ブラジルでのルラ勝利への声明
民衆の動員が極右敗北を確実化
極右との闘いに掲げた希望の灯
第四インターナショナル執行ビューロー声明 26年10月27日
ネルソン・マンデラが言った(と伝えられている)ように、「成し遂げられるまでは、いつも不可能に思えるものだ」。ブラジルの最近の歴史を考えれば、ルラが10月4日の第1回投票で敗れたあと、25日の大統領選挙で勝利する可能性はきわめて低いと見られていた。
しかしながら、大学生によって始められた動員の波が、街頭での大規模なデモ(訳注1)、SNS上の活動の飛躍的な増加(訳注2)、政治闘争における新たな機運、これらが公式のキャンペーンからの新たなSNS戦略として、第1回投票と第2回投票の間の20日間にブラジル全土に広がったのである。これによって、棄権票や無効票が減少しただけでなく、投票先を変更した有権者をさえ獲得することができた(訳注3)。こうして、1985年に始まった民主体制下で初めて、第1回投票で敗れた候補者が第2回投票で勝利を収めた。ルラは、3週間前より1000万票以上増やして有効投票の51・78%を獲得したが、ボルソナロ・ジュニアは48・22%にとどまった。
ブラジルでのこの結果は、ラテンアメリカにおける右派および極右の勝利の波をひとまず食い止め、アルゴリズムへの依存やメタ(Meta)をはじめとする大手IT企業の策動を打ち破り(訳注4)、この地域に対するトランプの計画に挑戦するものとなった。民衆の勝利は、ファシズムの継承者たちに対する世界的な闘いの中に、小さな希望の灯火を掲げたのである。
第四インターナショナルとして、私たちはブラジル人民のこの勝利を心から歓迎し、祝福する。私たちは若者たちに敬意を表する。かれらはヨーロッパやインドと同じように、決定的な数週間にわたって決して情熱を絶やさなかった。私たちは労働者、カンペシーナ(農民)、土地なき農民、先住民族コミュニティ、ルラの勝利に決定的な役割を果たした労働居住地域の女性たち、フェミニスト、LGBTQIA+コミュニティ、環境保護活動家、アーティスト、文化労働者、そして進歩的な知識人たちに敬意を表する(訳注5)。
私たちは、ブラジルの労働者や人民にとって、近い将来が決して容易なものではないことを知っている。極右が議会や州政府で勢力を伸ばし、次の政府による進歩的な施策や新たな社会的成果の可能性に厳しい制限が課されているからである。しかし、あなた方がこの歴史的な10月に成し遂げたことは、反ファシスト抵抗運動と超自由主義的計画に反対する道筋を示すものである。この同じ極右勢力がブラジルおよびラテンアメリカ全体の経済的・社会的・民主的自由と主権に対して、後退を押し付け続けようとしていることに対して、あなた方の大国のあらゆる場所で、動員を維持し、組織化を維持することがこれまで以上に必要となるだろう。
その一方で、フラビオ・ボルソナロは、裁判所が彼の選挙キャンペーンに対する外国からの資金援助の可能性について捜査を命じた中で、アメリカ合衆国へ逃亡した。これは、大企業と帝国主義の支援を受けた勢力である極右の真の姿を示すもう一つの事例である。
あなた方の勝利は運動の勝利であり、したがって、極右とその破壊計画に対して世界で闘うすべての人々の勝利なのである。
(訳注1)社会主義左翼運動(MES、第四インターナショナル・ブラジル支部を構成する潮流の一つ)全国書記局声明によれば、「フルミネンセ連邦大学の学生たちの火花が動員に火をつけ、それが勝利の陶酔の中で憲法をも改憲し得ると豪語するフラヴィオの反動的な発言によって増幅され、はるかにそれを上回る反動を引き起こした。それ以降、動員は拡大の一途をたどって前例のない急カーブを描き、数百万人が動員されるに至った。歴史上最大規模のデモが起き、パウリスタ大通りでの2度の動員は数百万人にのぼり、その効果はポルトアレグレ、クリチバ、リオデジャネイロ、ベロオリゾンテ、ヴィトーリア、レシフェ、ブラジリア、ベレン、テレジナ、サルヴァドール、フォルタレザ、マカパ、ナタル、サン・ルイスなど、ブラジルの主要な州都に波及した」。
(訳注2)SNS活動に飛躍的な転機をもたらしたのは、「持続可能なネットワーク(Rede)」所属の連邦下院議員アンドレ・ジャノネスが統括したワッツアップのチャンネル「ルラ軍」だった。「左翼運動」サイト編集部によれば、「このチャンネルは1000万人以上のフォロワーを獲得し、ユーザー間で直接メッセージやコンテンツを共有・拡散させる手法をとることで、公式チャンネルの枠を超えて陣営の拡散力を大きく広げた」。なお、Redeは連邦下院議員選挙でPSOL(社会主義自由党)と選挙連合を組んでいた。
(訳注3)「左翼運動」サイト(MESのHP)編集部の論評によれば、棄権率は第1回投票の21・08%から決選投票では19・22%へと低下し、第1回投票で投票しなかった約300万人の有権者が新たに投票所へと足を運んだ。白票や無効票も4・77%から3・24%へと減少し、大統領選の決定に実質的に参加した有権者の層が拡大したとのことである。ルラが獲得した6425万票はこれまでの大統領選挙における最大得票だった。
(訳注4)前述のジャノーネスは、Meta(フェイスブック、インスタグラム、ワッツアップなどを運営)のアルゴリズムが左派に対して偏っているという前提に立ち、主要なSNSキャンペーンを展開した。その一例を挙げると、ブラジルサッカー代表チームのユニフォーム(かつては団結の象徴でありながら後に極右に乗っ取られていた)を着た写真をインスタグラムに投稿するよう、ルラ支持者に呼びかけ、無数のルラ支持者が参加して、SNS上で非常に大きな話題となったことがある。
(訳注5)ルラも、サンパウロのパウリスタ通りで行われた勝利宣言集会の中で、社会的な動員の重要性を認め、特に若者、女性、教育者、そして労働者の権利を護る人々に対して感謝の意を表した。「私はこの勝利を、民主主義を守るために立ち上がった反逆の若者たちに負っている。フェミサイドに抗議して声を上げた女性たちに負っている。そして、週休1日の勤務体制の廃止がブラジル社会にとって有益だと信じる人々に負っている」。
The KAKEHASHI
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