沖縄報告:自公の過半数割れは戦後支配体制の瓦解の始まり
国会内左派(共産・社民・れいわ)とつながる反政府運動の発展を!
沖縄 沖本裕司 2025・7・21
今回の参院選の焦点は、長年政権についてきた自民党・公明党による政治の行き詰まり、広範な有権者の支持離れが進むなかで、昨年の衆院選に続いて、どの程度過半数割れが進行するかという点にあった。結果は、自公が大きく議席を減らし、非改選と合わせて過半数には3議席不足、野党が過半数を占めるに至ったが、二大政党制とは逆ベクトルの方向に中道・左派・右派を含め多党化が進み、政治状況は混沌としているように見える。
沖縄報告2025・6・30では、「沖縄選挙区は高良さちかさん、全国比例区は山城博治さん、沖縄の声を国会へ届けよう!」と訴えた。その結果を見ながら、現在の情勢の分析を試みよう。
沖縄選挙区は高良さちかさんが当選
沖縄選挙区の投票率は、3年前の50・56%から56・75%に上昇した。各候補者の得票数、得票率は次の通り。
高良さちか 265,203 40.8%
奥間 亮(自民) 231,907 35.7%
和田知久(参政) 126,743 19.5%
<2022年7月の参院選>
伊波洋一 274,235 46.9%
古謝玄太(自民) 271,347 46.4%
河野禎史(参政) 22,585 3.9%
奥間候補を立てた沖縄自民党は、自民党政権が裏金、統一教会とのつながり、物価高、コメ不足、賃金目減りなど生活苦の基になっていることから、「中央政府に物言う沖縄・奥間候補」を前面に押し出した。選挙戦中盤には「自民党沖縄県支部連合会」の名で、地元二紙に各一面広告を打ち、「あなたの怒りを託してください。沖縄の怒りを希望に変えるのは沖縄自民党の仕事です」とキャンペーンを張った。しかし、効果はなく、かえって反発を強めただけだった。菅元首相が名護に張り付いて工作を進めたようだが、当初から予想されていた高良優位は揺るがなかった。
参政党は3年前に比べて、約10万票を増やした。オール沖縄も票を減らしているが自民党の方が大きく減らした。参政党と和田候補は、物価高や生活苦、子どもの貧困、無理・無駄・無謀な辺野古基地建設の強行など自公政治の行き詰まりに対し、歯に衣着せぬ言葉で批判する新興政党のイメージを広げることに成功したと言えよう。大幅な投票率のアップに示される、大衆的な政治参加の機運の高まりの第一歩は、沖縄においても参政党の伸びとなって現れている。参政党の実態が戦前回帰、天皇を頂き、家族制度、排外主義、自衛隊強化を目指す右翼政党であることは明白である。その意味で、今後、天皇制、軍国主義、排外主義をオブラートで包んだような自公政治と共に、より露骨で直接的な右翼政治勢力との対決が広範な大衆の政治参加を舞台として始まったといえよう。
高良さちかさんは、憲法学者としての誠実さと共に、次の時代の沖縄を担う若い女性のエネルギーにあふれる選挙運動をやりぬいた。「生きる」を政治の真ん中に!というスローガンは高良さん自身の発案だ。自らの言葉で語る各地の遊説や当選が決まった選挙事務所での初々しい所作は人間的魅力にあふれる。糸数慶子さん、高良鉄美さんと続いてきた県民の議席を受け継ぎ、もう一人の参院議員・伊波洋一さんと共に、沖縄の声を国会へ、そして全国へ届ける闘いを全力でやり遂げるに違いない。
全国比例区は山城博治さんの当選叶わず
今回の参院選は、人口減少のため3年前に比べて全国で有権者数が100万人以上減る中、期日前投票が25%に達するなどかつてなく盛り上がり、投票率は最終的に58%近くに上った。こうした全国的な政治的関心の高まりを背景に、政権与党の自公は大きく票を減らした。
3年前と比べて、自民党は約550万票減らし、得票率は34・4%→21・7%、比例での獲得議席は18→12となった。公明党も100万以上減り、得票率は11・7%→8・7%、比例議席は6→4に減った。維新も約350万減少、得票率、議席とも14・8%→7・4%、8→4に半減。N党もほぼ半減で、政党要件を喪失した。立民は前回と同じ7議席。得票率も12%台でほぼ変わっていない。
左派3党を見てみよう。共産党は80万票近く減り約285万票、得票率は6・8%→4・8%、比例議席は3→2に落ち込んだが、れいわは、150万余り増え約380万票を得て、得票率は、4・4%→6・6%、議席は2→3に増えた。社民党は120万票余を得て2・1%、1議席と政党要件を死守したが、残念ながら、沖縄から山城博治さんを国会に送り出すことはできなかった。
今回全国から選出された国会議員の皆さんには、戦後80年・復帰後53年経てなお軍事基地の重圧と様々な被害、経済的貧困に苦しむ沖縄の現状を理解し、二人の沖縄選出参院議員
の声に耳を傾けていただくよう強く願う。
次に全国比例の政党別得票、および得票率、議席を一覧にした。
自民 12 12,743,375 21.7%
国民 7 7,578,176 12.9%
参政 7 7,387,880 12.6%
立民 7 7,366,891 12.5%
公明 4 5,137,925 8.7%
維新 4 4,352,549 7.4%
れいわ 3 3,862,077 6.6%
保守 2 2,963,727 5.0%
共産 2 2,847,791 4.8%
みらい 1 1,507,337 2.6%
社民 1 1,207,636 2.1%
N党 0 673,773 1.1%
自公維新の後退は戦後支配体制の衰退を意味する。広範な勤労市民が戦後支配体制から離反し反逆を始めた。さしあたりそのルートは国民、参政といった政党に流れる形で始まったが、広範な大衆的流動化はさらに政治的進化拡大を遂げざるを得ないだろう。国会内左派三党につながる大衆運動を全国的につくり強化し、危機の時代に突入する日本の行き先を提起しなければならない。

2025.7.3 県庁前。高良さちかさんの出発式。右から、赤嶺政賢さん、玉城知事、高良さちかさん。

2025.7.3 参院選公示。久茂地交差点。山城博治さんの出発式。ガンバロー三唱。
週刊かけはし
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009 新時代社


