日本学術会議の新法案、衆院内閣委員会で可決糾弾!
平和主義からの転換はかる
学問自体の終わりの始まり
【東京】日本学術会議の「平和主義」から「戦争のできる国家」への転換を強制するものだとして、学者や研究者の断固反対の行動が、5月7日~9日まで衆議院第二議員会館前で行われ、毎日400人以上が国会包囲行動を行った。主催は日本学術会議「特殊法人化」法案に反対する学者・市民の会。
5月7日からの国会包囲行動には、野党第一党の立憲民主党、共産党などの議員や学生などが参加した。
総理大臣の監督・統制を強める法案に対して、7日の参考人質疑で梶田学術会議前会長が明確に、「この法案は学問の終わりの始まりを意味する」と明言した。
任命拒否された委員の発言
5月9日正午からの行動。2020年に任命拒否をされた6人のうちの一人、岡田正則・早稲田大教授(行政法)が参加し発言した 。
「私たちの任命拒否については、105人のうちから6人を選ぶ根拠資料がないと言っている。まったく説明しようとしない。何の資料もないところで判断することはありえない。学術会議の独立性を侵害し、透明性や公正さを奪っていながら、日本学術会議法を提出している。これによって日本の学術を破壊してしまう。さらに軍事研究などに役立つように変えてしまう、非常に危険な法案だと思う。ぜひとも廃案することが必要だ」。
学術会議法自体に違反
千葉大文学部教授の栗田禎子(ヨシコ)さんが発言。
「学術会議改正案は憲法違反23条・学問の自由をおかす法律だと日弁連が声明を出した。学術会議の意見を無視してやることは学術会議法の第3条、政府から独立して活動を行う、それ自体に反する。戦前の滝川事件や美濃部事件よりもはるかに大規模で深刻な問題だ。学問の自由を守れなかったという反省の上に、学問の自由を担保することを決意した。大学の自治を保障する。さらに政府から独立の立場で、政府に物申すことができる。学術会議という枠組みを作った。それを学術会議ごと潰してしまうというのが今回の法案だ」。
少数派から始まるのが通例
40年前の中曽根首相の時代に、学術会議法案が国会に出た。その時闘ってきた小沼通二慶應大学名誉教授(平和アピール7人委員会のメンバー)がアピール。
「1985年に学術会議の制度が変わった。それまでは直接選挙で会員が決まった。2005年までやってきたのが学長会推薦方式。推薦母体を代表して出てくるのだから、うまくいかなかった。40年前からの学術会議は非常に低調になり今日に至っている」。
「一番最初に委員になったのは1957年。学術会議は政府と対立するようにできていない。たくさん協力してきた。例えば南極観測、ジェンダーについて非常に早い段階で委員会をつくり議論してきた」。
「60年安保があった。毎日ここに来ていた。この辺は歩くところがないくらい人で埋まった。その結果内閣がつぶれた。仮に多数で通ったとしても、あらゆることは少数派から始まる。少数派であることを恐れることはない」。
なぜこの6人だったのか?
日本共産党の井上哲士参院議員。
「6人の任命拒否をやったあの時、参議院予算委員会に出された資料がこれだ。真っ黒け。この中に名前がある。6人の名前の上に、バツ印。しかもこれは令和6年6月12日という日付がある」。
「つまり安倍政権の時に、この6人はダメだと官邸から学術会議に出されていた。なぜこの6人なのか。どういう経過か、国会で追及しても何も答弁がない。これを明らかにすることこそがいま求められている」。
天文台の軍事利用を許さない
元国立天文台の石黒正人さん。国立天文台も以前軍事研究をさせられそうになり反対した一人。
「野辺山にいた時に、私のやっていた研究が潜水艦の位置を正確に決めるような技術に応用できるんじゃないかということで、NATOから招待がきたがこれも拒否した。真理のためではなく、人を殺すようなものに応用されてはならない」。
jamstec(国立海洋研究開発機構)の浜田さんからのメッセージ(別掲)
司会者が「防衛装備庁の要請に応じない大学がまだまだ、東大・京大をはじめたくさんある。しかし、学術会議がなくなれば、そういう大学も雪崩をうって、軍事研究に組していくことになりかねない。」と話した。国会に向けて、採決するなと人間の輪で訴えた。
首相任命の委員や幹事
9日午後、日本学術会議を国から独立した法人とするための法案が衆議院内閣委員会で採決され、自民・公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決された。 次週に本会議でも可決され、参議院に送られる見通し。法案では日本学術会議を国から独立した法人とする一方、必要な財政支援を行うとしたうえで、会員は総理大臣が任命する仕組みから会議が選任する方法に改めるとしている。また、運営の評価と監査を行う委員や監事は総理大臣が会員以外から任命するとしている。廃案に向けてがんばろう。(M)
jamstec(国立海洋研究開発機構)の浜田さんからのメッセージ
JAXA(航空宇宙研究開発機構)の軍事研究も進んでいる
審議している新法案には、平和の文字はない。新法は軍事研究を推進することと表裏一体だ。今まで軍事研究にブレーキをかけてきた学術会議をつぶそうとするものだ。宇宙分野に先行することがそのことを表わしている。1969年に宇宙開発事業団法が審議された時、宇宙開発は平和の目的に限りという文言が入るとともに、同年5月の国会決議でもロケットの開発及び利用は平和の目的に限り、非軍事に限るという国会決議が上げられた。この文言は2003年の宇宙航空研究開発機構の設置法にも引き継がれた。しかし、米国へのミサイル防衛戦略の協力をはじめ、宇宙の軍事利用に道を開こうとする自民党や財界の動きを背景として、2008年に制定された宇宙基本法は安全保障に資する宇宙開発利用を推進するという文言が入り、宇宙の軍事利用が盛り込まれた。これにより宇宙の平和利用の国会決議が死文化した。
2012年にはJAXA法4条、機構の目的から平和の目的に限りという言葉が、削除された。2013年にはJAXAと防衛省の協力が始まり、人工衛星に搭載するための赤外線センサーや極超音波スコープ技術情報の交流が始まった。2015年から、防衛装備庁によって始められた安全保障技術推進制度ではJAXAのマッハ5以上の超音速飛行が可能な基礎技術に関する研究が採択された。JAXAが持つロケット技術を、ミサイル防衛を無力化し、戦争の様相を根本的に変えると言われる極超音速ミサイルの開発に結びつけるものであることは明らかだ。
第二次世界大戦中、科学者が戦争の道に協力した結果、日本が戦争に突き進んで、国内外に戦争の災いをもたらした。731部隊による人体実験、人々を非常に残忍な形で殺害した。そうした過ちの反省として、戦後日本は平和国家として再スタートした。その過ちを80年経って、もう一度繰り返してしまっては人間として進歩がないと思う。

日本学術会議「特殊法人化」法案反対!(5.9)
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