10・31狭山事件の再審を求める市民集会
石川一雄さんの雪冤(せつえん)を!東京高裁は再審開始を
【東京】10月31日午後1時から、東京・芝公園23号地で「石川一雄さんの雪冤(せつえん)を!東京高裁は再審開始を!」10・31狭山事件の再審を求める市民集会が市民集会実行委の主催で開かれた。全国各地から、部落解放同盟と支援の共闘会議・労働組合が会場を埋めた。例年は日比谷野外音楽堂で開かれていたが改修工事のために、芝公園での開催となった。石川一雄さんが3月11日に亡くなり、第四次再審請求が妻の早智子さんによりなされ、狭山闘争は重大な局面を迎えている。
まず、プレイベントで音楽ユニット「公園でchill(チル)」の女性コーラスグループが自民党政治などの風刺歌を元気よく披露した。
本集会は西島藤彦さん(部落解放同盟中央本部委員長)が「石川一雄さんが亡くなって、第三次再審が一旦終了したが、妻の早智子さんにより第四再審請求が提起され、それが受理されて今後とも狭山再審闘争が継続され、再審・無罪を勝ちとる闘いを全力で行おう」と主催者あいさつをした。
次に参加した近藤昭一さん(立民党代表代行、衆議院議員)、西岡義高さん(国民民主党企業団体委員会事務局長、衆議院議員)、福島みずほさん(社民党党首、参議院議員)、上村英明さん(れいわ新選組幹事、衆議院議員)が全力で連帯していくこと、狭山闘争は人権の観点から重要なこと、再審法の改正にむけて闘っていくとあいさつした。
再審法改正の実現を
福島議員が再審法改正の動きについて、詳しく報告したので紹介する。
国会で再審法の議員連盟があって、この間の通常国会に法案を提出した。しかし、残念ながら審議されず継続審議になった。今、法務省の法制審議会の中の諮問機関の中で、この再審法が議論されている。法務省事務局も検察官が多く占めている。
一つ目、証拠開示に関しては、無罪と関連するものでなければ証拠開示しないという意見も強く出ている。こんな意見はダメです。袴田さんの事件で、味噌樽の中にあった服を証拠開示させ、血痕の色がおかしいとなった。再審の中で証拠開示の規定がないから、何とかしようというのが改正のはずなのに、それを狭めてどうする。証拠開示ができなかったら、袴田さんの事件も狭山事件も無罪の立証ができない。だから、この法制審議会ではダメだと言いたい。
もう一つ。検察官の不服申し立て。裁判官出身も多くを占めるこの法制審議会で、検察官の不服申し立てに関しては、制限してはならないという意見も強く出ている。間違った再審開始があったというが、そんなのないですよ。にも関わらず、検察官抗告、検察官不服申し立てをまさに禁止しないことは、おかしいです。袴田事件で10年近く再審の獲得が遅れた。
証拠開示はちゃんと全面的にやる。それから検察官不服申し立ては禁止する。そのことを実現していこう。そのために、法審議会ではなくて、国会が、唯一の立法機関が出した再審法を一刻も早く成立させていこう。
続いて、狭山事件第四次再審請求人の石川早智子さんがアピールした(別掲)。
中山武敏さん(狭山事件主任弁護人)があいさつ
寺尾不当判決から51年目を迎えた。確定判決では部落差別について、一切触れられていない。判決の言い渡しの時に、私が「部落問題はどうした」と叫ぶと寺尾裁判長は動揺して、私の顔をジロッと見ました。石川さんは自分は部落差別の中で、教育を受けられなかったことは恨まないが、教育を受けられなかった者に対する国家の仕打ちの冷酷さが許せないと訴えていた。石川さんの無罪を求める闘いの根底には部落差別の非条理に対する人間的な怒りと仲間への連帯の心情があった。狭山裁判闘争は裁判所の中での闘いでは決してない。広範な人々の大衆運動によってここまできた。第四次再審ではこれまで積み重ねてきた278点の新証拠、これをもとに狭山事件は部落差別に基づくえん罪事件であることを何としても認めさせなければなりません。共にがんばろう。
次に参加した弁護団が紹介され、竹下政行弁護団事務局長が現在の攻防について報告した。
片岡明幸さん(部落解放同盟中央本部副委員長)が基調を提案
二つの点を提案した。ひとつは第四次再審の現状について。検察官の妨害、あるいは引き延ばしによって、焦点になっている鑑定人尋問の結論が出せないで、ぐずぐずした状態が続いている。第三次再審は19年かかった。2022年に弁護団がそれまでの活動を総集約して、11人の鑑定人尋問の請求を行った。勝負に出た。この3月に家令裁判長は4月8日に、鑑定人尋問について一定の判断を示すという状況が生まれた。私たちも強く期待した。
ところが3月11日に石川一雄さんが亡くなってしまった。本当に無念だ。裁判は一旦終了し、第四次再審になった。その後二度の三者協議を行った。弁護団は早く判断をしてもらいたいと強く要望したが、検察側がいろいろ屁理屈を並べて結果的に判断をする機会を先延ばしにしている。検察は今の家令裁判長はどうも鑑定人尋問をするようだと、このままでは負けるというふうに考えたのではないかと考えます。検察側は家令裁判長の定年まで引き延ばして、新しい裁判長のもとで、この裁判をごちゃごちゃにしてしまおうとたくらんだのではないか。本当に卑劣で不当な引き延ばしだ。
鑑定人の尋問請求
二つ目は裁判の展望について。大きな争点になっているのは鑑定人の尋問請求をやるかどうか、弁護団は四つに絞って迫っている。万年筆のインクの鑑定、筆跡の鑑定、殺害の関係二つ。この鑑定人尋問が実現すれば、中でも万年筆のインクが最も大事だと思っている。狭山事件の再審の道が開かれる。この後の大きな流れは2月に次の三者協議がある。家令裁判長は三月に定年退官する。定年の前に鑑定人尋問をやることは困難だ。しかし、2月に裁判官が三者協議の日程を入れたということは家令さんは最後に辞める前に、何らかの形で鑑定人尋問について、方向付けをするのではないか。新しい裁判長になったとしても、その判断はしなければならない。決して裁判が負けてるわけでも終わっているわけでもない。
引き続き署名などの運動を続けてほしい。石川さんの短歌の本が発売(「石川一雄 短歌に託して」解放出版社、1300円+税)になった。ここにこそ石川さんの本音が入っている。買って読んでほしい。
えん罪被害者の発言
青木惠子さん(東住吉事件えん罪被害者)と今市事件で無期懲役を受けた息子の救援を行っている母親、西山美香さん(湖東記念病院事件えん罪被害者)が激励にかけつけた。
鎌田慧さん(狭山事件の再審を求める市民の会事務局長)が「無実を信じて、近い将来必ず無罪になると求めてやっていきたい」と述べた。集会アピールを読み上げ、日比谷公園までデモで、「再審開始、石川無罪、部落解放」とコールをした。署名を実現し、狭山再審を勝ちとろう。 (M)

「狭山再審を勝ち取ろう」とデモで訴える(10.31)
石川早智子さん(再審請求人)のアピール
狭山第4次再審闘争に勝利しよう
今日ここにたくさんの署名や徳島の新聞を持って来てくれた仲間もいます。一雄が3月11日に、急逝して、7カ月と20日になりました。
一雄が生涯をかけ、命を削りながらえん罪を晴らす闘いを続けてきた。一雄の願いはかなわなかったが狭山を忘れないで、石川一雄の闘いを忘れないで、必ず私は雪辱をはらす。
第4次再審請求になって、新しく署名活動が始まった。短い時間ですけど、21万5303筆が集まった。これが狭山の力になります。10月10日、鎌田慧さん、落合恵子さん、佐高信さんが高裁に提出した。百万筆を目標にこれからも署名活動を続けるので、みなさん方のご支援を心から願っています。
私は今78歳です。袴田事件では静岡地裁で再審開始決定が出ても、無罪確定まで10年かかりました。今の再審法のままでは、再審開始決定を勝ちとってもいつまでかかるか分かりません。検察が不服申し立てをするからです。無実の人が長い苦闘の果てに、獲得した再審開始に対し、検察はどこまでもそれを阻止してくる。そういう本当に許せない行動を、それを法律が守っている。私が生きている間に、何としても鑑定人尋問、再審開始、無罪獲得を果たし、一雄に報告したい。そのためには再審法の改正が重要です。再審法の改正にもご協力をお願いしたい。
私は時間があると残されていた一雄の短歌を毎日読んでいます。家令裁判長は来年3月定年退官します。家令裁判長に最後の正義の英断を、鑑定人尋問の実現を切に願っています。2026年2月に、3回目の三者協議が開かれます。
山梨の支援者のひまわりというCDをいただいた。何度も聞いている。一番多く現調に来ている福岡の人とたくさんの人から「ひとりじゃないよ」と言ってくれた。力づけられた。墨田の人からは「石川一雄さんに出会って、狭山に出会って、差別から逃げない、自分らしく生きるとふるい立った仲間がどれほどいることか、石川一雄さんの苦しみは実は私たち部落民ひとりひとりの苦しみであり、無罪を勝ちとるということは部落差別からの解放の道を切り開くということだから、絶対に負けるわけにはいきません」と言ってくれた。
一雄さんの短歌、「次の世も生まれし我は此のムラに 兄弟姉妹と差別根絶」。そういう歌を詠んでいる。
一雄は苦しい生涯だったかもしれないけれども、「狭山でよかった。石川さんでよかった」。そのように言ってくる人がたくさんいる。私もそのひとりですが、そのことだけでも、一雄が生きて闘ってきた意義があった。真実は必ず明らかになる、との一念でまっすぐひたすらに、闘い続けてきた生涯でした。字を教えてくれた命の恩人である元看守さんが一番好きだと言ってくれた短歌だそうです。だから、私も一番好きだと一雄は言っていました。
「弁護士も画竜点睛逼迫に、司法の閑却儒々を許さず」、みなさん方のさらなるお力ぞいをお願いいたします。

アピールする石川早智子さん
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