3・29令和の百姓一揆
日本の食を守るため再び立ち上がる時が来た
すべての農民に所得補償を行え
【東京】3月29日午後2時半から、青山公園で「令和の百姓一揆」集会とデモが令和の百姓一揆実行委主催で行われ、全国から百姓など1200人が集まった。
「百姓一揆実行委は農業、農村の衰退を止め、国産の食料を守ることを目的としている。気候変動による酷暑や台風、大雨などの災害、異常円安による肥料、燃料、飼料などの生産コスト増などによる経営赤字、高齢化などにより農家人口は年々減少してきた」。
「耕作放棄地は増え続け、今やひとつの県の面積をしのぐほどになってきた。米や野菜、畜産物、果樹などの国産食料の生産基盤が大きく損なわれようとしている。また山林は放置され、熊などの獣が多く出没し始め、農村の衰退も社会にとって深刻な問題だ。『日本の食と農を守ろう』をスローガンに闘う」(呼びかけチラシより)。
菅野代表が農業の危機的状況を訴える
最初に、「えーじゃないか」音頭が披露された後、菅野芳秀実行委員会代表が開会のあいさつを行った。
「一年で情勢は変わっていない。農家の事情は相変わらずだ。直近5年間で26万人の農家が離農した。残っている水田農家の平均年齢が71歳、日本農業の中心世代は団塊の世代で76~78歳。後5年を想像してみてください。肉体労働できない、団塊の世代は農作業から離農していく。そうなったら体が羊かんを切ったように、日本から農民が居なくなっていく。でもそのことを誰も知らない」。
「食がプツンと途切れるよ。その段階で大騒ぎしても遅いんですよ。どうにもならない。農業ができるようなるには何年もかかる。単なる農作業の技術を覚えたら、農民になるものではない。そのための方策は何も取っていない。おそらく5年後に、われわれが見たことがないような景色が展開する。そうならないために、この問題を国民的に解決しなければならない。それでわれわれは令和の百姓一揆を決行した。ぜひ皆さん、打ち上げ花火に終わらせてはならない。連続してやりきろう」。
農業を守ることを切々と訴え
続いて、参加した各地域の代表者があいさつした。
新潟、「農村を守り、食料を守る、行動していこう」。
山形、「山形県で同時開催している。当たり前に食べれる豊かな環境がなくなる。楽しくやろう」。
水戸、「新しい農業をつくろう」。
千葉県、「令和の百姓一揆千葉を立ち上げた。子どもたちに国産のものを届けるためには日本の農業を大切にしていかなければいけない。農家の人がまともに暮らせるように、個別補償も必要だ」。
広島県、「食がなくなれば、人間でなくなる。安全・安心の食を提供したいとがんばっている。軽トラで広島でも行進している。広島は中山間地が多い所だ。次の世代に残さないといけない」。
静岡県、「浜松駅前でトラクターを持ち込みスタンディングを行っている。こころを一つにするとしてやっている。消費者の皆さんに農家の実情を知ってもらって、これから日本の農業をどうしたらいいか、考えていただく」。
宮城県、「昨年度はコメどころ宮城県でも、スーパーの棚からおコメが消えた。待ちに待った新米も5キロ5000円の値段がついて、生活に余裕がある家庭でないと、子どもたちにお腹いっぱいに食べさせられないということが本当に目の前でおこった。都会に住む消費者も気がつきつつある。農村がまずいことになれば、自分たちの暮らしも、じわじわとではなく、ただちにまずいことになってしまう。今年の秋頃に仙台市内で一揆を起こしたい」。
山形市議会議員。「自分たちの議会では昨年の9月に、全国で初めて農家に所得補償をという意見書を全会一致で国にあげた。みなさんの地元議会に働きかけてください。全国から所得補償をという意見書をあげていこう」。
食と農の自立・独立を
東京大学大学院の鈴木宣弘教授が農業についての状況報告をした。
「日本の食料自給率は38%、肥料はほとんど輸入だ。ホルムズ海峡の封鎖で、エネルギー自給率が11%しかないということ。これを勘案しなければいけない。実質的な自給率はすでに数パーセントで危機的状況だ。そして、農家の皆さんはコスト高で、さらにどんどんやめていく状況になってきている。
一方、消費者も所得が減って苦しい、これではやっていけない。農家の皆さんにとって貴重な額と消費者の皆さんが払える額にギャップが生じている。だから簡単です。そのギャップを埋める所得補償を農家の皆さんにきちんとやれば、消費者の皆さんは安く買えて、農家の皆さんは所得が担保されて、そして増産できて自給率を上げていける。
今こそやればいいのに、政府はそうした政策だけは絶対にやらないと言っている。そして、コメは作るな、備蓄は減らせ、輸入を増やせと未だに言っている。これはまさに、自国政府が自国民を飢えさせるような兵糧攻めのようになっている。
だから、それを変えなければいけない。政府はやるべき政策はフードテックだと言い始めた。フードテックってなんですか。今までがんばってきた農家の皆さんいらない。フードテックにシフトしていくことはがんばってきた農業を潰して、一部の企業がそういうもので、儲けるような流れを作っていくと表明している。
このような状況を続けたら、日本の農業・農村は破壊されて、今のように物が入ってこない、国民が飢え死にしてしまう。だから、それをどうやって止めるか、全国でも立ち上がっている皆さんの力で、私達はこの流れを変えていかなければいけない。変えられるのはみんなの力だ。『飢えるか植えるか』、飢え死にしないように、みんなで植える。みんなで作ってみんなで食べる。
そういう取り組みを強化して、全国各地からローカル自給圏を構築していけば、全国の地域の食と農の自立・独立を広げていって、日本の独立を回復していくことができる。そのために、協力してがんばっていこう」。(発言要旨、文責編集部)
※注 フードテックの主な問題点は、導入・開発に多額のコストがかかること、消費者の抵抗感、そして法整備の遅れ。高度な設備や光熱費などの維持費が高く、大企業中心の取り組みになりがちで、植物肉などの代替食品は食感や味で受け入れられない場合もある。
各野党の国会議員らがあいさつした。集会後、青山公園から原宿駅付近までトラクターや軽トラックそして「百姓一揆」の提灯(ちょうちん)を掲げてデモを行った。
(M)

「日本の農業を守るために共に取り組んでいこう」と訴える(3.29)

トラクターデモで「百姓一揆」をアピール(3.29)
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