7.26「特定利用空港・港湾」について考える学習講演会
日本列島総軍事要塞化に反対しよう
軍事利用が進められる関西の空港・港湾
【大阪】7月26日、エル大阪で「特定利用空港・港湾」について考える講演会が、百余名の参加で行われた。呼びかけ団体は「伊丹空港の軍事利用に反対する自治体議員ネットワーク」「とめよう改憲!おおさかネットワーク」「しないさせない戦争協力ネットワーク」「全港湾大阪支部」の四団体。講師はャーナリストの布施悠仁さん。
今年の4月までに全国の57の空港・港湾が「特定利用空港・港湾」となっており、関西では唯一和歌山県の南紀白浜空港が指定されている。しかし現在、「関西国際空港」「大阪(伊丹)国際空港」「神戸空港」「堺泉北港」「姫路港」「舞鶴港」が「特定利用空港・港湾」の候補として検討されていることが明らかになっている。
そして、南紀白浜空港では昨年10月、自衛隊のF―15戦闘機の連続離発着訓練=タッチ・アンド・ゴー訓練が行われた。旅客機の騒音は70~80デシベルだが、戦闘機は100~120デシベル、タッチ・アンド・ゴー訓練ではさらに凄まじい騒音が出る。
台湾有事の際に、アメリカ軍は日本の空港・港湾を自由に使う
布施さんは「日本のこの間の大軍拡路線は、台湾有事の際にアメリカと一体となって軍事行動を行うことを前提として組み立てられてきた」とまず語った。
次に、「2022年12月の岸田内閣の国家安全保障戦略では、インフラ管理者(地方公共団体)との間で円滑な利用に関する枠組みを設けた空港・港湾を特定利用空港・港湾とし、民生利用を主としつつ、自衛隊・海上保安庁の艦船・航空機の円滑な利用にも資するよう、必要な整備または既存事業の促進を図るという方針が盛込まれた。これを具体化したのが今回の特定利用空港・港湾制度である」と、明確に分析した。
そして、「国とインフラ管理者との間で円滑な利用に関する協定を結ぶと、インフラ管理者は自衛隊や海上保安庁の艦船や航空機が空港・港湾を訓練等で円滑に使用できるように協力し、国は滑走路を延長し、クルーズ船や大型自衛艦が着岸できるよう港湾の整備をするという制度である」と、説明を加えた。
この後、布施さんは「戦後、日本政府が空港・港湾の管理を地方自治体に任せたのは、港湾を国が一括管理すると戦争がしやすくなるという反省からだった」と語り、それが米軍の軍事戦略の下で変えられていった過程を語った。
そして、「日本の民間の空港・港湾を軍事利用するという方針の背景にはアメリカの台湾有事の際の対中軍事戦略がある。日本は中国のミサイルの射程圏内であり、対中戦争が起きた時に、被害を抑えるために米軍を全国に分散駐留させたいのである」
「従来、米政権は台湾有事に関してはあいまい政策をとってきた。しかし、バイデン政権は介入すると明言した。台湾有事が起きた時には、アメリカは台湾を防衛するから、日本も一緒にやれというわけだ」と、高市政権になって一層顕著になってきた日本の大軍拡路線の背景を語った。
アメリカの対中融和策で梯子を外された日本の軍拡路線
しかし、「第2次トランプ政権になると、トランプは中国を抑え込むよりも、協力した方がアメリカの利益になると言い始めた。国防総省の国家防衛戦略という文書の中には米国にとって有益で、中国も受け入れることができる米中が共存する健全な平和は可能だという表現さえ出ている」
「アメリカは中国とうまくやっていくことにした。とすれば、日本も対中政策を変えなければならない。しかし、高市政権は軍拡路線を変えない。アメリカの対中政策が変ったのに、日本が台湾有事を想定した軍拡をこのまま進めれば、中国との緊張は高まる。不測の事態が起きるかもしれない。その時、アメリカは助けてはくれない」
「日本は中国より強い軍事国家にはなれない。そんなことをすれば、日本の経済は破綻する。また、これからはアメリカ追随の安全保障は通用しない。仮に中国が脅威だったとしても、軍事力ではなく、外交力や経済的な協力関係を強化することで戦争を防止していく以外ないと思う」と講演を締めくくった。
この後、全港湾大阪支部、米軍のXバンドレーダー基地に反対している京丹後市議の永井さん、神戸港の軍事使用を許さない会、伊丹空港の軍事利用を絶対止める会等のアピールを受けて講演集会を終えた。 (O)

軍事利用される「特定利用空港・港湾」に反対しよう
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