2025憲法大集会・東京

未来は変えられる!
戦争ではなく平和なくらし!

東京・有明防災公園に3万8千人が参加

 【東京】5月3日午後1時より、東京・有明防災公園で、「2025憲法大集会」が、平和といのちと人権を!5・3憲法集会実行委員会の主催で開かれ、前日の大雨もあがり晴天の広がるなか、3万8千人が集まった。

改憲の危機をはね返す力の拡大へ

 オープニングで「公園でchillさん」と小笠原もずくさんが「さよなら自民党政治、黙って見ていてはいけない。性暴力反対、男性中心社会なんていやだ」とメッセージソングで思いを発信した。
 本集会で、菱山南帆子さんが主催者あいさつ。
 「憲法集会を共同でやるようになり10年になる。改憲の危機があったが市民運動がはね返してきた。台湾有事が煽られ、沖縄での軍事強化が進められ、米兵らの性暴力が起こされている。戦争と性暴力は一体だ。世界ではイスラエルによるガザ虐殺やウクライナ戦争があり、トランプの登場による世界的な危機が広がっている。そうした流れに対して、韓国での非常戒厳令を跳ね返した闘いや女性たちの連帯とパワーによる反撃が起きている。憲法をもって、平和を作り出そう。新署名を始めたので協力してほしい」。

憲法の原則を守ろう

 植野妙実子さん(中央大学名誉教授・憲法学)さんは、「身体や思想が違うのは当たり前で、個人を尊重し共生する幸せな暮らしをするのが大切だ。それには平和が前提で、『国民主権』『基本的人権の尊重』『平和主義』の三つの憲法の原則が大事だ」と話した。

核兵器も戦争もない社会めざして

 ノーベル平和賞を受賞した被団協の田中熙巳さん(日本原水爆被害者団体協議会・代表委員)は、「世界に核兵器が1万2千発あり、そのうち4千発は今すぐ発射できる状態にある。ロシアやイスラエルは戦争で核の脅しをしているし、核保有国のインド・パキスタンが国境紛争を起こしている。核戦争の危機が訪れている。核兵器も戦争もない社会をつくろう」と訴えた。

参院選に向けて

 古賀茂明さん(政治経済評論家、元経済産業省官僚)は、「平和を作るには世界中の市民がつながり平和を守ること。とりわけ、中国と日本が中国を攻めることはないと、話をして中国との関係を安定化することが大事だ。もうすぐ参院選があるが、自民党政治を終わらせるために参院選も行うべきだ。野党に不信任案を出せとせまるべきだ」と語った。
 次に、政党・会派からのあいさつでは辻元清美さん(立憲民主党代表代行)、くしぶち万理さん(れいわ新選組共同代表)、伊波洋一さん(沖縄の風代表)が発言した。
 続いて市民連合の佐藤学さん(東京大学名誉教授)が、「日本の軍備費が5年間で43兆円にもなり、世界8位から5位になる。戦争ができる国からする国になろうとしている」と発言した。
 リレートークでは、沖縄─崎浜空音さん(慶應義塾大学法律学科4年)、ジェンダー─高井ゆと里さん(SRHR市民社会レポートチーム/発言別掲)、国際連帯─高橋千絢さん・源島菜月さん(日本国際ボランティアセンター)が発言。

パレスチナ人の自由のために立ち上がろう

 高橋千絢さん・源島菜月さんは、ガザ地区とパレスチナ西岸地区の二人のパレスチナ人のメッセージを紹介した。
 「今考えていることは生き残るだけだ。自分だけでなく家族全員の命が危ない。食べ物についてはほとんど存在しない。ぼくの体重は15㎏ぐらい減った。薬も医療もないので、病気にならないように毎日祈っている。最も恐ろしいことは行き場もなく家を追われることだ。緊急に平和を望んでいることは確かだ。ただ平穏に暮らしたいだけだ。ぼくは人間だ。人間として生きたい」。
 「イスラエル軍による攻撃が再開され、いまこの瞬間も続いている。3月から2カ月間食料・水、医療品などすべての人道物資の搬入が遮断され、人々は飢餓や医療崩壊に直面している。ガザはいまが最も深刻な状況だ。ヨルダン西岸地区でも侵攻が激化し、まるでガザのような破壊が進められている。4万人ものパレスチナ人が避難を強いられ、襲撃が急増している」。

日本政府は介入せよ

 さらに西岸地区ジェニンでのパレスチナ人からのメッセージを紹介。
 「日本の人々と政府へのメッセージ。あなた方は第二次世界大戦中、ヒロシマとナガサキへのアメリカの原爆によって壊滅的な経験をした。あなた方は8回分の原爆と同じ量の爆撃を想像できるだろうか。77年にもわたる痛みと苦しみは私の民族に対する虐殺を止めるのに、まだ十分ではないのでしょうか。6万人の殺害と12万人の負傷ではまだ十分ではないのでしょうか。原爆という悲惨な経験をした日本は平和と正義、そしてパレスチナ人の自由のために立ち上がる時ではないだろうか。
 いまこそ日本政府はパレスチナ人の自由のため、そして私の民族に対する追放計画を止めるために、介入するべきではないか。私はベニンをはじめ、ヨルダン地区西岸地区の南部の難民キャンプで起きている虐殺を止めるために、あなた方が行動を起こすことを呼びかける」。
 最後に小田川義和さんが行動提起した後、都内をデモ行進した。
        (M)

高井ゆと里さんの発言

ジェンダー平等の実現を

 私たちは昨年、国連女性差別撤廃委員会による日本審査に参加した。SRHR性と生殖に関する健康や権利について、もっと学校で実りのある包括的な性教育をすべきだ。日本国憲法をジェンダー平等を実現するために生かすべきだ。
 私はトランスジェンダーだ。生まれた性が間違ってしまった。死んでしまいたいと思っていた。今でこそこうして自分の生活と人生を取り戻したがまだまだ私たちの取り巻く環境は厳しい。SNSで私たちに対する罵詈雑言が飛んでくる。
 2023年10月25日、日本の最高裁判所は、『性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律』の3条1項4号(生殖不能要件)が憲法に違反するとの判決を下した。これは、トランスジェンダーが戸籍上の性別を変更する際に、生殖機能を失わせる手術を強制する規定に関するもので、最高裁はこれが憲法13条に違反し、無効であると判断した。
 そのおかげで私たちは精巣や卵巣を手術で失わなければならないという条件から解放された。私たちの人権を憲法は守ってくれた。人権の理念を闘いをつらなるためにここにきた。
 ポピュリスト政治家が大きな権力を手に入れ、普遍的人権の理念をもろともしないような政策が押し進められているアメリカを始め、世界中を覆っている。こんな時代だからこそ、私たちは日本国憲法を人権の普遍さを分かち合わなければいけない。
 恥ずかしいことに日本政府は昨年女性差別撤廃委員会が皇室典範に言及することをもって、委員会のおカネを使わせない、女性の専門家を日本に来させないとか、そのような愚かな判断をした。今やるべきことはそんなことだろうか。ジェンダー平等を求めることだ。

2025憲法大集会(有明防災公園)

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