5・3おおさか総がかり集会に四千五百人が参加

憲法を生かして
日本とアジアの平和を

 【大阪】5月3日、大阪市内の扇町公園で「輝け憲法! 平和といのちと人権を! おおさか総がかり集会」が開催された。雨模様の中、府内各地域から労働者・市民が思い思いのバナー、ステッカー、デコレーションを持ち寄って集まり、会場はほぼいっぱい。昨年よりかなり多い。参加者は四千五百人(主催者発表)。高市政権の下で猛烈な勢いで進む戦争体制への準備と、改憲の動きに対する危機感の広がりが実感できる。

 オープニングは和太鼓サークル『晴嵐(せいらん)』の演技。南河内地域で働く仲間が仕事の合間に集まって練習し、ボランティアで演奏活動を続けている。ズシンと響く音と、リズミカルで力強いバチさばきで会場の一体感が高まる。
 司会は市民連合高槻・島本の二木(ふたき)洋子さん。開会挨拶は大阪憲法会議・共同センターの丹羽徹さん。「高市首相は4日前に『昭和100年記念式典』に出席したが、政府が今やるべきことは昭和の連続性の中で新しい憲法の制定を進めることではなく、今年から来年にかけて、憲法公布・施行80年をどう総括し、どう進むのかを議論することだ。高市政権がやろうとしていることは、平和憲法を投げ捨てて、戦争準備どころか戦時体制づくりに邁進することだ。今日は右翼が会場外で妨害しているが、集会とパレードを最後まで頑張りましょう」。

9条は戦争の悲惨な経験から、戦争のない世界を目指す宝物

 メインのスピーチは前川喜平さん(元文部科学事務次官)。「No Place For Hate(ヘイトが許される場所はない)」と大書きされたTシャツで会場まで歩いて来て、そのまま登壇した前川さんは、昼食で立ち寄った食堂でのエピソードから語り始め、緩急自在に憲法をめぐる論点の核心テーマを浮かび上がらせた。
 ①高市首相は子供のころから、父母から教育勅語を教えられ、大日本帝国の時代の日本をモデルに改憲を主張してきた根っからの復古主義。
 ②時代の変化に合わせて良い方向に改憲するなら賛成だが(たとえば、議会の解散権を制限する、人権に関する規定を日本在住の外国人にも適用するなど)、高市首相の改憲は古い時代に戻そうという改憲だ。良い方向の改憲なら人民の中から、そういう要求や提案が出てくるし、そうなったときに改憲すればよい。現在の議論はそのような状況にはない。
 ③「現行憲法はアメリカに押し付けられたものだ」と言われるが、そんなことはない。憲法制定までの経過をきちんと理解するなら、憲法の平和条項の骨子は、軍国主義の危険を身をもって経験してきた日本の政治家たちの中から提起されたものであり、戦争を違法化するという人類の願いの最先端に位置するものだということがわかる(そもそも米国の憲法にモデルとなる条項など存在しない)。だから憲法は日本の宝であり、日本だけではなく世界にも進むべき道を示していると言える。
 ④今日のポテッカーに「いかそう憲法」と書いてあるが、実際に憲法は活かされた。高市首相が訪米した時、ある雑誌によると高市氏は本当にホルムズ海峡に自衛隊を派遣するつもりだった。ところが憲法上の制約ということで、トランプは自衛隊の派遣を求めなかった。自衛隊は9条によって救われた。高市氏の取り巻きでさえ、高市氏の暴走を必死で止めた。それも9条があったからだ。
 ⑤自民党という政党は、もともとは改憲派ばっかりではなく、この集会に参加していてもおかしくないような護憲派もたくさんいた。元幹事長だった古賀誠氏も「9条は世界の宝だ」と発言している。実際、世界中の国が「9条」に倣って武力を放棄したら世界平和の実現が近づく。ところが、そうなっては困る人たちもいる。軍需産業やそこから多額の資金をもらっている政治家たちだ。この人たちの力がどんどん大きくなって、今では軍事産業を経済成長の柱にするというようなことになっている。
 前川さんは「こんな危険な高市政権はやめさせなければならない。そのために私もいろんな集会やデモに参加している。今日も最後までみなさんと一緒に歩きたい」と結んだ。

憲法を活かす地域での取り組み


 次に「市民スピーチ」として3つの団体の代表が地域での活動の報告と、具体的な課題についての呼びかけをした。
 「交野憲法とくらしを考える会」からは京都府南部・精華町にある祝園(ほおぞの)の自衛隊施設での弾薬庫建設に反対する運動のようすを寸劇で紹介し、関連する課題として舞鶴でのトマホーク配備計画に反対する5・31現地集会への参加・連帯を呼びかけた。
 大阪労働弁護団所属の谷次郎弁護士は、自民党と日本維新の会の連立合意12項目に明記されている「インテリジェンス・スパイ防止関連法制(基本法、外国代理人登録法及びロビー活動公開法等)」、「国家情報局設置」等の狙いについて、個人のプライバシーの侵害や市民の自由な言論活動への規制が無制限に可能になり、逆に企業や政府機関が機密に指定した情報にアクセスできないため市民からの監視や批判が難しくなることを指摘。この動きを止めないと大変なことになると訴えた。 大阪労連の嘉満(かま)智子事務局長は憲法25条が守られていない現実について、特に最低賃金の引き上げや長時間労働の規制を求める切迫した声を紹介し、また、教育・医療・自治体などの労働現場で戦争協力を拒否する闘いを作り上げ、労働者の生活と安全を守るために憲法を守るだけでなく活かしていくことを訴えた。
 政党からの連帯挨拶では、れいわ新選組前衆議院議員の大石あきこさん、立憲民主党大阪府連幹事長の野村いくよさん、日本共産党衆議院議員のたつみコータローさんと元衆議院議員清水ただしさん、社会民主党の参議院議員のラサール石井さんと前参議院議員大椿裕子さんが登壇して、それぞれの決意を語った。
 「とめよう改憲!おおさかネットワーク」共同代表の山本健治さんによる閉会のあいさつののち、参加者は中崎町コースと裁判所コースにわかれて市民パレードを行いました。
    (大阪支局A)

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