4.5ケアデモin上野
訪問介護報酬引き下げ撤回!
介護は大ピンチ 怒りの声を
【東京】4月5日午後、崩壊の危機にある介護システムの立て直しを求める声を上げようと呼びかける「4・5in上野」が行われた。主催は同デモ実行委員会で、昨年10月19日の新宿デモに次ぐ第2弾。
この日は先ず、JR上野駅広小路口前広場でアピール&スタンディング、その後上野公園湯島口に移動し、そこから上野駅南側の商店街を一周するデモが60人の参加(主催者発表)で行われた。
介護システムの危機に抗して
昨年多くの反対を押し切って厚労省が強行した訪問介護報酬切り下げは、特に地域密着型の小規模な訪問介護事業所の経営とそこに働くヘルパーの生活に破壊的な影響を与えている(本紙3月24日号に関連記事)。介護システムが直面しているこの危機的状況はようやく大手メディアも報じ始めた。たとえばNHKは、4月7日午後7時のニュースで、訪問介護事業所の倒産が500件を超えたと報じ、それを受け厚労省も新たな報酬「加算」の仕組みの検討に入ったと伝えた。
今回第2弾となったケアデモは、多くの人に現状を知らせようと、この危機の矢面に立つ当事者が自ら立ち上がった行動だ。上野駅前のアピールでは、介護ヘルパー、介護を受ける障害者、高齢者が駆けつけ各々プラカードを掲げスタンディング、何人かがマイクを握り丁度晴れ上がりごった返す人波に切実な訴えを届けた。
たとえば持続不可能な介護報酬を決めた政府の責任を問う国賠訴訟を闘った原告は、介護の危機にやむにやまれず裁判を行った思いを語り、このままでは訪問介護の担い手がいなくなり介護が立ちゆかなくなる、元気なうちに声を上げようと呼びかけた。
軍事費よりもケアの倍増を
ケアワーカーズユニオンの代表は、先ず厚労省が打ち上げ始めた「加算」について、それではダメ、ベースでなければ役に立たないとはっきりさせ、具体的な事例を挙げながら、手間をかけず良心的でない方が利益になる現在のシステムそのものを変え、人権を真ん中に置くものにしなければならない、と訴えた。
満開の花見客で大混雑の中移動には時間がかかったが、工夫を凝らしたコールを元気よく響かせ、「ドリフの大爆笑ケアデモVer『介護の大崩壊』」という替え歌も交え、デモも予定通り力一杯行われた。
途中Uチューバ―かと思われる若者3人組が段ボールに殴り書きしたような急ごしらえを伺わせるプラカードをもって飛び入り、ビデオカメラを回して最後までデモをやり切るというできごともあった。デモでは急がせるのが通例の警官が、急がなくていい、と誘導していたのも珍しかった。
「あなたの家に ヘルパー来ない ケアはインフラ 命に直結 コスパ・タイパで 測れません」、「あふれるケアで 故郷をうるおせ 所得保障と 人員配置! 軍事費よりも ケアの倍増!」、今回のコールの一部だが、現在の介護システムの問題を鋭く突き、立て直しの方向を明快に示している。
介護の危機は厚労省も半ば認めざるを得なくなっている。草の根から声を高める行動を共に支えよう。 (神谷)

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