郵政産業労働者ユニオン はストライキで闘う

 3月28日、テレビのニュースを見ていたら、日本郵政の増田寛也社長が6月に退任し後任に日本郵便常務の根岸一行(54歳、現在東海支社長)を充てるという報道があった。数日前にゆうちょ銀行の顧客情報をリスト化し、流用した問題で、日本郵政グループ役員に処分が出た矢先の社長交替には驚いた。
 この間、日本郵便とヤマト運輸との協議が破たんし、今年に入ってからもゆうパック委託の違約金問題、飲酒運転での配達等の不祥事が続く中で25春闘は始まった。
 郵政産業労働者ユニオンは、25春闘を①全社員の大幅賃上げ(3万円)、②要員不足の解消、大幅増員、③長時間労働の是正、④職場の安全衛生、⑤非正規社員の処遇改善(時給200円賃上げ・最賃一律1500円)、特別一時金支給等の要求書を、2月14日に日本郵政グループ(簡保生命、ゆうちょ銀行、日本郵便)に提出し、3月12日を回答指定日とした。
 会社から3月13日に回答があり、正社員一人当たり1万円を原資として賃金改善、若年層、一般職、シニアに厚くし、全員にわたるベアは5000円、というもので、物価上昇に負けない賃上げとは程遠いものだ。時給制契約社員の賃上げはゼロ回答。とうてい納得できない回答であり、会社に対し再検討・再回答を求めたが会社は応じず、組合はストライキを会社に通告し、3月18日、全国19職場、55人の組合員がストライキに入った。

日本郵政グループの無責任な対応を批判

 「実質賃金は下がり続け、物価高騰で私たちの生活は困窮している。低賃金で働く非正規社員には深刻な問題です。日本郵政グループは、時給制契約社員の賃上げ要求に2007年の民営化以降、応えていません。25春闘においても応ぜず、処遇改善要求にも全く応じていません。
 こうした回答に対してストライキで闘いました」。今、日本郵便の職場は本当にひどい状況になっている。
 4月23日付の朝日新聞朝刊の1面に、「運転手点呼問題」の記事が掲載されていた。先ごろメディアで報じられている日本郵便近畿支社管内の多くの郵便局で運転手への法定の点呼が適切に行われていなかった問題で、日本郵便は4月23日、全国の郵便局約3200局のうち75%にわたる2391郵便局で不適切な点呼があったと発表した。
 同日行われた記者会見の場で、千田哲也社長は「点呼と運送がセットであるという認識が不足していた。経営者としてのガバナンスの欠如だ。かなり昔からやっていたように思われる。こんなもんでいいのか、と思って慣行化してきた」という趣旨の話をして謝罪した。今回の点呼問題は現場の管理者の責任問題ではなく、これまで要員不足に対して増員せず、コストダウンをしてきた経営者の責任は大きいと思った。管理者をふくめて郵便の現場で働く人たちが安心・安全に働ける職場をつくることが経営者に問われている、と感じた。
       (YK)

ストライキ決行・日本郵政本社前集会(3.18)

3.18ストに入った呉郵便局支部

週刊かけはし

購読料
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009  新時代社