11.3 第30回統一マダン東京

「差別のない平和なアジアをともに作ろう!」

 【東京】11月3日・日曜日、15時から19時(ごろ)にかけて、第30回統一マダン東京が「差別のない平和なアジアをともに作ろう!」をテーマにして日暮里駅前イベント広場(日暮里駅東口出て目の前)で開催された。主催は、統一マダン東京実行委員会。参加者は500名だった。

 平和と対話のために

 オープニングは、民族打楽器チームYUUSHIによるプンムル。在日朝鮮人と日本人の仲間が、朝鮮の打楽器をうちならして統一マダン東京のオープニングをにぎやかにかざる。
 韓統連東京本部の梁炳龍(ヤン・ビョンヨン)代表による「実行委員長あいさつ」。「こんにちの状況を考えると、マダンの開催の意味はますます高まっているんではないかというふうに思います。せんじつ日本の首相がかわり、数日後にはアメリカの指導者がかわります。しかし、リーダーがかわっても世界やアジアの緊迫状況はかわりそうにもありません。いまもっとも必要なのは緊張や戦争ではありません。平和と対話をもとめる人びとにあつい連帯の声をあげていきましょう」。
 崔恩和(チェ・ウナ)民族舞踊研究所「喜悦(フィヨル)」による「ソーチャンゴの舞」。ちいさなチャンゴを片手に軽快なコリアンリズムで世の中の平和や豊作を願う華麗な舞だ。
 「らいひんの紹介とあいさつ」。紹介は公明党の山口幸一郎荒川区議員で、あいさつは立憲民主党の久家(くげ)しげる荒川区議員。

次々と舞台で演じられる

 葛飾ストリートダンスクラブによるHIPHOPフリースタイル。低学年チーム(チェーゴ)と高学年チーム(ブルートッキ)が元気いっぱいおどる。
 ファラン朴武館(パクムグァン)テコンドー荒川道場によるテコンドー演武は、本格的な演武と迫力のある板割り。テコンドーは、朝鮮半島古来の武術をルーツとする。華麗な足技とともに、人としてのバランスも習得できるのがテコンドーの魅力だという。テコンドー荒川道場は日本で1番歴史のあるテコンドー道場で、小さい子は5歳から上のメンバーは50歳までいるそうだ。
 さらに国分町三丁目社中による「昔懐かしいちんどんバンド」、「あしびなーず」による「沖縄の歌と踊り」が続いた。
 「ノレの会」は、「韓国に進出してもうけるだけもうけて、韓国でいろいろな利益をえて、その利益を日本の本社にもちかえって、そしてそのあげくには韓国から撤収をして、韓国ではたらいていた労働者をメール1本、ファックス1枚で解雇してしまう。こういう企業を『食い逃げ企業』といっていま韓国で大きな問題になっています」とアピール。
 そのあと、尾澤邦子さんが語る。
 「『ノレの会』もはいっている『韓国オプティカルハイテック労組を支援する会』ってあるんですけど、日東電工にたいして韓国で雇用継続をもとめる労組の話し合い、解雇を撤回して雇用を継承するようにっていう要請行動をおこなっています。この6月に韓国から労働組合の人たちが本社への要請行動にきたんですけれども、日東電工はぜんぜん話し合いをしようとしませんでした。それでその解雇の責任者である日東電工の高﨑社長の自宅にですね話し合いを求めて訪問しました。ところがですね、この日東電工の高﨑社長、じぶんがひきおこした労働問題であるにもかかわらず、労働組合の話し合いを求める行動を『面談強要』などというふうにいって、労働組合に対してではなくわたくし尾澤邦子と尾澤孝司という個人にたいしてですね、『面談強要等禁止仮処分命令申立て』っていうのを東京地裁におこしたんです。それで私たち、東京地裁から呼び出しがきてるって、そんな状態になっています。これはですね労働運動と日韓連帯運動にたいする弾圧です。このような日本企業のアジアでの横暴、労働運動つぶしを許すことなく、日韓連帯、国際連帯でたたかいたいというふうに思ってます」。
 続いて、「ノレの会」は韓国民衆歌謡「明日の歌」を日本語で、今年亡くなられた金珉基(キム・ミンギ)さんを偲んで『朝露』を韓国語で歌った。
HAA YEOUNGSU
さんによる「コリアン民族楽器の調べ チャンセナブ独奏」。HAA YEOUNGSUさんは、平壌(ピョンヤン)国立音楽大学卒の在日3世。
 マアルハートバンドによる「ミニライブ 平和と連帯の歌」。マアルハートバンドは、田村雄一さんのギターと武幸二郎(たけ・こうじろう)さんのベースによるユニット。武幸二郎さんは祖父が在日朝鮮人で、祖母がアイヌ民族。
 「在日コリアン女性と日本人女性の有志」は、「韓国では朝鮮民主主義人民共和国への敵視政策をすすめ朝鮮半島の緊張をあおる尹鍚悦(ユン・ソンニョル)大統領の支持率は20%にまでおちこみ退陣を求める声が高まっています。戦争への道をひたはしる尹鍚悦政権を早期に退陣させ、戦争をあおる米韓合同軍事演習を中止しなければなりません。日本においても唯一の地上戦がたたかわれた沖縄でいまも米軍による事件や事故が多発しています。米軍による性犯罪と事件の隠ぺいを許しません。琉球弧の島じまをふたたび戦場にしないため軍事基地をなくさなければなりません」。
 「来年は朝鮮半島が日本の植民地から解放されて80年をむかえますが、現在もなお朝鮮人への民族差別は続きヘイトスピーチが横行する現状があります。朝鮮学校の問題はなにも解決していません。私たちのまわりには多くの差別が存在します。朝鮮人差別や外国人差別、部落差別、アイヌ民族や沖縄への差別があり、女性差別や障がい者差別など、さまざまな差別があります。目をそむけてはいけません。じぶんの中にある偏見や差別意識とむきあい、人の痛みを知ることは、正しい歴史認識をもつことにつながります。そして2度とおなじあやまちを繰り返さないように、私たちはその痛みから学ばなくてはなりません。朝鮮民主主義人民共和国と日本の平和のためにも、おたがいを尊重し正しい歴史認識のもとで早期の国交正常化を実現することが必要です。平和で安全な世界をつくっていく主体は私たちです。差別のない平等な世界、1人1人のいのち・人権・生活が守れる世界、戦争のない平和な世界をともにつくっていきましょう」とアピール。
 マダンくじ抽選会の後は、スペシャルゲスト 朴保(パクポー)さんによるライブ。キーボードは、柴田エミさん。朴保さんの父は韓国人で、母は日本人。原爆の図・丸木美術館でコンサートを開催した。ネヴァダの核実験場で『HIROSHIMA』を歌う。2022年LPアルバム『雨に咲く花』は、サラリーマンが民族(朝鮮)学校の女学生の制服(チマチョゴリ)をカミソリで裂いたという事件を主題にした。 
 第30回統一マダン東京では、「鯨狩り」「雨に咲く花」「いっちまえ!」「峠」「いつの日にかきっと」「沈黙の民衆よ」「ペンノル~SORAN」を歌った。

 参加した感想

 「ためになる話」が聞けて、「ふだんメディアに排除されている民衆歌謡・民族歌謡」に接することができて、貴重な体験だった。チヂミ(350円)をいただいた。『コッソンイ ―― 朝鮮学校児童・生徒たちの詩と作文集』(花伝社発行、共栄書房発売)という本と『第四学校(チェサー・ハッキョ)と私』(東京朝鮮第四幼初中級学校を支援する会発行)というブックレットを購入した。
(SM/2024年12月5日)

第30回統一マダン東京(11.3)

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