7.20第15回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会
人権重視の教育の復権を
「教育」崩壊に抗して交流を深めよう
7月20日、東京・日比谷図書文化館のコンベンションホールで第15回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会(主催:実行委員会)が行われ、86人が参加した。
日の丸・君が代強制「10・23通達」から22年
実行委員会は、以下のような結集軸で交流集会を取り組んだ。
①すべての戦争を中止し、世界平和の実現の社会と教育を─わたしたちは第二次大戦後に形成されてきた世界秩序と国際法を無視したトランプ政権の政策と、イスラエルやロシアの侵略行為を許さない。同時に、急速な日本の軍事力強化に反対する。旧教育基本法が示したように、世界の平和と人権の擁護は教育によって実現するものであることを改めて確認するものである。
②強制始まる「教育」は崩壊しつつある─東京都教委による「10・23通達」が発出されて22年が経過した。教職員は累計で約484人が処分された。主幹や主任教諭などの中間管理職が新設され、上位下達の学校組織を作り上げた。教育は崩壊の過程に入ろうとしている。教員不足は2000人を超えている。離職率の4・4%は、過去10年間で最も高かった。子どもの状況も深刻であり、不登校の小中生は最新で34万人を超えており、教職員と子どもの両方で深刻化している状況は、教育の崩壊状況とみてよいだろう。
③強制の「教育」から自由で平和を求める教育を─現在、教育はGIGA スクール構想などICT 教育が前面に出てきている。児童生徒たちはタブレットを使い、授業を受けている。マイナンバーにより成績や健康・生活までも管理される状況になっている。戦争とジェノサイドの時代になって、人権を大切にする教育こそが求められている。私たちは改めて憲法で示された平和を求める教育の実現が求められるべきである。
新自由主義教育をはね返そう
集会は、永井栄俊さんの主催者あいさつから始まり、「教育の新自由主義化のために東京都教委は日の丸・君が代の強制のために「10・23通達」(2003年10月23日)を発出し、以降484人も処分を強行した。学校と教員のマネージメント化を強化したが、教員不足・離職率、不登校が高くなっている。教育の崩壊が進行している。人権重視の教育の復権が求められている」と述べた。
辻野けんまさん(大阪公立大学准教授)は、「『〈国際化〉を謳い〈国家化〉する公教育』」というテーマから①教員の「教育上の自由」論の視角②教育権論争と教職専門性の課題③公教育の人間化④ポスト国民国家時代の福祉社会と教育について明らかにした。
そのうえで「福祉国家もまた万能ではなく、管理国家的側面や財政破綻などが現出した。国家が福祉的であるという福祉国家と、社会がそうであるという福祉社会は同一でない。福祉国家は議会が定め政府が実行するが、福祉社会は人びとが自ら具現化するものだ」と問題提起した。
各地の現場報告
次に以下のように各地の現場から報告が行われた。
近藤 徹さん(被処分者の会・東京「君が代」裁判)は、「10・23通達」関連裁判の状況、東京「君が代」裁判第五次訴訟(2021年3月31日提訴)の判決言い渡しが2025年7月31日(東京地裁)であることを報告した。
片桐育美さん(東京教組特別区支部長)が「ますます混迷に陥ったスピーキングテスト、その問題点とは」、澤田幸治さん(多摩島嶼地区教職員組合)が「現場のICT化(情報通信技術)の現状と課題」、宮澤弘道さん(多摩島嶼地区教職員組合委員長)が「学校の今」(教職員管理強化とまやかしの働き方改革)について分析し、問題点を浮き彫りにした。
「大阪からの報告」では、山田光一さん(「日の丸・君が代」強制反対・大阪ネット)が「『君が代』不起立による処分は2012~19年戒告64人、減給3人だった。継続して卒・入学式時でのビラ配布、大阪府教育委員会に対する『君が代』通達に対する抗議と要請を行っている。『君が代条例そのものを問題にすべき』『子どもの権利条約や児童・生徒の人権状況の問題として取り上げていくべき』等の問題提起もあり議論している」と報告した。
井前弘幸さん(ひのきみ大阪ネット)が「大阪における『ひのきみ』関連訴訟の論点整理と課題」、松田幹雄さん(D─TaC共同世話人)が「8年半の人事委員会・裁判で明らかになった事実を踏まえ、『君が代』調教を告発する権利主張を呼びかけていきます」について報告。
久保敬元校長(大阪市立木川南小学校)は、大阪市の教育行政を批判する提言書(2021年5月)を実名入りで出したことに対する処分や人権侵害救済申し立て、大阪市会に陳情書提出などを報告。
さらに神奈川の外山さん(教育と個人情報保護を考える会)が①「日の丸・君が代」強制とデジタル教育支配②児童生徒約26万人の教育データ収集と問題点③自動採点システムの導入④デジタル教科書の問題点などを報告。
朝野公平さん(横浜総合高校)は休憩時間問題の取り組みを紹介した。
石井泉さん(千葉高教組「日の丸・君が代」対策委員会)は、千葉の県立高校の状況、「物言わぬ」教職員、高校統廃合問題などを報告。
市民・諸団体からの報告では、池田五律さん(戦争に協力しない!協力させない!練馬アクション)が自衛隊の児童・生徒への工作、中川信明さん(練馬教育問題交流会)が「学校でひそかに進められている「Jアラート避難訓練」問題、長谷川和男三さん(朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会)の取り組み、「日本学術会議特殊法人化法案」廃案の闘いの報告が行われた。
銀座・数寄屋橋に向けてデモアピール
最後に決議文、特別決議文の提案・採択。銀座・数寄屋橋に向けてデモに移り、「『日の丸・君が代』の強制反対! 教員の処分をやめろ! 処分を撤回しろ! 給特法を廃止しろ! 教員にも労働基準法を適用せよ!」などのシュプレヒコールを響かせた。
(Y)

「教員の処分をやめろ!」とアピール(7.20)
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