4.5 25けんり春闘第2波統一行動

春闘本番へ 闘いを宣言

安心できる生活を闘いでかちとろう

 【東京】4月4日、25けんり春闘全国実行委員会呼びかけの下に、同春闘第2波統一行動が行われ、主催者発表で150人の労働者が終日の行動を展開した。

連合大手の「好調な」回答が大々的に報じられた後、マスメディアの春闘報道はすっかり小さくなった。しかし、日本の労働者の圧倒的部分を占める中小・非正規労働者の春闘はこれからが本番なのだ。それは、連合傘下の中小労組でも変わらない。けんり春闘のこの日の行動はこの本番をめがけて設定された。

日本経団連前から抗議・要請行動

 先ず、午後1時からの日本経団連前スタート集会を皮切りに、3つの争議に関し当該事業所・当局に対する抗議・要請行動が連続的に取り組まれた。具体的には、全国一般東京労組による日本バウアーにおけるパワハラ・不当労働行為追及、全国一般ケアワーカーズユニオンによる厚労省申し入れ・要請行動(山紀会の介護事業所閉鎖・不当労働行為)、神奈川シティユニオンによるJA「全国農協中央会」に対する外国籍労働者への労災・損害賠償請求と不誠実団交の追及。
 続いて午後6時半からは、日比谷コンベンションホールを会場に先の行動を集約し本番に向けた意思統一を図る中央総決起集会が行われ、最後に銀座デモで生活破壊を許さない闘いを沿道の人々に呼びかけた。

基準法改悪ノー
最賃大幅増額!

 日本経団連前では先ずけんり春闘共同代表の渡邉洋全労協議長が、連合大手の賃上げ回答に光が当てられている陰で、重大な問題がいくつも見過ごされている、と指摘した。運輸・建設の労働時間規制発効から1年の実態、介護・医療の危機、隙間バイトという労働基準法の抜け穴、移住労働者の今も続く差別的処遇、などだ。そしてそれらを下支えする形で日本経団連の要求による労働基準法改悪策動が進んでいることを示し、それを許さない確固とした闘い、さらにインフレに抗する全労働者の生活防衛に向け、全力を挙げた最賃引き上げの闘い、を特に重要な闘いとして呼びかけた。
 それに応え東部労組の代表は、日本経団連の思い通りにはさせない、取られたものは闘いで取り戻す、と日本経団連に向け力強く宣言した。東水労の仲間は、能登地震の復旧作業の中で公務人材の不足を痛切に実感した、と先ず語った。そして現在進められている公務の民間委託・労働条件劣悪化がその不足を悪循環的に加速していると指摘し、技術継承の危うさ克服も含め、安心できる水の供給のためには安心して働ける職場が絶対必要、人を大切にし人への投資に向かう社会を闘い取ろうと呼びかけた。
 ケアワーカーズユニオンの代表は、このところ持ち上げられている「ビジネスと人権」なる理念を取り上げ、それが労働者から強制されたものであることを指摘、資本自体はそれを守る気は皆無だとして、その総本山の日本経団連を厳しく批判した。そして介護こそ人権が中心になければならないが制度はそうなっていない、ズルした方が利益になると実態を述べ、それに抗する労組を事業ごと潰そうとしている山紀会との闘いに支援を訴えた。
 さらに脱原発運動から原発再稼働にのめり込む日本経団連を糾弾する発言を受け、全体はシュプレヒコールと団結ガンバローでこの場の行動を集約、直ちに次の3つの連続行動に移った。
 そのひとつの厚労省行動では、ケアワーカーズユニオンの代表を含むけんり春闘代表と厚労省が行った事前の話し合いが報告された。そして、不当労働行為に関しては、厚労省は関知する立場にないとの形式的対応に終始したとはいえ、訪問介護報酬切り下げについては、小規模事業所の苦境をこの10年ではじめて認め、大規模事業者優遇の加算方式への批判にも否定はなかった、と明らかにした。

格差と差別への
闘い推進さらに

 締めくくりの中央総決起集会では、けんり春闘共同代表の中嶋由美子全国一般全国協委員長による、物価高騰やトランプ関税が内包する格差拡大の力学をはね返す闘いを、との呼びかけに続いて、当日展開された3つの争議行動が当該の労組から報告された。
 先ず東京労組の闘いでは、重機メンテナンス企業の日本バウアーによるパワハラを受けている労働者が、この日の行動で一層闘いに確信を持った、と今後の闘いへの決意を明らかにした。またバス部会の労働者からは、昨年から始まった労働時間規制に依然穴がある実態が明らかにされ、それをふさぐ闘いが必要と訴えられた。
 ケアワーカーズユニオンからは、前述の厚労省の対応が報告されると共に、労働者をなめる会社は利用者もなめるとの鋭い指摘が行われ、そのような会社である山紀会の労組潰しとの闘いをさらに進めることへの一層の支援が訴えられた。
 神奈川シティユニオンは、JAが労災原因説明を行わず、依然労働者に責任を押しつけていると批判、移住労働者への差別を許さない闘いを緩めてはならないと力を込めた。そして結集した同労組メンバー全員が壇上に登り、ラテンアメリカの闘争歌を力一杯披露、集会を一気に盛り上げた。
 この集会の中で集会参加者はこれらの闘いを全体で共有、翌日のケアデモなどの行動提起を確認し団結ガンバローで意思統一した後、さらに闘いを進める決意を込め直ちに銀座デモへと繰り出した。
(神谷) 

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