6・3天皇の慰霊の旅・沖縄訪問抗議行動
沖縄・安保・天皇制を問う4・28─29行動実行委員会
【東京】6月3日、沖縄・安保・天皇制を問う4・28─29行動実行委員会は、東京駅前の行幸通りに集合し、皇居に向けて「天皇の慰霊の旅・沖縄訪問抗議行動」を行った。
天皇皇后、愛子が6月4・5日にかけて「戦後80年の節目にあたり戦没者を慰霊」と称して沖縄を訪問する。「国立沖縄戦没者墓苑」、「平和の礎」、「小桜の塔」「対馬丸記念館」で供花し、生存者らと懇談するなどのスケジュールだ。
実行委は、このような「戦後80年慰霊の旅」「昭和100年イベント」キャンペーンを許さず、沖縄訪問に対して、「天皇制の戦争・戦後責任、沖縄に対する植民地支配(利用・切り捨て)を糊塗し、米軍・自衛隊基地拡大をはじめとする急速に進む軍拡の中で、歴史の隠蔽と、戦場と想定される琉球列島での新たな戦争に向けての地ならし的なこの欺瞞的・詐術的な沖縄訪問に対して抗議の声を上げていこう」と呼びかけた。
皇居にむけて抗議のシュプレヒコール
抗議行動は、皇居に向けて「天皇の沖縄訪問反対! 欺瞞的な『慰霊の旅』を許さないぞ! 『慰霊』ではなく戦争責任と向きあえ!」などのシュプレヒコールから始まった。
小林さん(一坪反戦地主会関東ブロック)は、「天皇の訪沖は、日本と琉球の歴史をあいまいにして、『和解』しているかのように演出することがねらいだ。天皇メッセージの反復でしかない。日本国家による沖縄の踏みつぶし、征服戦争が続いている」と批判した。
中村さん(辺野古基地建設反対運動)は、「戦後一貫した沖縄に対する基地の押しつけ、沖縄差別に対してヤマトの人間として沖縄の抗議を受け止めつつ、本日の闘いに駆けつけた。三代にわたって沖縄の犠牲に対して心を寄せているかのようだが、一度でも謝罪し、反省したことはない。訪沖は、現在の琉球弧の軍事要塞化の進行の露払いの役割でしかない。沖縄の人々の自己決定権を支持し、妨害を許しているヤマトの責任を果たしていこう」と訴えた。
池田恵理子さん (「女たちの戦争と平和資料館」)は、「女性国際戦犯法廷は、2000年12月に『戦争と女性への暴力』日本ネットワーク(VAWW─NETジャパン)が開催した。日本は、自分たちの戦争責任、戦犯を裁いていない。私たちは、本当に戦争責任、戦後責任、植民地支配責任に向きあってきたのか。法廷は、昭和天皇、戦犯に対して有罪判決を下した。日本軍は、性暴力を思う存分行った。安倍政権下では性奴隷制をなかったことにし、メディアに圧力を加えた」と述べた。
さらに「1975年、米国訪問後、昭和天皇は、記者会見で『戦争責任についてどう思いますか』という問いに対して、『そういう言葉のあやのようなことについては私は文学研究をしていないのでよくわからないし、答えられません』と言って逃げた。日本政府も女性の人権侵害である日本の性奴隷制に向きあうことはなかった」と強調した。
家父長制と家族支配
本山央子さん(アジア女性資料センター)は、「天皇の沖縄訪問は、一人でいくのではなく家族でということだ。沖縄を軍事要塞化し、住民を保護するという名目で強制移動させようという計画が進んでいる。こうしたなかで天皇一家の訪沖が行われ、メディアを通して一家の姿を映し出していく。この演出によって日本の中に沖縄を包摂しようとする。親密な家族というイメージを通して、人々の間にある対立、紛争、支配、暴力、階層などを覆い隠してしまう役割が天皇制だ」と明らかにした。
また、「天皇制と人々の性と生殖の管理は、明治国家の中で天皇制と戸籍制の創設だった。女性にとっては、聖なる母と癒しの娼婦という二分化をもたらした。日本内地で守られるべき女性、沖縄、朝鮮の植民地では守られない女性の二分化に反映された。天皇一家の女性たちが望まれる女性を象徴していった。軍事と一体となった性の支配を行った。家父長制と家族支配は、強固に再生産されている。日米が共同して沖縄米軍の性暴力、沖縄の支配を行っていることに現れている。天皇の訪沖は、日常の家族のあり方も含めて問われていることを自覚し、沖縄に連帯していきたい」と問題提起した。
最後に主催者は、今後、予定されている天皇の広島、長崎訪問に対しても、現地の反対運動に連帯しながら取り組んでいこうと呼びかけた。 (Y)

天皇訪沖縄の欺瞞を暴く実行委(6.3東京駅前)
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