第96回大阪中之島メーデー
労働者の国際連帯で、平和と豊かな生活を勝ち取ろう
【大阪】中之島メーデー実行委員会主催の第96回大阪中之島メーデーが5月1日、大阪市中之島公園剣先ひろばで開催された。
全世界の仲間が私たちの希望だ
主催者を代表して南さん(大阪全労協議長)があいさつ、「世界では戦争が絶えない、ウクライナでもガザでもまるで帝国主義による領土分割の時代に逆戻りしたかのようだ。権力者は私利私欲に走り、行政機関も起きている事態に責任を取ろうとしない。私たちがちゃんと生きていくためにはどのように考えればいいのか。闘っている全世界の仲間が私たちの希望だ」と述べた。
労働者弁護団からアピール
続いて労働者弁護団からのアピール。
「労働委員会マニュアルの全面改訂版を作った、活用してほしい。団交の際にも役に立つと思う。今、労働法制にはどのような問題があるのか。労働基準法は労働条件の最低限の基準を示したものだ。それを超える内容については、労使の話し合いで決めることになっている。ところが働き方改革の多様化が進んだため、労働基準が実態に合わなくなっている。政府・厚労省は、新しい労使コミュニケーションが必要だ、それによって新しい労働基準法を決めていくのだと言っている。このことを素直に受け止めてはいけない。36協定についても職場に労働組合がないところでは、使用者の思い通りの人選がなされる危険がある。職場に労働組合があるところでは、今後労働者代表制が取り入れられるとき、労働者代表が労組と競合する。厚労省の労働基準関係法制研究会座長である荒木尚志東大教授は、経団連の講演会でこういう発言をした、『労働者代表が労組と競合しないように、それぞれの権限を明確にしておく必要がある』と。この発言は、労働組合が交渉できる内容を制限しておくともとれる。危機感を持って監視していこう」。
政党、議員からのアピールがあった。順序不同で紹介しておく。茨木市会議員山下さん(新社会党)、長崎さん(社民党大阪府連)、豊中市会議員木村さん(市民派)、高槻市会議員高木さん(市民派)、大阪府会議員野々上さん(立憲民主党)、河南町議会議員佐々木さん(市民派)、尼崎市会議員迫田さん(市民派)、衆議院議員大石さん(れいわ新選組)。
恒例の争議報告が続く
韓国NITTО電工の闘争現場から直接アピール。
「韓国NITTО電工の工場で火災があり、1ヶ月後全員に希望退職募集の通知が出る。これを拒否した労働者は全員解雇。会社は、NITTО電工の資材をもう1つの会社NITTОオプティカルハイテックに移し、156人の労働者を新規採用した。NITTО電工は社会的責任を果たさず、団交を拒否している。当該の女性労働者は会社の屋上に籠城し480日を迎えた。会社は交渉に応じるべきだ」。
西成介護施設山紀会分会(大阪全労協)。
「10年前に組合を作り、それ以来組合つぶし攻撃を受けている。労働委員会では10中8は勝利。今新たに、訪問介護事業の閉鎖を持ち出してきている。人はいつかは訪問介護ヘルパーが必要になる。理事長は交渉に応じよ」。
ワールドリンク分会(全日建連帯ジェネラル支部)。
「2022年いきなり自宅待機命令。府労委に救済申立て、勝利命令が出て確定するが、23年10月解雇。現在裁判係争中」。
ヤマト運輸分会(全港湾大阪支部)。
「会社が、労使協定を一方的に破棄。府労委裁定は残念な結果だったが、中労委に向けがんばる」。
梅南鋼材分会(全港湾大阪支部)。
「団交拒否の不当労働行為裁判、最高裁で勝利した。現在、損害賠償請求を検討中」。
ダイワ工業分会(全港湾大阪支部)。
「4年前に会社の経営方針が変わり、説明もなく賃金を下げたことで、争議に入る。外国人労働者もそれを見ていた闘いに立ち上がった。ストライキをやり、会社が交渉に応じた」。
医療法人神名会の介護施設分会。
「排泄などの仕事では契約労働を越えて超勤することがあるが、会社は超勤手当を出さない。職場の16人の未払い賃金が2年で6000万円。それで訴訟になった。裁判をしながら、勤務のタイムカードの導入を要求している。さらに、もうひとつの問題は、組合の委員長を雇い止め解雇して組合つぶしをやっていること。府労委に申立て、6月から調査が始まるが、会社は就業規則に上司に反抗しないの一文を入れようと画策している。早く職場復帰を勝ちとりたい」。
この後、なかまユニオンバンド、川口真由美さんのライブのギター演奏と歌があり、関生の最近の2つの裁判、京都事件の京都地裁完全無罪判決・加茂生コン事件の差し戻し審で大阪高裁判決について関生支部細野書記長の報告があった。
最後にメーデーアピールを採択し、ポテッカーを掲げ写真撮影をした。集会後、西梅田公園までデモを行った。 (T・T)

大阪中之島メーデー(5.1)

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