6・3国会がんばれ!~再審法改正は国会の手で~

豪雨の中、国会に向けてアピール
えん罪被害者、国会議員、各界の人々が参加

 【東京】6月3日午後2時半から、国会議事堂正門前で「国会がんばれ!~再審法改正は国会の手で~」行動が行われ、450人が参加した。「あなたがもし『えん罪』に巻き込まれた? えん罪――それは私たちの身近な問題です。今、国会で与野党の過半数以上が参加する超党派のえん罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟が議員立法をめざしている。6月22日には国会の会期末が控えている。法案を成立させるためには、まったなしになっている。何としても今国会で法案の成立をめざして国会行動が取り組まれた。ずっと激しい雨の続く中、えん罪被害者、ジャーナリストや評論家など各界の人々、各政党・国会議員、日弁連など法曹界の人々が渾身の力を込めて訴えた。

石川早智子さんが訴え 
 えん罪被害者で第三次再審を闘っていた石川一雄さんの妻の石川早智子さん(狭山事件)が最初に、石川一雄さんが亡くなり、一雄さんの意志を継いで第四次再審を起こしたことを報告し、何としても再審法の改正を求める発言をした。
 佐高信さん(評論家)は「袴田巌さんには間に合ったが、石川一雄さんには間に合わなかった。日本という国が石川さんを殺した。国家が殺人をする。死刑制度を残している世界で恥ずかしい国はこの日本だ。再審についてきちっとならない」と痛烈に批判した。
 逢阪誠二さん(立憲衆議院議員)が議員立法として何としても実現させたい、とあいさつ。もとむら伸子さん(共産党衆議院議員)、大石あきこさん(れいわ新選組衆議院議員)、福島みずほさん(社民党参議院議員)など国会議員が連帯のあいさつをした。
 鎌田慧さん(ルポライター)は「検事が証拠を隠している。追及して追及してようやく証拠が出てきて袴田さんが無罪になった。再審が開始し無罪判決が出ても、検察が抗告する。これは腹いせでしかない。こういうことがまかり通っている」と法改正の必要性を話した。
 落合恵子さん(作家)、神田香織さん(講談師)、金聖雄さん(映画監督)、片山明幸さん(部落解放同盟埼玉県委員長)が話し、そして朴保さん(ロックボーカリスト)が歌を披露した。

えん罪当事者が自らの体験の中から

 最初に、30年前大阪東住吉事件で、無罪を勝ちとった青木惠子さんが発言。
 「私は1995年7月22日に、家が火事になりそこで大事な娘を亡くして、悲しんでいる間もなく、犯人だとして逮捕された。私の場合は20年で再審で無罪になり社会に帰ってこられた。国賠も大阪府警の取調べがひどいということで勝利した。しかし、その刑事に『いまでも犯人だと思うか』と尋問したが、平気に『はい、思います』とはっきり言った。あの人たちの腐った組織はどうしようもないと自分が逮捕されて初めて知った。えん罪がすごく憎い」。
 布川事件の先日亡くなった桜井昌司さんのお連れ合いの恵子さんの報告の後、足利事件の菅谷利和さんは取り調べた刑事・検察が今でも誤っていないことに、絶対に許せないと怒りを爆発させた。救援静岡・清水の会の山崎俊樹さんが袴田事件の再審無罪を勝ちとるにあたって、警察の隠し持つ証拠の開示が決定的だったことを明らかにし、証拠開示を再審法で義務付けることの必要性を訴えた。
 栃木県今市市で小1女児を殺害したとして、殺人罪などに問われ無期懲役が確定した勝又拓哉さんの母親が勝又さんの無実と再審法の改正を訴えた。
 元検察官かつ冤罪加害者としての立場から、日本の検察組織の病理を批判する言論活動をおこなっている市川寛さんが発言(別掲)。鴨志田祐美さん(日弁連再審法改正推進室長)が法案作成の最後の段階にきていること、絶対に再審法を実現しようと訴えた。その後、全員でプラカードを掲げて国会に向けてアピールした。   (M)

「今国会で再審法改正を」渾身の訴え(6.3)

元検察官の市川さんの発言から

検察官を変えるためには

 私は検察官を12年9カ月やっていた。日弁連の再審法改正実現本部で再審法改正のために力を尽くそうとしている。検察のものの考え方として、在任中に一度もえん罪ということを聞いたことがなかった。それはなぜか、検察庁が表に出す事件、起訴する事件にえん罪はないからだ。なぜ信じているのか。それは起訴しているからだ。起訴した事件にえん罪はない。えん罪のない事件だから起訴にしている。これをかたくなに信じているのが検察だ。
 なぜこのようなものの考え方をするのか、理由が二つある。まず検察は法律家の一翼を担っているのが建前だ。その実態は犯罪捜査官だ。つまり、警察と同じ目線の高さだ。警察を監督すべき検察官だが、実際は警察に使われていた。起訴をする前の段階で、こういう建前を本気で思っている。被疑者・被告人に有利な証拠、つまり無罪になるかもしれない証拠も分け隔てなく集め、法律家として公明正大に吟味し、絶対に有罪だと信じないと起訴しないというふうに思い込んでいる。そして決裁と複数の上司のチェックを受けた上でないと起訴することはできない。チェック機能は万全なのだというのが建前だ。
 このような仕組みを持っている検察は起訴した以上有罪になる。こうした循環論法のために、自らにも足枷をかしている。このような腐ったものの考え方は検察にいればいるほど、幹部になればなるほど、しみわたる。これがオカシイと思った人はやめていく。なので検察を変えるためには、法務省が関与している法制審などを通すのではなく、国会によって議員立法の力でやるべきだと確信している。微力ながら力を尽くしたい。(発言要旨、文責編集部) 
 
 

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