、資本の分断統治と過剰搾取に立ち向かうことができる。
 
移住労働者への差別を撤廃せよ! 連帯の声を組織しよう
 
 資本家は造船業の長期不況による被害を労働者に転嫁し、賃金と労働条件を後退させた。2014年には20万人を超えていた労働者が、2022年には9万人しか残らないほどの無差別な解雇と賃金削減の攻勢が繰り広げられた。その被害が下請け労働者に集中したのは当然のことだ。
 金属労組の巨済・統営・高城造船下請け支部の非正規労働者たちが「このままでは生きられない」と叫び、ストライキ闘争を通じて悪辣な資本の正体を世に告発したのも、このためである。LNG運搬船など建造利益の高い船舶をはじめ、船舶発注が回復し、造船業は再び好況期に入ったが、不況期の構造調整と賃金削減でボロボロになった現場を離れた労働者たちは戻ってこなかった。資本家は多段階の下請けと極度の低賃金、後を絶たない労働災害を全く改善せず、仕事を求めて必死に韓国に来た移民労働者を大量に押し込んでいる。
 今、資本家はあらゆる制度や方策を活用して移民労働者を過度に搾取している。労働部が主管する雇用許可制を通じて、法務部が主管する一般技能人材制度を通じて、さらには住居費を賃金に算入する賃金制度のような差別政策に至るまで、あらゆる手段を動員して移民労働者を搾取している。HD現代重工業では、直接雇用の移住労働者に強要された「不当な契約」や、ウズベキスタン人労働者に対する「人身売買」契約を含め、移住労働者全体に対する不当な差別が明らかになっている。ハンファオーシャンの巨済事業所では、豪雨で移民労働者の宿舎地下が冠水した際、対応が後回しにされて排水作業が大幅に遅れるなど、人権を軽視した露骨な差別も発生している。
 サムスン重工業の労働者たちが移民労働者への差別撤廃闘争を展開することになった背景には、HD現代重工業の移民労働者闘争が影響を与えたという。定住労働者と移民労働者が共に立ち上がり闘う姿や、現場で具体的な差別是正を成し遂げた事例に触れるにつれ、労働者の連帯をさらに押し広げていく必然性を痛感させられる。

移住労働者が解放されなければ、定住労働者も解放されることはできない

 肌の色による差別は、資本主義とともに形成された。近代資本主義の台頭以前、奴隷となるのは戦俘や被征服民、債務者など多岐にわたっており、「奴隷」という身分が特定の肌の色や人種と紐づいていたわけではなかった。
 資本主義の発展に伴い、人種的な分業と差別はさらに深刻化した。労働者を人種、出身、性別などに基づいて序列化する資本主義社会において、移民労働はより不安定で危険な労働として定着した。
 だからこそ、私たちはそもそも移民労働者を奴隷化する雇用許可制を廃止しなければならない。人種や出身による差別を禁止する差別禁止法を制定しなければならない。危険を外部委託し、移民化させる非正規雇用を撤廃しなければならない。労働者を序列化して差別する資本主義を撤廃しなければならない。
 マルクスは『資本論』の中で、「黒い肌の労働者に烙印が押されているところでは、白い肌の労働者も解放されることはできない」と述べた。これはもちろん、今も同様である。去る7月5日、HD現代重工業の正門前で開かれた「HD現代重工業の移住労働者に対する不当な契約の撤回!賃金削減の撤回!差別的処遇の中止!全国移住労働者共同行動大会」で、直接雇用のE―7―3ビザを持つスリランカ人移住労働者を代表して、チャリタ同志は「私たちは大韓民国において闘争するために来たわけではない。しかし、この悪質な企業の不当な威圧に屈することなく、私たちは自らの権利を守るために闘うべきだと決意した。」と述べた。サムスン重工業の場合と同様、この言葉はチャリタ同志だけの事情ではない。今こそ、移民労働者たちの正当な闘いに地元の労働者が応える時である。それこそが、あらゆる労働者の解放へとつながる道なのだ。
9月3日
(「社会主義に向けた前進」より)

朝鮮半島通信

▲金正恩総書記は10月19日、軽工業部門の被服・履物展示会場を視察した。
▲ソウル高裁は21日、2024年12月の非常戒厳宣言をめぐり、内乱重要任務従事や職権乱用などの罪に問われた元法務部長官の朴性載氏に対し、懲役9年の判決を言い渡した。

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