池田実さん(前伝送便編集長)へのインタビュー①
郵政現場はどうなっているのか
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郵政4・28被解雇者で、「伝送便」の元編集長であった池田実さんに、「伝送便」の役割や不祥事が続く郵政はどうなっているのか、また池田さんが福島第一原発の除染現場で働いた経験についてもインタビューした。(「かけはし」編集部)
郵政交流誌「伝送便」について
――「伝送便」はいつ、どのようにして生まれたのですか。
1978年7月に創刊しました。きっかけは組合の「連合」ができるというので、今まで全逓と言う労働組合があったが、それをなくして全郵政という当時同盟系の組合と総評系の全逓がくっつくという流れがあった。それに対して、全逓内の反対派が結集するために作られた。1970年代のスト権ストのあたりからずっと全国の仲間によって交流があったが、一つの流れを作ろうと交流誌・雑誌が必要だとして出来たのが「伝送便」です。
――組合の機関誌ではない?
組合の機関誌ではないです。全逓活動家連絡会の機関誌・雑誌として創刊した。
――組合ではないということは非組合員にも参加してもらうという意図があったのですか。
ほとんど全逓でしたが、組合とは別の活動家グループとしての雑誌です。
――創刊時はどれくらいの部数でしたか。
当時は300部くらいだった。広島、長崎、大阪などの拠点の人に配り、そこから地域に広げた。
――内容はどんな感じでしたか。
連合に対してどうするか。全逓の活動家はどうあるべきか。1978年以降ですけれど。全逓にこのままいて、果たしていいものかどうか。全逓を抜けて新しい労働組合が必要ではないかという話が80年~90年にかけてあった。その大きなきっかけになったのは創刊の翌年1979年に反マル生越年闘争に対する4・28処分があって私も首になりました。
全逓がやった78年暮れから年賀状を飛ばしてやった闘い(反マル生越年闘争)、その犠牲者ということで、全逓は当初、人事院闘争・裁判闘争を組織をあげて支援したが、大きな連合(組合)の流れの中で、郵政省に対して闘いを収束させていった。最終的には提訴を取り下げることになった。そうした動きが80年以降強まっていって、こういう全逓ではどうしようもない、新しい組合を作ろうと、大阪はじめ全国でできてきて、それを糾合した。全逓の組合は4・28闘争支援しないので、独自で支援しようということが一つの底流としてあった。伝送便の読者の中で広めていった。
――伝送便が4・28闘争を支え、大きな役割を果たした。
そういうことです。
――4・28闘争は最終的に勝利した。
勝利するまでに最終的に28年かかった。2007年です。79年に首になり、28年ぶりに私も赤羽郵便局の集配に戻れた。こんな全逓ではだめだと、伝送便を中心とした全国のいろいろな80年から90年代には各地で独立組合ができた。独立組合の仲間たちが物資販売だとかカンパ、集会だとかで支えてくれたのが大きな力になった。
――伝送便を作るメンバー何人くらいですか。
実務は東京に限られる。当時は製本、手作りでみんなで人力でやった。発送も全部やって。印刷も外注はしていたが、印刷ができたものをみんなで帳合した。当時も24頁くらい。それからどんどん増えていって、千部を超えるようになっていった。
――中身は今みたいに文化欄などもあり、いろんな題材を扱っていたのですか。楽しいと言うか繋がっている。
最初は今から思えば固い。書き手が理論家ではないけど、文章も長かった。2~3頁の論文みたいな、「こうしよう」というようなそういうのが多かった。そこから時代の流れとして、いろんな人に書いてもらう、現場の声をということで広がっていった。
――編集長は?
編集長は初代は吉野さんがやっていて、100号からは私が編集長を引き受けた。ぼくの時から始めたのは「おじゃまします」欄だ。全国の読者の顔付で紹介。最初はこんな顔出して向こうに知らせることになり大丈夫かという声もあった。今500号超えても、「おじゃまします」は欠かさず、出ているのがすごい。出たいという人もいる。そういうことで顔の見える雑誌にしよう。上から方針を打ち立てるというのでなく、みんなの手作りことで、いろんな自分の言いたいことを言う場にしよう、ということでやっている。
運動誌という側面もあるし情報誌もあるし交流誌。後は文化誌という面もある。そういうごっちゃにした感じです。そんなことで今も続けている。
――書いてもらう人にお願いして原稿集めているのですか。
そうです。話すのはできても書くのはたいへん。職場のことやその他の何でも良いからと頼めば書いてくれる人もそれなりにいるから、続けられている。
――時々の課題について、例えば選挙についてなど。
選挙のことを書いてくれとは言わないが、今回の参院選とか、職場の岡山の話でも非正規の人は外国人に対してどう思っているのか、この局では外国人も働いていて、ヘイトではないが排外的なことを言う人がいる、とか。その時々で各個人の思いを。職場の鏡ですね。郵便局に限らず、それはある程度、限ってはいるが社会的な状況。今回だと参政党が広がった。郵便局の中でも広がっていることがちらちらと見えていることが分かる。
――伝送便を組合の人と関係なしに、読んでもらう努力は、その反響は。
反響は昔は、各拠点で積極的にやってくれる人、その職場に20~30部送りそこから拡げた。今はかなりの部分を個人読者だ。情報源として 退職者も結構読まれている。
――今、労働運動そのものが衰退している。労働組合の役割は何なのかが問われている。その上でこのような雑誌が維持されていることは重要です。
退職者もいるし減ってますよね。退職しても取ってくれる人は結構いますが。後は文字離れ。ビラを配っても読まない、新聞も読まない、テレビも見ない世代が増えている。定期購読は至難のわざ。それを何とかSNSとかを使おうと思うがなかなかそこまで至らない。
私たちは郵便を配っている。文字を配ると言うなりわい。文字・言葉で伝える。そして交流する。文字文化を絶対になくしたくない。 (つづく)

元郵政労働者・伝送便前編集長の池田実さん
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