9.12武蔵野郵便局過労死の責任を求める会結成集会

最低賃金抜本引き上げを!

 【東京】9月12日(金)、東京・三鷹にある武蔵野芸術劇場で、午後6時30分から「武蔵野郵便局過労死の責任を求める会結成集会」が開催された。100人を超える支援者が集い、集会後、アピールウォーキングを行った。参加者は「過労死を許さない」「郵便局は責任を取れ」とコールしながら宣伝を行った。

武蔵野郵便局員、飯島淳さん過労死の経過

 1975年12月11日
 誕生
 1995年4月1日 武蔵府中郵便局に採用され27年間勤務 休みには草野球、飲み会、同僚との国内外への旅行などを楽しむ。
 2023年10月1日 武蔵野郵便局に異動。直後から強いストレス、過重労働。局で狭心発作を起こすなど心身ともに追い込まれていった。
 2024年7月22日 「鍵をもって息子宅に来てほしい」との警察からの連絡を受け、警察官立ち合いの上死亡を確認。
 解剖で、虚血性心疾患での死が判明。あまりにも突然の死であった。
 7月28日 葬儀
 9月 会社より私物受け取りについての連絡、両親で疑問点を聞く。
 その後、事務手続き、整理などに追われる。

  遺族の対応

 2024年9月28日「全国一般三多摩労働組合」に加入
 10月22日 三多摩労組により団体交渉申し入れ、拒否される。
 2025年3月4日 弁護団による証拠保全申し立て
 3月21日 東京地裁立川支部により証拠保全
 4月19日「武蔵野郵便局過労死の責任を求める会」準備会結成集会
 6月10日 東京地裁立川支部に提訴。同日記者会見

 (飯島淳さんのお母さん「淳を想って」)通信より転載)

 異動後9カ月で命を奪われた息子、何があったのかを知りたい。私たちは、受け入れられない死を追及すべく、「責任を求める会」の結成まで走り続けてきました。過労死問題のみならず、日本郵便をめぐる不祥事はあとをたちません。何よりも人を大切にする職場になってほしいのです。これまでのご支援、ご協力に感謝申し上げます。ありがとうございました。(淳の母)

裁判闘争の取り組み

 武蔵野郵便局「過労死の責任を求める会」の結成集会は全国一般三多摩労働組合朝倉さんの司会で始まり、同労働組合の氏家さんの主催者あいさつ。
 次に裁判の現状報告を西東京共同法律事務所の馬場庸介弁護士が行った。
 馬場弁護士は、裁判の経過、証拠保全、訴状等、三つの観点から述べた。特に訴状では、責任原因として「その雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務」(最高裁判決平成12年3月24日電通事件)。
過去にあった幾つかの過労死事件に対する最高裁判決を取り上げながら、この局の対応の不当性を述べた。特に職場で体調不良を訴えたにもかかわらず、健康上の配慮をしなかったことは、労働契約法第5条の「安全配慮義務」に反する違法行為だ、と強く訴えた。

郵便局のいま

 東京北区 王子郵便局の集配課に勤務する若狭さんの発言。
 「今、問題になっている点呼問題にふれながら、郵便局の現状を話します。
 点呼とは、運転者の安全な運航を確認するために行う業務のことです。郵便局では運転管理者が運転者に対して行う仕事初めの業務前と、配達を終えて帰局した後に行うものです。点呼問題以後、記録を改ざんしないよう、監視カメラの下で対面で行っています。
 局によって職場の状況は違いますが、王子郵便局はまだいい方です。
 他の郵便局では、昼休みはほとんど取れないまま班員の協力も得られず、ひたすら仕事をしなければならない状況に、日々追い込まれている場合があるということです。
 もしも、昼休みもほとんど取れないような職場だとすれば、そもそも体調を含め、周りのことに気をくばる余裕が作れるとは、とうてい思えないのです。しかもきっと優しい人ほど周りの人のことを気にかけるでしょう。自分一人では声をあげにくいと思います。
 そのような職場であっても、お互い助け合うことが日頃からできてさえいれば、飯島淳さんのように言いたいことを、ぐっと自分の中で我慢し、体調のつらさも耐えに耐え、結局大切な命まで犠牲にされてしまうような悲劇を防げたかもしれません。
 最期に王子郵便局に限ってみても、管理者自身が身体、あるいは心の病にまで追い込まれている現状ですから飯島淳さんの過労死を、他人事のようにすませてはいけないと思います。皆さん、がんばりましょう」。
 大阪西郵便局退職者・下司さんから飯島淳さんの両親に檄布が渡された。

ご遺族のあいさつ

 父・飯島博さんは「苦しさを耐える淳に寄り添えなかったのか、自責の言葉が渦を巻いている。過労死を許さない闘いに勝ち抜いて淳の死に報いたい。
 母・飯島登茂子さんは「仕事をやめさせればよかった。亡くなる瞬間は、どんな気持ちだったろう。そう考え自分が壊れていきそう」「息子のいのちを奪った人たちは、本当のことを言って、今後苦しむ人が出ないようにしてほしい」と訴えた。
 過労死等防止対策推進法(過労死防止法)施行から11年、職場は変わったか

 「過労死等防止対策推進法」の施行から11年が経過しました。この法律は過労死等の実態調査や防止対策の目的として2014年11月1日に施行されましたが、長時間労働対策やメンタルへルス対策の重要性が増し、2024年8月に大綱が変更されました。過労死防止法の目的に「過労死等がなく、仕事と生活の調和が実現し、健康で充実して働き続けられる社会の実現に寄与すること」と書いてありますが、現実の社会はどうでしょうか。日本郵便の職場はどうでしょうか。
 点呼問題や不祥事続きの中で、以前から問題になっている要員不足や長時間労働、ヤマト運輸から引き継いだDМ等、仕事量が増大し現場で働く人たちは、管理者もふくめて肉体的にも精神的にもギリギリの状態で働いている。過労死等防止法の目的にあるような、仕事と生活の調和など日本郵便の職場にはない。

 職場環境の改善、働く人の意識の問題などと、日本郵政グループの経営陣は言うが、改善すべきは経営者の体質そのものではないでしょうか。目先のことしか考えない経営陣のあり方を変えることが必要だと思います。
       (YK)

「労働者を過労死に追い込むな」(9.12)


 

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