参院選アピール
労働者民衆と共に推進する政党・候補者に投票を
生活危機深める自・公政権に敗北を
反軍拡、反改憲、労働者の生活と民主的諸権利の防衛、反原発、脱炭素、反差別を
第四インターナショナル日本支部協議会
労働者民衆の多数が生活危機と将来不安に締め付けられている中で参院選がたたかわれている。この生活不安からの脱却が労働者民衆の最大の要求になっている今、われわれはまずこの参院選を、現在の生活危機をつくり出し、今後もそれをさらに深めようとしている自・公政権にノーを突き付け、生活危機の進行を食い止める闘いにすること、さらに自らの要求に沿った危機脱却の政治転換を進める意志をはっきり示し、要求実現の可能性を広げる場にすることを訴える。
世界的危機に立ち向かう闘いを
同時にわれわれは、現在労働者民衆が直面している生活危機と将来不安が、世界を覆う深刻な危機と不可分であることも強調したい。
プーチンによるウクライナ侵略戦争、ネタニヤフによるガザでのジェノサイドと周辺各国への侵攻、とりわけイランに対する攻撃とそこへの米国の加担は、核戦争の危険をも内包しつつ、力ある者が力づくで自己の利益を追求する世界への転落、という危険極まりない趨勢に拍車をかけている。そしてその趨勢は、われわれの生活の現場で、格差拡大と公共サービスの劣悪化をともなう社会的貧困化の世界的な進行としても貫徹されている。この支配階級の行動はさらに気候危機を最も先鋭な代表とする環境の崩壊的危機をさらに深刻化させ、とりわけ世界の貧しい民衆の苦難に追い打ちをかけているばかりではなく、人類文明全体の基盤をも脅かしている。そして当然ながら世界各地で拡大する民衆の抵抗に対し、各国支配階級は、トランプ政権を顕著な例として、民主的諸権利への攻撃と排外主義扇動を強め、強権化を進め社会的分断を深め、社会的緊張をより一層高めている。
われわれは、ここに見た世界の深刻な危機の根源には資本主義の絶望的な行き詰まりがあると考えている。資本主義は人間社会と自然環境を破壊することなしに存続できなくなっている。限りない成長追求を内包したその論理が限界に達している。前記の危機はそのことをわれわれに突き付けている。
したがって世界の危機から脱却するためには、その不可分の要素である成長絶対化の論理ともども、資本主義からの転換が必要だ。そしてそれこそが、エネルギーを含めた物質生産の抑制を不可欠な要請とする現在の環境危機からの脱却に、確かな可能性を与える道にほかならない。
そのような認識からわれわれは、脱成長のエコ社会主義社会の実現を戦略的目標に据え、そこに向け水路を切り開く挑戦を、現在の危機の進行にストップをかける闘いの中から始めることを訴える。
世界の資本主義の行き詰まりは、当然ながら日本資本主義と日本の支配階級を同じ論理で締め付けている。それゆえ、この間の自・公政権が追求してきた政策路線は、先に見た諸側面の危機を深刻化させるだけに終わっている世界の支配階級の動きと基本的に変わらない。日本の労働者民衆の生活危機には世界の危機がはっきり刻印されている。
日本の労働者民衆の政治転換を求める闘いが真に力をもち実を結ぶためには、ここに見た世界の危機を直視し、そこに立ち向かう方向に進む必要がある。そしてその方向こそ、われわれが先に呼びかけた脱成長のエコ社会主義への挑戦だ。そのように闘うことでわれわれには、世界の民衆の抵抗と連帯してより強力に闘いを進める可能性が広がるだろう。
要求実現に向け自・公政治止めよう
前述の観点に立ってわれわれは、今回の参院選では労働者民衆の力で危機の進行を止め、その中で労働者民衆の要求実現の足場を固めることが第1に求められると考える。その直接の目標が先ず自・公政治を止めることであることは論を待たない。
歴代の自・公政権が進めた生活破壊政策を石破政権も継続していることは明らかだ。軍拡と軍需企業育成の推進、沖縄の軍事化、脱炭素への消極性と原発推進、医療や介護の危機を前にそれらの民営化のさらなる推進、経済安保法やサイバー法、さらに学術会議解体など市民的権利への攻撃、法的最低基準に大穴を開ける労基法空洞化の準備など、かれらの政治の継続はまさに人々の生活の危機と不安を一層深めるものにほかならない。この政治を一刻も早く終わらせよう。そのために参院選を活用しよう。
そしてその終わりを真の生活危機克服に向けた足場にしなければならない。そのためには何よりも、自・公の敗退をこれまでの政治と真っ向から対決する労働者民衆の要求に沿った政策を推進する政党・候補者の前進で実現することが必要だ。
その観点からわれわれは、選挙区における立憲野党統一候補に加え、選挙区、比例区ともに、前号で詳論された政策提起に沿って、反軍拡、反改憲、沖縄への軍事基地押しつけ撤回・辺野古新基地建設反対、大企業と大資産家に負うべき負担を求める抜本的税制改革、公的責任による公共サービス再建、労働者の生活と民主的諸権利の防衛、反原発、脱炭素、反差別などの政策を掲げ、民衆と共に進む政党、候補者への投票を呼びかける。そしてわれわれ自身もそのための闘いに具体的に取り組む。
抵抗の拡大へ草の根の力拡大へ
その上でわれわれは、労働者民衆の要求実現には、支配階級の攻撃に現場から具体的な反撃を大衆的な運動として展開することが最大の力になることを強調したい。民衆の要求に応える政策の政治の場における推進は、その力に支えられてはじめて可能になる。それはいくつもの経験が示してきた。
したがってわれわれは、前述した参院選のたたかいをそれだけにとどめず、具体的な要求に根ざした草の根における運動のより大きな共同、生活破壊の政治に対する抵抗戦線の拡大強化に活かす可能性の追求をも同時に呼びかける。
そこでは、後退著しい労働組合の再生への挑戦が特に重要になる。年収200万円以下が労働人口の28・3%、非正規雇用労働者が37%、さらに実質賃金の停滞さらに低下が10年以上、という現実は、自己責任論を突き破る労働者の連帯した力の必要をはっきり示している。労働者の切実な要求を力として表現し、自助努力と能力主義という労働者の分断を狙う資本の策略をはね返すツールとして、労働組合を再生させなければならない。
労働者階級の社会的なあり方の変容は確かに著しい。労働組合の団結形成には組織形態を含め過去のあり方とは異なった大胆な試みが必要になるだろう。すでに先行している合同労組やコミュニティユニオン、また非正規雇用労働者の運動なども教訓にしつつ、あらためて労働者の新たな連帯構築に挑もう。
そしてこれらの挑戦に突破口を開く可能性を広げるために、今回比例区に挑んでいる現場の運動を体現している候補者のキャンペーンを積極的に支援しよう。
左翼の再生のために
最初にふれた世界的な危機は、各国の伝統的な政党の凋落および極右勢力の伸長、それによる政治の混乱と不透明化という形で、政治のあり方においても貫徹している。
その凋落は、トランプの登場が米国の進歩勢力を代弁した民主党への巨大な不信任突き付けの結果にほかならず、他方共和党自身もかつてとは大きく変質しているという事実に、また欧州各国における伝統的政党でも左右を問わず急速に弱体化が進んでいる事実、そして各国における極右政治勢力の急速な伸長、に端的に例示されている。その事情は日本でも、たとえばとりわけ若者の中での伝統的政党への信頼度の低下として共通していると思われる。
それは、政党機能および政党と民衆の関係について、おそらく危機の克服という決定的課題を中心に世界的に再構築が求められている、という問題を提起しているのではないだろうか。
そのように考えたとき、とりわけ伝統的左翼政党の明らかな後退が労働者民衆にとって深刻であり、労働者民衆の基盤も一体とした左翼の再構築と再生は急を要する課題になっている。欧州における左翼新党へのいくつかの挑戦は、その道が容易ではないことを示しているが、それでもそれは避けるわけにはいかない課題だ。そこではおそらく、時代の要請に見合った要求の再定式化と民衆自身による自己確認と自己組織化、および政策練り上げ、そして新たな左翼像の再形成を草の根レベルの具体的運動から積み上げる作業が必要になるのではないだろうか。
われわれはそのような問題意識に立って今回のアピールにもとづく選挙活動に積極的に取り組み、左翼の再生に向けた広範な人々との共同を積極的に追求する。そしてその中で、第四インターナショナル18回世界大会での討論をも踏まえて、脱成長のエコ社会主義社会に向けた資本主義からの転換を粘り強く追求する政治主体を共に建設することを呼びかける。

もうやめよう あぶない原発!大集会inおおさか(6.8)
The KAKEHASHI
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