5・17横堀農業研修センター裁判報告集会
成田空港拡張反対! 土地取り上げ許すな
【東京】5月17日、横堀農業研修センター(旧労農合宿所)裁判を支える会は、文京区民センターで「成田空港拡張反対!土地取り上げを許すな!横堀農業研修センター裁判報告集会~6・16判決を前に」を行い、48人が参加した。
集会の司会は、事務局の鈴村多賀志さんと辻和夫さん。
先の見えない「空港拡張」
「被告からの発言」として、柳川秀夫さん(三里塚芝山連合反対同盟代表世話人)の発言を映像で紹介し、とりわけ「横堀鉄塔の土地は加瀬勉さんが持っている。空港会社は、横堀農業研修センターを破壊した後、横堀にいくためにトンネルを掘るしかない。そんなことをやっていて2029年3月末までに年間発着回数を50万回にできるのか。インバウンドとかいっているが、地球の温暖化でますます経済活動の先が見えなくなっているではないか」と批判した。
NO!の意見を叩きつける
佐藤幸子さん(元労農合宿所常駐者)は、「空港騒音問題に対する取り組みが行われている。弁護団・被告の鋭い追及によって迫っている。今、地球はガタガタだ。第三滑走路建設の先に楽しく人生を送れる未来を見ることはできない。しかし決して諦めることなくNOの意見をたたきつけていこう。皆さんとともに声をあげていきたい」と発言した。
誤った見解を拒否しよう!
平野靖識さん(三里塚歴史考証室)は、「裁判証言で訴えたこと」というテーマで次のように強調した。
「ここのところ三里塚裁判では『強制的手段』とは専ら土地収用法に基づく強制代執行のことを指すのであり、民事上の権利の行使としての裁判、そして裁判所による民事執行は認められるんだとの見解に基づく判決が続いている。これはシンポ・円卓の正しい理解をネジ曲げた誤った理解だ」。
「話し合いがとん挫した場合はどうか。2005年明けから7月までの、暫定滑走路の2500mへの延長問題での東峰区と空港会社社長との話し合いに即して証言した。当時、話し合いは膠着したが、結局、国土交通省(北川)が決断(2005・8)し、東峰区は残された」。
大きく反論できた証言
清井礼司弁護士の発言が映像紹介され、「柳川さんと平野さんの法廷における証言によって大きく反論することができた。控訴審、最高裁への準備として、皆さんと協力して準備していきたい。さらに横堀農業研修センターを日常的に使っていることを、見える形で空港会社および高裁、最高裁に伝わるような活動を、ぜひ継続してほしい。それが、勝利的な裁判の進め方に直結する」と呼びかけた。
共有地強奪の前提は崩れる
山下一夫さん(一般社団法人三里塚大地共有運動の会事務局)は、「裁判解説」を「横堀農業研修センターの一坪共有地(柳川秀夫外4名)強奪に向けた全面的価格賠償の適用の前提は崩れている」というテーマで報告した(次号紹介)。
①成田国際空港会社の主張の整理─民法258条(全面的価格賠償)を根拠にして賠償額を支払い、合法的に土地権利移転が成立する。よって反対同盟に対して「横堀農業研修センター及び工作物を収去して一坪共有地を明け渡」さなければならないなどというストーリーのインチキ性)。
②反対同盟・被告・弁護反論のポイントとして、【1】土地の位置が特定できていない 【2】「信義則違反」の成立と横堀農業研修センターの維持・管理の証明について 【3】空港会社の強引な一坪共有地強奪の不当性 【4】 滑走路誘導路の位置の変遷と土地取り上げの緊急性の不成立について整理した。
そのうえで「日本経済新聞(2025年2月25日)の記事は、『成田の計画はやや遅れるリスクもある。最大のハードルは用地買収だ。滑走路を新設する地域には約200軒の民家や墓地、神社などがある』と報じている。つまり、2029年3月末の第三滑走路完成を目指していると言うが、このペースでは達成するには程遠いと言える。否!横堀農業研修センターの強権的取上の緊急な必要性は存在しないということだ」と結論づけた。
加瀬勉さん(多古町)のメッセージ紹介(別掲)、高橋悦雄さんが自作曲の「三里塚決戦のプロローグ」「成田空港粉砕」を披露した。
環境問題こそ基本の理念だ
山口幸夫さん(一般社団法人三里塚大地共有運動の会代表理事)は、「空港と環境問題」というテーマで次のように問題提起した。
「日本近代化が資源獲得と軍事、速さを獲獲する工業化社会へ向けて150年間やってきた。それが悪いことの中身。三里塚闘争に参加した人は皆農民の味方をした。農こそが大事だと異議申し立てをした。その後、日本・世界の工業化はどんどん進んだ。一人一人が責任を持つ事態になったのが、柳川さんが言う環境問題。現代、環境問題と無関係なことはない。ほどほどにが環境問題を考える基本的な理念だ。時間はほどほどにかける。エネルギーはなるべく使わない。今強制代執行はできない。第3滑走路はできないのではないか。やる気があれば、福島の汚染土を持ってくるということをやると思う。国家官僚は責任をとらない」と強調した。
工事日程は大きく遅延
辻和夫さん(一般社団法人三里塚大地共有運動の会事務局)は、「第3滑走路工事の現状」について報告し、「成田空港会社は、第三滑走路建設に向けて用地確保対策本部を発足(5月7日)させたが、2割弱が未買収だ。さらに遺跡発掘、高谷川改修工事などが5月から本格着工したが、工事は遅れている」ことをクローズアップした。
木の根ペンションをおおいに活用へ
大森武徳さん(木の根)は「木の根プールを再開して14年。昨年プールの補修をした。今年も8月プール開きに向けて7月に作業する。野外の映画祭の準備を進めている。そして、イベントの時には5、6人の希望者を募ってプチ戦跡巡りツアーを行っている」と発言。
最後に、6・16判決傍聴行動、6月7日研修センター整理作業、6月29日裁判報告現地集会・デモへの参加が呼びかけられた。(Y)


発言する佐藤幸子さん(5.17)
5・17横堀裁判闘争に対する決意表明
加瀬 勉(千葉県多古町)
三里塚空港の建設は、国家犯罪の政策の積みかさねによって建設されたものであり断じて容認できない。憲法に保障されている基本的生存権、すなわち財産権、居住権の自由、職業選択の自由、思想と良心の自由等を強権によって侵害し蹂躙し強奪したものである。空港建設において司法は強制収容緊急採決を容認裁可していらい国家機構の暴力送致として数々の不当判決を出して空港建設に反対する我々を抑圧し弾圧してきた。裁判官に裁判所断固として抗議し反省を要求する。三権分立、司法は政府と航空会社の不法行為を中止させるべく真実にもとづいて判決を出すことを要求する。
人類の彼岸である飢餓からの解放は、いまだ実現されていない。戦争による被害、災害と異常気象、農業政策の失敗、独占企業開発行為の食糧支配等が主な原因である。地球人口70億から100億の時代、果たしてこの人口を賄えるだけの食料生産が地球で可能であるかが問題になってきた。世界中から食糧を買い漁る歴史的時代は終わりを告げた。我々は断固として三里塚の田畑自然を守り抜く決意である。日本の食料自給率は38%である。先進資本主義国で最低の自給率である。政府の食糧安全保障政策の中で食料輸入がストップすれば2000万人は餓死すると計算されている。日本の農業生産は70才代の年齢の人が中心になって担われている。農業後継者の不足は深刻な問題である。我々は政府の反動の農政と闘い、食料の自給確保に全力を挙げるものである。
人間が餓死した人間の肉を食らって生き延びた天明、天保の大飢饉。大正の米よこせ騒動、戦後の食糧危機、世田谷住民の米よこせデモ、山口裁判官の餓死、現在発生している米価の異常値上がり等は人為的政策の失敗政治災害がもたらしているものである。第一次産業である農業生産は命あるものを育て、その命あるものを食し、人間の生命を養い維持している。食なくては一日たりともわれわれは生きてゆくことはできない。人間は命あるものを毎日食して生きているのである。農業生産の行為は直接命にかかる行為であり他の産業製品とはまったく違う特殊性を持っている。この命あるものを生産する農民の生存権を侵し破壊する行為は、人間の命の破壊否定に他ならない。我々は農業生産破壊の空港建設に断固反対する。
貴族社会を震撼させ崩壊を予測させた平将門の天慶の乱、佐倉宗五郎の百姓一揆は日本人民の戦いを励まし続けてきた。明治の壬申地券公布の時代から戦後農地改革で小作地を奪還するまで戦い続けた八街町の西村争議、我々はこの地域で空港建設の暴政に抗して50年余戦い続けている。人民の戦いは永久永遠である。更に頑張ろう。

加瀬勉さん
横堀農業研修センター裁判判決傍聴行動
日時:6月16日(月)/集合:13:30/開廷:13:00)千葉地裁601号法廷
横堀農業研修センター裁判判決報告横堀現地集会・デモ
日時:6月29日(日)/13:00開始(京成東成田駅12時集合)/横堀農業研修センター
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