米大使館緊急抗議行動

トランプはベネズエラから手を引け!

呼びかけ ジェノサイドに抗する防衛大学校卒業生の会

 【東京】1月3日未明、トランプ米政権は、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領夫妻を捕らえ拉致した。この作戦によって100人近くの護衛部隊や民間人が犠牲となった。このトランプの攻撃はベネズエラの主権を犯すもので、国際法にも完全に違反している。犯罪者はトランプの方だ。
 1月6日午後6時半から、「ジェノサイドに抗する防衛大学校卒業生の会」が呼びかけて、トランプ政権による国際法違反と「力による現状変更」に米国大使館への緊急抗議行動が取り組まれ、100人ぐらいが参加した。
 代表の平山貴盛さん(2019年に卒業した防衛大OB)がコールや抗議の発言を行った。一部を紹介する。
 「トランプはベネズエラから手を引け」「力で現状変更許さん」「ベネズエラはお前のものじゃない」「ガザもキューバもコロンビアもグリーランドも」「ベネズエラから主権を奪うな」「ベネズエラに政府を戻せ」
 「日本政府はダブスタやめろ」「口だけやめろ 行動しめせ」「抗議をとめるな 侵攻とめろ」。

平山さんの発言から

 米軍は突如として、ベネズエラの首都カラカスに空爆を行い、さらに地上部隊を侵攻させて、マドゥロ大統領夫妻を米国に拉致した。言うまでもなく一連の攻撃は何の正当性もない侵略であり、明確な国際法違反だ。トランプ大統領はこの攻撃を麻薬犯罪組織との戦いであると言っているがそんな理屈は通るはずがない。マドゥロ大統領が麻薬取引の元締めであるという根拠は何もない。
 ベネズエラ政権が非民主的で自国民を抑圧しており、経済が破綻しており、今回の武力介入を歓迎しているベネズエラ人が国内外に数多く居ることによって、トランプの行動は正当化されるのだろうか。そんなばかな話はない。歴史上、腐敗政権の統治に苦しみ、武力介入を歓迎する住民の姿は繰り返して演出され、侵略者によって都合よく利用されてきた。だからこそ、破綻国家に強制的な態度が擁護されるべきことは、正当な理由、最終手段であること、必要最小限の行動であること、介入しない場合より介入の方が合理的に理由があること、介入に先立って国連安保理で許可を得ること、以上の要件が満たすことが厳格に求められる。
 今回の米国の行動はこの要件のいずれをも満たしていない。これが許されるのではあれば、腐敗したウクライナ政府打倒をめざすロシアも台湾政府打倒をめざす中国も、あるいはポーランドを分割したナチスドイツやソ連も、蒋介石政権打倒をめざした大日本帝国もすべて正しかったことになる。ありえない。
 高市首相は今回、ベネズエラの民主主義の回復を望むとの談話を発表したが、それはあくまでベネズエラに住む人々が自らの手で、外国の力に脅かされることなくなされるべきものだ。
 一部には今回の米国の行為が中国やロシアへの打撃であり、日本の安全保障上の利益となるだろうと楽観視する右派もいる。トランプ大統領の記者会見からも明らかな通り、今回の侵略は西半球における米国の派遣と権益を確保するために行われたものだ。自国の勢力圏からロシアや中国を締め出すという地域覇権主義に基づくものだ。中国をけん制するどころか、東アジアはお前が好きにすればよいというサインになり、台湾への軍事行動も誘発しかねない。
 実際に先月発表されたばかりの国家安全保障戦略でも、東アジアは明確に低い順位に位置づけられている。プーチン大統領にもっとうまく侵略しろとしか言わない人間が東アジアだけはまともに中国の力による現状変更を抑止してくれるなどとどうして期待できるか。
 今回のベネズエラ侵攻だけではない。世界で法の秩序を破壊する行動が横行している。ロシアはウクライナ侵略を続け、イスラエルはパレスチナにジェノサイドを行い周辺諸国へ攻撃を繰り返し、中国は台湾に対し平和統一の建前をかなぐり捨てて武力侵攻を前提とする軍事演習やどう喝を強めている。
 トランプはコロンビアやグリーランドへの侵攻をほのめかしている。こうした蛮行に加担し、容認し、正当化するような言動が党派を問わず、政治家や企業、知識人、メディア、さらに市民のレベルにも見受けられる。
 しかし、忘れてはならない。法の支配や国際秩序は黙っていて手に入るものではない。様々な行動と実践によって初めて生まれるものだ。それを踏みにじる大国があれば、他の国々は結集して止めなければならない。他の国々も黙認しているのなら、市民が政府に働きかけなければならない。市民もこの世界の担い手である以上、法の支配は死んだなどという冷笑は許されない。私たちのよって立つ価値感を守るために、これからもあらゆる侵略、虐殺、抑圧に抗議し続けよう。

ドイツに在住している日本人女性からのアピール

 私の住んでいたチリでは民主的に選ばれた社会主義のアジェンデ政権が自国の理想と国営化することを気に入らないアメリカがCIAを使い、クーデターを起こし、17年間も独裁政権を支持してきた。アクティビィストやジャーナリスト、声を上げる人はみんな収容された。3000人以上の人が殺され、2万5000人以上の人が不当に拘束された。これはチリだけの話ではない。アルゼンチンでは3万人以上の人が行方不明になった。グアテマラでは20万人以上が暴力を受けた。南米すべての国がアメリカのせいで苦しんだ。
 アメリカは民主主義のためだと言った。しかしこれは南米をコントロールし続けるため、南米の銅、石油などの天然資源を民営化させ、奪うための言い訳にすぎない。彼らは命・平和・民主主義など関係がない。私たちは声を挙げる義務がある。

在日ベネズエラ人の訴え

 帝国主義・植民地主義は世界の資源をすべて自分の物にしようとする。それに日本は関係なくはない。イスラエルからドローンを買う商談をしている。世界中の帝国主義・植民主義に対してあがらうことは人権を守ることに直接つながっている。ベネズエラはいろいろ試行錯誤して進んできた。ホンジュラスの大統領が麻薬取引をしたと逮捕されたが、完全に無罪釈放された。今回まったく同じ理由でマドゥロを逮捕した。こんなことを許してはならない。われわれの力で国際法と秩序を取り戻そう。そのためには自由のために声をあげてください。
 警察はバリケードを組み米国大使館を守る厳重な警備をしいた。抗議行動に参加者は警察の警備にひるむことなく、寒さをものともせずに、米大使館に向けて何度も抗議のコールを行った。外国人の参加も多かった。(M)

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