狭山事件の再審を求める7・17狭山江東地区集会
石川一雄さんの遺志を引継ぎ
再審開始と無罪判決を実現しよう
部落解放江東共闘会議
【東京】7月17日午後6時半から、狭山江東地区集会が部落解放江東共闘会議の主催で開かれた。再審請求人の石川一雄さんが3月11日に急逝し、第三次再審請求がいったん終わりになったが、妻の早智子さんがただちに引継ぎ、第四次再審請求が行われ受理された。石川一雄さんの再審開始と無罪を求める闘いは続いている。江東共闘会議は1984年結成以来、JR亀戸駅頭での「23狭山デー情宣活動」を継続し、地区集会も石川さんの仮出獄2年後から続けている。
教育現場でも差別をなくす闘いを
共闘会議代表幹事の山口純一さん(東京交通労働組合)が「狭山事件の取り組みは差別をなくしていく重要なものだ。先日、愛知県の教員が児童に盗撮をしていた事件があったがどうしても許せない。教員がそういうことをするということは日本の社会のひずみがこういう所に現れているということだ。教員の尊厳がなくなって、教育そのものが崩壊しかねない、こういう状況を打破しなければいけない。教育の現場で、狭山や部落差別の問題をしっかりと教えていくことが必要だ」と指摘した。そして 「狭山第四次再審開始と無罪を勝ちとる取り組みの中で、重要なのは再審法の改正だ」と取り組みを訴え、主催者のあいさつを行った。
次に集会基調の提起の後、山本志都さん(狭山事件再審弁護団)が「狭山第四次再審請求審について」と題して講演を行った。
「石川一雄さんが亡くなった後に、日本中のいろんな所から、こうした形で亡くなったのが悔しいというような声が自然と沸き起こった。スタンディング行動も行われた。24歳で逮捕され、獄中と仮釈放されて両方とも31年で、合わせて62年間だった。ずっと闘い続けた一生だった。
差別を考えた時に、参議院選挙の期間中だが排外主義が横行して、ヘイトスピーチが当たり前のように耳に入ってくる。本来なら、今回の選挙は戦争ができる国からする国へと切り替わっていく、そこについてどう考えるか。そういうことが論点になるのではなく、外国人を異質なものとして排除する、という言ってはいけないという制約がまったくなくなっている。
石川さんの事件はえん罪事件と同時に、差別事件だった。改めて深くとらえ返して、今の時代に考えていかなければならない。
狭山闘争は今年こそと何回も言ってきて、この4月に再審に向けて動くと本当に思っていた。今年の1月に三者協議があった。双方の論点が出尽くしたと裁判長が確認した。新証拠は278点積み重ねてきた。3月4日に、最後に調整するということで三者協議が入った。これまで三者協議は2カ月から3カ月に一回入っていた。今の裁判長の家令さんが来年の3月に退官になる。もっと早く入れてもらわなければいけないと弁護団が要請して、それに家令さんも応えて4月8日に予定されていた。11人の鑑定人ついての一定の判断が出るだろうと見ていた。鑑定人尋問をどうするのか、やるとしたらどういう順番でやるのか、について具体的な議論が行われるだろう。
形式的にも根拠のあることで、裁判所の担当は3人いる。狭山事件の場合には左陪席が主任を務めていた。普通3年くらいで代わるが代わらなかった。もう5年目くらいになっている。書類をきちんと読み込んでいた。証拠調べをしないということはないだろうと思っていた。4月8日に三者協議が予定されていたので、記者会見も入れないといけない集会の場所も取っておこうと動いていた。石川さんが3月11日に亡くなったことはとても悔しかった」。
再審法改正を
この後、山本弁護士は三者協議で検察官が弁護側の鑑定人意見書に対する反論など引き伸ばしを図っていることを批判した。
「再審法について戦前からの動きについて詳しく説明し、再審規定は「大正」刑事訴訟法時代から引き継がれていて、「法的安定性が国家的観点から重視」され、再審はきわめて例外的なものと位置づけられている。
再審の流れは1975年の白鳥決定、新証拠と他の全証拠とを総合的に評価して判断すべき「疑わしきは被告人の利益に」の鉄則が適用。1983~1989年、4人の死刑囚に対して相次いで再審無罪判決が出された。しかし、その後最高検が秘密裏に検証:未提出記録の開示を自己批判し「証拠あさりを許すなとした。その後「再審の冬の時代」。
しかし、狭山事件などたくさんの事件で証拠開示が進んでいった。昨年9月の袴田事件での再審無罪判決はきわめて大きな重みを持っている。再審法改正に向けて、超党派の国会議連が発足し、全議員の過半数を超した。6月18日、野党6党衆議院提出。地方から、24都道府県議会を含む663地方議会(3分の1以上)が改正を求める意見書、223首長が再審法改正に賛同表明。
再審制度の見直しを議論する法制審議会(法相の諮問機関)が行われているが、『事務局は法務省が担当、法務省検事局の幹部は検察出身、事務次官より検事総長の方が格上、検察組織を守りたいという意識、反省がない。えん罪は存在しないという意識』であり、極めて問題が多い。
狭山闘争をはじめ、大衆的な闘いをもって次の国会での成立をめざす」。(講演要旨、文責編集部)
続いて、集会決議が採択、閉会のあいさつで引き続き狭山闘争の取り組みが確認された。 (M)

講演する山本志都弁護士(7.17)
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